大学生放浪旅

佐々蔵翔人

あらすじ

「キーンコーン、カーンコーン」

ふぅ〜、やっと今日でテストが終わった。僕の名前は城島拓郎(じょうじまたくろう)愛知県に住む大学1年生で明日から4月の上旬までの約2ヶ月の春休みを迎える。

大学を歩いていると同じ高校の川上透(かわかみとおる)が声をかけてきた。拓郎テストどうだった?

出来た教科もあればイマイチ自信のない教科もあるかな。拓郎は透に明日から春休みだけどどうする予定?

俺は夏に自動車免許に行くためにバイトを掛け持ちにしようと思うよ。拓郎は?

う〜ん、どうしようかな?長期休みだし普段出来ない事したいな。だったらウチのファミレスでバイトしない?店長がいつも人手不足だって嘆いていてアルバイトに誰か来て欲しいって言うのが口癖だからさ。

そうなのか、1度検討するわ。こうして拓郎は大学の門を出て歩いて駅に向かった。歩いて15分、駅に着くといつもは横目に通り過ぎる宝くじ売り場が気になりスクラッチが新しくなっていた。

所持金は300円、スクラッチも300円でちょうど1回出来る。まぁ外れてもお金をおろせばいいしと軽い気持ちでスクラッチを購入した。

たて、よこ、ななめのどれかを1列削るというノーマルのスクラッチで拓郎は左のたて1列を削った。削ると亀の絵柄が出てきて横に書いてある絵柄と値段を見ると亀は……1等30万円と書かれていた。

拓郎は人目を憚(はばか)らず大きな声でうそ〜やった〜と大騒ぎをしていた。すぐさま換金して30万円を手に入れてさすがにそのまま持っていたら誰かに奪われる可能性もあると考えて手元に3万円、銀行口座に27万円を入れた。

拓郎はこの瞬間、よしこの春は電車で日本1周の旅に出かけようと決めて家に帰った。その日の晩御飯の時に家族に明日から春休みで電車の旅に出ようと思う。父はそうか、時間があるのは今だけだから楽しんでこいよ。母からは体調だけには気をつけるようにねと念押しされた。

ただ旅行するのもいいがルールを決めることにした。

1つ目、基本的には電車で移動する

2つ目、観光地やグルメは現地の人に聞くこと

3つ目、どうしても電車では行けない場合は飛行機や船の使用を可とする

4つ目、人のご好意は断らず素直に受け入れること

この4つの基本として旅行をしようと思う。

とりあえず1ヶ月分の荷物を準備をして始発の電車で中部国際空港で手始めに沖縄県に行くことを決めた。

スクラッチで30万円を当てたことをきっかけに日本1周をしようと思ったがこの旅で沢山のグルメと名所を周るのはもちろんだが、どんな人と出会えるのか楽しみで仕方がない。

次の日、拓郎は中部国際空港から飛行機に乗って那覇国際空港に向かった。

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