沖縄・九州

沖縄県

中部国際空港から飛行機で2時間、拓郎は那覇国際空港に到着した。さて空港内で色んな人に声をかけるものの中々足を止めて話を聞いてくれる人がいない。歩いているとインフォメーションを見つけ沖縄の名所を尋ねた。

すみません、沖縄の名所を教えてください。受付嬢のお姉さんはどういった所に行かれますか?

拓郎は1人旅で現地の人に聞いて名所やグルメを巡ろうと思っているので何も決めていません。

お姉さんはそうだな……じゃあまずは国際通りに行くのがオススメですね。観光客だけでなくて地元の人もよく利用しています。ここからだとバスに乗るかモノレールに乗って行くかになります。

拓郎はお姉さんに電車は走ってませんか?

お姉さんは沖縄には電車は走ってないよ。電車に最も近いのはモノレールになるよ。ありがとうございますと言ってインフォメーションを後にしてモノレールの乗り場に向かった。

乗り場に着いて見上げると那覇国際空港駅と書いてあり駅と書いてあるなら予め決めたルールには則っていると解釈してモノレールに乗った。

拓郎はこの時に始めて沖縄に電車が走ってないことを知り、モノレールから外の景色を眺めていた。そして国際通り駅前で降りた。ぶらりと歩いていると沖縄弁があちらこちらで聞こえるが何を言っているのか全く分からなかった。オススメな所を聞き込みしようと話しかけてみるが観光客ばかりで分からないと言った答えが多かった。

そうするとサラリーマンが拓郎に声をかけて沖縄ならソーキそばが有名だよ、もうすぐお昼だけど一緒にどう?

せっかくならと拓郎は男性と共にソーキそばのお店に入った。男性はソーキそばを2つ頼み待っている間、拓郎に話しかけた。お兄ちゃんはどうして沖縄に来たの?

拓郎は大学が春休みなので全国1周しようと思ってその手始めとして沖縄に来ました。沖縄に電車ではなくモノレールが走ってることを沖縄に着いてから知りました。

男性と拓郎はテーブルに運ばれてきたソーキそばを食べた。拓郎は男性にこのチャーシューみたいのはなんですか?これはアグー豚だよ聞いたことない?

拓郎はすみません、始めて聞きました。今回の旅の目的は何も調べないで現地の人に聞こうと思っています。

そういうことか、面白い旅してるな。拓郎はソーキそばを食べ終えて男性に沖縄の観光地を聞いた。

そうだね……お兄ちゃんはプロ野球は好き?もし好きなら沖縄本島でキャンプを張ってる球団あるから観に行ってもいいかもね。

男性にお金を渡そうとするといいよここは払っておくからお兄ちゃんは旅行を楽しみなと言ってご馳走になった。

拓郎は熱狂的なファンではないがテレビで中継がやっていれば観ているので男性から聞いたのでキャンプ地を巡ることにした。

お店を出て拓郎は聞き込みをすると北谷(ちゃたん)球場で中日ドラゴンズがキャンプをやってるよ。今ぐらいからキャンプじゃないかな?

拓郎は言われるがまま北谷球場までバスで移動し、北谷球場に向かうと中日の1軍がキャンプをやっていた。選手たちは紅白戦が行われていて1試合丸々見ていると夕方の4時半でひとまず近くにある海に向かった。

沖縄の海は青と言うより異国に居るのではないかというエメラルドクリーンでしばらく海を眺めていた。スマホで撮影していると夕方5時に陽が沈み、1度街に戻ろうと考えた。

街に戻ると昼に来た時よりも人が行き交っていて一気に繁華街の雰囲気が漂っていた。歩いていると仕事終わりのサラリーマンやOLが居酒屋でお酒を飲んでいた。そこでは沖縄弁が聞こえて分からなかったので近くにある100円均一でホワイトボードを購入した。

ホワイトボードにオススメのお店に記入して歩いていると沖縄名物のゴーヤチャンプルーが美味しいお店の掲げられたお店の店主に是非沖縄に来たなら食べていきなと声をかけられた。

晩御飯はこのお店に入りゴーヤチャンプルーを食べようと決めた。そして沖縄満載定食とビールを頼んだ。待っている間に沖縄特集の雑誌を読んでいて北部と南部では雰囲気が違うと書かれていた。

テーブルにゴーヤチャンプルー定食が届き、ゴーヤチャンプルーの他に海ぶどうやラフテー丼と沖縄の名物が盛り込まれていた。お腹がいっぱいになり次に鹿児島県に行こうと那覇国際空港を向かったが鹿児島行きの便は既に終わっていた。

インフォメーションに行き、鹿児島に行くには飛行機以外に手段がないかと聞くとフェリーもあるがこの時間だと就航してるから行くなら明日ですね。

拓郎は那覇国際空港の近くにあるビジネスホテルに1泊することにした。


鹿児島県

拓郎は午前5時に起き、2日目の朝を迎えた。拓郎は朝食を食べて飛行機に乗り鹿児島空港に向かった。よし、これでやっと本来の目的でもある電車の旅が出来る。ホワイトボードに鹿児島県の名所や名物グルメを教えてくださいと描いて歩いていた。20代だというOLは桜島が有名だよと教えてくれ、桜島は車かフェリーじゃないと行けないよ。

拓郎はそうですかと落胆していると女性は今から一緒に桜島行く?レンタカー借りるから一緒に来て。

拓郎は言われるがまま女性について行きレンタカーを借りて桜島に向かった。女性は拓郎にどうしてまた鹿児島に来ようと思ったの?

拓郎は大学の春休みで日本1周しようと思ってて昨日は沖縄に行って飛行機で鹿児島に来ました。女性は是非鹿児島も堪能してまた来たいと思ってくれたらお姉さん嬉しいなと微笑んだ。

拓郎は車から桜島が見えてスマホで撮影した。

しばらく運転していると桜島に到着し、拓郎は女性に名物グルメを聞いた。女性はしばらく考えてそうだね……鹿児島ラーメンが有名だけどどうかな?

拓郎はラーメン好きなので是非食べてみたいと言うと近隣の鹿児島ラーメンのお店に向かった。ラーメン屋に着き、女性はチャーシュー麺がオススメだからと言われ拓郎はチャーシュー麺を注文した。

しばらく待っているとラーメンが届きチャーシューが大きいですねと言うと鹿児島の黒豚は有名だよと2人でラーメンをすすっていた。ラーメンが食べ終わり、拓郎は桜島に連れてきてもらったのでラーメン代を2人分支払った。

拓郎は女性にここから近い最寄駅にお願いします。女性は鹿児島空港に戻れば特急に乗れるからそっちの方がいいんじゃない?

拓郎は今回の旅では特急に乗らないと決めているのでと伝えると指宿温泉も有名だから時間あるなら是非行ってみてねと話していると駅に着いた。

拓郎は指宿温泉に向かうことにした。温泉に向かって現地に着くと午後6時で泊まることも出来るが温泉だけの利用可で温泉に入った。1時間後温泉から上がり牛乳を飲んで電車に乗り、途中の駅で熊本行きと宮崎行きと分かれ拓郎は宮崎行きの電車を選んだ。


宮崎県

電車は都城駅に駅に着き、時刻は午後9時で駅近くを歩いていた。晩御飯はホワイトボードで名物グルメは何かと描くと地鶏料理がオススメだよとサラリーマンが教えてくれて一緒に居酒屋に入った。

サラリーマンは兄ちゃん好きな物頼みな、おじさんが全部払ってあげるからと拓郎は地鶏の焼き鳥を注文した。サラリーマンに地鶏美味しいですねと話しているとチキン南蛮も有名だからこれも食べなと気前よく注文をしてくれた。

宮崎でオススメのグルメや観光地はどこか聞くと高千穂バーガーが有名で高千穂峡が有名かな。今からだと電車ないから明日是非行ってみて。

拓郎は有力情報を手に入れて旅館に泊まり布団を敷いて午後9時に寝た。

拓郎は朝4時に起きて3日目の朝を迎えた。朝5時に駅に行き、始発の電車で高千穂峡に向かった。駅員さんに高千穂までどれぐらいかかるか聞くと5時間ぐらいかかると言われ、途中に延岡駅に着いて発車までしばらく時間があるため駅弁を購入した。

車窓を眺めていると自然が多く空気が美味しく駅弁もより一層美味しく感じた。

そして延岡駅に着き、そこからのバスに乗って高千穂峡へと向かった。バスを降り、歩いて向かっていると高千穂バーガー専門店があったので高千穂バーガーを食べて高千穂峡に向かい写真を撮影し、大分県に向かった。


大分県

電車は宮崎県から大分県に入り由布院駅に着いた。

拓郎は毎度のようにホワイトボードに名所や名物グルメを教えて欲しいと掲げていた。

駅員さんが観光地ならこの辺りだと温泉が有名で、少し離れるとうみたまご(水族館)や高崎山動物園かな。

拓郎はとりあえず由布院で降りて温泉に行くことにした。温泉巡りを2時間程していると時刻は午後1時でお腹が空いたので温泉のロビーには飲食店があり、メニューを悩んでいたらおばちゃんがメニューに悩んでいるなら鳥刺しがオススメだよと教えてくれた。

鳥刺しを食べてうみたまごに向かった。午後2時うみたまごに着き魚を見て、10分後にイルカショーが行われると書かれて見ることにした。イルカショーを見終わり、続いて高崎山動物園に向かった。

午後3時半、高崎山動物園に入り閉園時間が5時で拓郎は早歩きで回っていた。右を見ても左を見ても猿が多くいて驚いた。

駅に向かう道中、動物園に来ていた家族が夜は唐揚げを食べに行こうと話していた。拓郎はその話を聞き唐揚げが食べたくなり、その家族にオススメの唐揚げのお店を教えてもらった。駅構内に有名な唐揚げのお店があると聞いて早速向かった。

駅を歩いていると1つのお店がすごい混んでいるお店があった。時計を見ると午後5時半、晩御飯には少し早いような感じはするが拓郎はお店に並んだ。この列を見て拓郎は大分が唐揚げが名物グルメなのかを改めて知り唐揚げ定食を食べた。

拓郎はホームに行き、午後6時発の電車で福岡県に向かった。電車に揺られ、小倉駅に着いたのは午後9時で次の日、佐賀に行こうと考えて佐賀方面の電車に乗り換えた。


福岡県

電車は博多駅に着き、博多駅で泊まることに決めた。

博多ではどんな料理が食べられるのか楽しみでホワイトボードに描く女子高生が博多に来たなら水炊きが美味しいよと教えてくれて繁華街を歩いていた。何も知らずに歩いていたがここの繁華街は有名な中洲だった。

中洲を歩いていると水炊きのお店に入ると店内は満席で家族連れや仕事帰りのサラリーマンやOLが沢山いた。とてもじゃないが1人で入るようなお店ではないと悟り、オススメだという2人前の水炊きを頼んだ。お腹いっぱいになりビジネスホテルに泊まった。

4日目の朝、昨夜の水炊きで拓郎は胃もたれをしていた。朝食は軽いものを食べようと思い駅に向かった。ホテルの受付で博多ラーメンが有名だよと聞いたがラーメンを食べれる状況ではなかった。駅の近くに博多うどんのお店を見つけ、うどんを食べることにした。

拓郎はきつねうどんを頼み、待っていると隣にいたおじいちゃんが博多と言えばやっぱりうどんだよな。

拓郎は博多と言えばうどん?ラーメンなら分かるがうどんも有名なことを初めて知った。電車に乗り佐賀県に向かった。


佐賀県

拓郎は佐賀駅に着き、オススメのグルメや観光地を教えてくださいと描いた。子供連れの主婦が唐津城がいいよと言われ、唐津城に向かった。

唐津城に行き、スマホで撮影して観光協会の人が次に吉野ヶ里歴史公園を勧められて拓郎は向かった。そして公園に行くと小学校の時にみた教科書に載っていた光景が見られ何だか懐かしい気持ちでいた。

時計は午前10時、胃もたれもだいぶよくなって佐賀牛のハンバーガーのお店で食べているとサラリーマンが伊万里に行けば伊万里焼の体験が出来るから是非行ってみてと教えてくれた。

拓郎は焼物を作ったことがなくせっかくならと伊万里焼の体験をして焼物を持ち帰るか聞かれたが途中で割れる恐れがあったので写真だけ撮って自宅に郵送してもらうことにした。

駅に戻り、拓郎は長崎県へと向かった。


長崎県

電車に乗り、長崎駅に午後1時に着いてお昼に長崎ちゃんぽんのお店がホームに何店舗もありとりあえずちゃんぽんを食べることにした。

長崎ちゃんぽんを食べてハウステンボスがオススメされたがこの日は臨時休業で行けずにいたら女子大生がペンギン水族館は1度行ってみて。ペンギンがめちゃめちゃかわいいから是非と念押しされた。

拓郎はペンギン水族館に行くと周りにはペンギンがよちよち歩きをしていて思って以上に可愛く思わず写真を撮っていた。出口でペンギンのスマホケースを買って水族館を後にした。

時計は午後3時、ペンギンが可愛かったとはいえ2時間も水族館にいるとは思いもしなかった。次にどこに行こうかと思っていたら拓郎はテレビ局の取材受けていた。取材はどんなスマホケースを使っているのかという調査で拓郎は先程買ったペンギンのスマホケースを見せた。

女性アナウンサーは可愛らしいスマホケースですね。そのホワイトボードはなんですか?

拓郎は電車で日本1周の旅行をしているところでホワイトボードで現地の人にグルメや観光地を巡っています。

長崎でちゃんぽん食べて、ペンギン水族館に行ったので他の所でオススメを教えて欲しいと尋ねた。

アナウンサーはそれならカステラや佐世保バーガー食べに行ったらどうですか?

拓郎はアナウンサーの言葉を聞いて早速佐世保駅へと向かった。佐世保駅で佐世保バーガーを食べてカスラを買っておやつで食べようと思っていた。

午後4時まだ九州で行っていない熊本県に行こうと電車に乗り佐賀県、福岡県を経由して熊本駅に着いたのは午後8時を過ぎていた。


熊本県

拓郎は熊本駅に着き、何故か無性に居酒屋に行きたくなり名物グルメの居酒屋を探していた。改札を出ると1人のサラリーマンは馬肉の有名な居酒屋に行こうと誘われて一緒に居酒屋に向かった。

拓郎は知らないサラリーマンと馬肉料理を食べて会計を支払おうとするとサラリーマンがご馳走してくれておじさんと飲んでくれてありがとうと言って去っていった。拓郎もまたビジネスホテルに行き、寝床についた。

5日目の朝、前日にお酒を飲みすぎたせいか起床したのがチェックアウトの1時間前の朝9時だった。

拓郎はひとまずホテルをチェックアウトして駅に向かった。駅で聞き込み調査をしているサラリーマンは熊本なら阿蘇山と熊本城は行くべきだと教えてくれて、まずは9時発の電車で熊本城に向かった。

拓郎は始めて熊本城を見ると大きさに圧倒されしばらく城を眺めていた。駅に戻り電車で今度は阿蘇山に向かった。

熊本駅から阿蘇山まで電車はあるもののそんなに本数がある訳ではなく電車で行くか悩んでいた。その時拓郎は首にかけていたホワイトボードを見て掟破りだなと思いつつもヒッチハイクを敢行した、

拓郎と同い年の男子大学生が1人で阿蘇山に行くのも味気ないからお供してくれよと車に乗って男2人で阿蘇山に向かった。午後1時、熊本駅から車で1時間強の間、拓郎はこの旅の説明をしていた。

途中で熊本ラーメンを食べて再び車に乗った。そして大学生は楽しそうだな、俺は今度の夏に車で日本1周してみようかなと話していると阿蘇山の3合目に着いて2人で阿蘇山を登った。他の山みたいに登山をするものだと思っていたがロープウェイで山頂に行く人が多く、拓郎たちもロープウェイで山頂に着き、しばらく散歩をしていた。

拓郎は午後4時に熊本駅に着き、九州沖縄を1周して関門海峡を渡って中国地方に向かった。

九州を離れるのは名残惜しいが旅はまだまだ始まったばかりでこれからも色んな人にグルメや観光地を聞いて周るのは面白いなって思い、電車は関門海峡を越えて午後8時山口県下関駅に着いた。

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