3人の行方

花南からの連絡

花南は咲綾に今週の土曜日に地区大会、日曜日に県大会があるから港南陸上競技場で大会あるから是非観に来て欲しいとメールを送った。

咲綾は僕、美華、藍にメールで花南が大会に出るからもしよかったら観に行こうと誘った。

僕は予定を空けておくね。

美華と藍はまだ予定がはっきりしないからもし時間があったら行くとメールを送った。

土曜僕は咲綾と共に港南陸上競技場に向かい、僕は1年前ここで全国大会を目指して走ったなと思っていた。

美華と藍は当日競技場に向かい、美華は僕と咲綾の姿を見つけて美華は僕に声をかけようとすると藍は止める。ダメだよ美華ちゃん、琢磨君と咲綾の姿見てみなよ。咲綾も琢磨君もすごい楽しそうに話してるのに私たちが入ったら邪魔でしょ。だから私たちで観よう。

美華はたしかに……今まで邪魔したことも多かったからね。

藍はだから咲綾や琢磨君に会って誘われても断ろうよ。私たちは観戦が終わったらそのまま帰ろうと言うと美華はそうだね声をかけられたら観にきたけどどこにいるか分からなかったからって言おうか。

花南が入場すると僕と咲綾の姿を見つけて花南は微笑んだ。花南さんは予選と決勝を1位で危なげなく明日の県大会出場を決めた。

僕と咲綾は競技場の外にベンチに座って自販機で買ったお茶を飲んでいると花南はクールダウンを終えて僕たちの方に歩いてきた。

花南さんは咲綾、琢磨君応援に来てくれてありがとう。スタンドの上で美華ちゃんと藍ちゃんいたよと言うと咲綾は観に来てるなら声かけてくれればよかったのにねと僕の方を向いて話すと花南は美華ちゃんも藍ちゃんも2人の邪魔したら悪いと思って敢えて声かけなかったんじゃないかな?きっと気を遣ってくれたと思うよ。

そっか……美華と藍になんか気を遣わせちゃって悪いことしたね。花南はそれより明日は県大会なんだけど2人は来れそう?

咲綾は明日も行くね、僕も明日行きます。明日県大会で成績残して全国大会出場となったらどこで行いますか?

花南は大阪の東中島っていう所で再来週の土曜日行う予定だよ。

もし私が全国大会出場決めたら私の試合来ないで2人はどこかでデートしてるだろうけどと揶揄った。

僕は花南さんが明日全国出場と決まったら先ずは試合を観にいきますよ。

だって僕と咲綾は元々陸上やってたのでそりゃあ全国大会となれば観に行きますよ。花南は2人のためにも私全国大会出場出来るように頑張るから応援しててねと伝えた。

夜が明け花南は午前中に行われる予選に備えて入念に準備体操とウォーミングアップを済ませ予選を迎える。位置について「よーいドン」と号砲が鳴り、花南は無事に1位で決勝進出を決め、昼食をとっていた。

そして決勝までリラックスし、時間を待っていた。花南は時間になり立ち位置に向かう。位置について「よーいドン」号砲が鳴って全国大会に向けて花南さんは走る。

花南さんはゴールテープを切り、県大会記録更新の1位で全国大会進出を決めた。スタンドで観ていた僕と咲綾は感動し、選手入場口で花南が出てくるのを待っていた。選手がどんどん出てきて花南さんが出てきて咲綾は花南の姿を見て抱き合った。

咲綾は花南、全国大会出場おめでとうと言うと花南はこれで2人を全国大会に連れて行くことが出来るよ、まぁ観に来るかどうかは分からないけど。

僕は花南さん、ちゃんと僕たち試合観に行きますよ。

花南さんはありがとね、他の人にも声をかけてみてと言うと咲綾は美琴や美華、藍にも声かけてみるよと伝えた。

咲綾は美琴、美華、藍にそれぞれ花南が全国大会出場決めて再来週の土曜日に東中島って所で行うみたいだから観に行こうと言うと3人とも同じメールが返ってきた。「観にいくけど私は咲綾と琢磨君と別の所でみるね」咲綾は分かったと返信した。


全国大会、東中島競技場

僕と咲綾は東中島陸上競技場に行くと港南もかなり大きい競技場だが想像より遥かに大きかった。僕は陸上をしてたからこそこんな大きな競技場で走れる花南がとても羨ましかった。

会場に入ると咲綾は美琴、美華、藍の姿を見つけて美華に声をかけた。美華は咲綾の目線を逸らし逃げるように移動しようとすると咲綾は美華を呼び止めた。咲綾は美華になんで逃げるの?

美華は咲綾にだって……私たちが声をかけたら琢磨君も咲綾もいい思いしないかなって思うし、やっぱり邪魔したらいけないっていうのが1番かな。

咲綾はなるほどね、咲綾は明日、私と琢磨とデートするから今日は私、琢磨、美琴、美華、藍の5人で花南の応援しよう。みんなで応援した方が花南も嬉しいと思うよ。

美華は咲綾は優しいね、藍も美琴もそれでいいと聞くと美琴は美華が1人で焦ってただけなんだから咲綾の言う通りみんなで花南の応援をしよう。そして5人は横一列に座り見ることにして花南さんの登場を待った。花南さんが競技場に姿を見せると僕たちは花南に声援を送ると花南は僕たちの姿を見て手を振った。花南は緊張する姿もなくいたって冷静で時間になるのを待っていた。いつものルーティンで入念に準備体操をしてウォーミングアップをして予選を迎える。

花南さんは立ち位置に着き、号砲が鳴るのを待っていた。そしてスターターが位置について「よーいドン」と号砲を鳴らす。花南が走ってる姿を見て僕たちは応援し花南はギリギリ3位で予選を通過した。

咲綾は全国ってすごいね、あの花南がギリギリ3位で決勝進出ってことはレベルが高いんだねと言うと僕はそりゃあそうだよ、各県で勝ち上がった強者がここに来てるんだから。それでも俺は花南さんは次の決勝も結果残すと思うよ。

僕はなんの根拠もないが走りを見ていてなんとなくそんな気がした。花南さんは決勝までゆっくりしていた。決勝の時間になり花南はスタート位置に向かい、スターターが位置について「よーいドン」と号砲が鳴る。

僕たち5人は花南さんに声が枯れるまで応援して花南はゴールした。僅差で花南が先にテープを切り全国優勝を果たした。その姿を僕たち5人はスタンドで観ていて感動し思わず泣いてしまった。花南は1位となりお立ち台に呼ばれた。インタビュアは岡山選手優勝おめでとうございます。

花南はありがとうございますと答え、皆様の応援のおかげで私はこの場に立てていると思います。インタビュアは優勝を誰に伝えたいかと聞かれ、今日私の応援のために地元から駆けつけてくれた大学の友達たちです。咲綾、美琴、美華ちゃん、藍ちゃん、琢磨君ありがとう。インタビュアは一部噂では岡山選手はいくつかの実業団チームから話があると聞いてますがどうですかと聞くと花南は私のもとにはそう言った話は聞いていないのでまた後日考えていこうと思います。

花南さんはスタンドの方に深々と一礼をすると溢れんばかりの拍手がおきた。

僕たち5人はいつものように選手入場口で花南が出てくるのを待っていた。

花南さんは5人のもとに来てみんなの応援のおかげで優勝出来たよ。咲綾と琢磨君は私の応援ホントに来てくれるとは思わなかったよ。

咲綾は花南に美華が私を見て逃げるものだから理由聞いたら私たちがデートの邪魔したらいけないからって言うもんだから私は美琴、美華、藍の前で明日2人でデートするって言って5人で観てたよ。

花南さんは明日デート行くなら今からみんなで食べに行こうと言うと美琴はせっかくと大阪来たならお好み焼きに行くことになった。

テーブルを囲み花南は改めてみんな今日は遠いところまで応援に来てくれてありがとう。さっきのインタビューでいくつか実業団チームから話来てるの知らないって言ってたけどホントは知っていてね。

僕は堪らずどこから声がかかってるのか聞くと琢磨君は知ってるかも知れないけど湘北自動車だよと答えると僕は湘北自動車って陸上の名門から声がかかるってすごいですね。

花南さんの表情を咲綾は見逃さなかった。

咲綾は花南にそんなすごいところから声がかかってきたのにどうしてそんな浮かない表情してるの?

花南は湘北自動車はコーチが厳しくて練習が大変って聞いて私はついていけるのかなって心配になっちゃってさ。

咲綾は花南を抱きしめ花南は今まで辛い練習に耐えてきたからここにいるんだから自信持ちな。湘北自動車に行くのか行かないかは花南の人生だから花南自身がどうするか決めなと思いを伝えた。

花南は湘北自動車の練習を見て決めた。

花南さんはみんな好きな物食べていいよ、ここは私が全部払うからと言って5人はお腹いっぱいになるまで食べた。


大阪観光

昨日咲綾が高らかに宣言した通り今日は僕と咲綾の2人でのデートでどこに行くか僕は昨夜ずっと考えていた。

僕はネットで大阪には日本一高い吹里観覧車があると見つけどんな景色なのか見たくて咲綾と共に吹里観覧車に向かい乗って大阪の景色を眺めると奈良の橿本盆地や兵庫の豊谷山がくっきりと見えた。その後水族館の北港水族館に向かいアザラシやペンギンのかわいい姿に癒されてイルカショーでは飼育員が鳴らす笛にイルカが輪の中に入ったりボールを打ち返す姿がとても可愛かった。

その後、併設されている動物園に行くとコアラやサル、キリンの姿を見て咲綾は燥いでいた。

咲綾のお腹は鳴りお昼をとることにし僕は咲綾と2人分のお弁当を購入した。

僕はコアラ、咲綾はペンギンがモチーフとなったお弁当で咲綾はあまりの可愛さに写真を撮らずにはいられなかった。

僕はどこに行こうか迷っていて大阪は別名天下の台所、またの名の食いだおれと言われるほど美味しいお店が沢山ある。僕はネットで色々なお店を探していると咲綾は大阪来たから色々なものを食べ歩きしたいと提案した。

僕は水族館から近い夕軒橋にあるたこ焼き屋に向かった。ここでは王道のたこ焼きだけでなく、ネギ焼きらラジオ焼き等多数販売されていてミックスを頼み2人で食べていた。その後僕と咲綾は夜行バスの時間まで電車やバスに乗って食べて歩きの繰り返しをしていた。


オーディション

美琴さんと咲綾は大学卒業後どうするのか2人で話し合っていた。美琴は咲綾に私は演劇部を通して演劇が楽しさ、難しさを知ってすごいやりがいを感じたから劇団に入って全国、いや世界を回って色々な人を感動させたいな。

咲綾は美琴すごいね私も決して上手いわけじゃないけど演劇で色々な人を感動を与えられたらこれ以上嬉しいことはないと思う。

美琴は咲綾じゃあ一緒に劇団のオーディション一緒に受けようと言うと咲綾はまた2人で同じ劇団で演劇出来たらいいねと話し合っていた。

そして美琴と咲綾は東京、神奈川の劇団のオーディションを受けに行った。美琴も咲綾も中々受からずお互いに話していた。原点に戻ろうと思い、美琴さんと咲綾は演劇部に向かった。

美華は美琴と咲綾に部室に入ってきてどうしたのか聞くと美琴は私たち劇団のオーディションを受けてるんだけど中々受からなくてみんなの演劇を見て原点に戻ろうかなって思ってさ。

それを聞いて美華は2人とも大変だね、何かあれば私たちがいつでも話聞くもんでいつでも来てね。咲綾は美華、藍ありがとうと言うと藍は咲綾に何を言ってるの、新入生の私たちに演劇部に誘ってくれたのは他でもない咲綾でしょ。その咲綾が困ってるなら話を聞くのが仲間だよ。

咲綾は藍にすぐに何か演劇やってと言っても難しいと思うけど何か出来ないか。美華と藍に頼んだ。

美華はしばらく考え込み藍は美華に耳打ちをして美華は笑顔で頷いた。

咲綾はその演劇を見て何故か懐かしく思い美琴は咲綾の頭を撫でた。美華と藍は一通り終わり咲綾が泣いていてどうだったかと聞くと咲綾は美華、藍ありがとう。でもどうしてこれを?

藍は私たちに初めて教えてくれたから咲綾が悩んでいるなら初めにやったのをすれば咲綾の心に響くかなって思ってさ。

咲綾は美華と藍を抱きしめてこの1年、いやこの半年で演劇も人間的にもすごい成長したね。これからは美華と藍が演劇部を引っ張っていってね。そして咲綾と美琴は部室を後にした。

美琴さんは咲綾にさっき美華と藍の姿を見て私たちが新入生の時に演劇部に入った時の気持ちに戻れた気がするよ。

咲綾は結局そこかなって。

美琴はどういうことなのか聞いた。

咲綾は私たち劇団に入ろうとしすぎてて楽しもうとしてなかったと思うと言うと美琴はたしかにそれはあるかもね、仲間って大事だね。

咲綾は私たちにはかえるところがあるから何か困ったこととかあったらまた部室に戻ろう。2人はまたオーディションを受ける日々がまた始まった。


トライ

咲綾と美琴は原点に戻りオーディションを受けに行き楽しむことを忘れず挑んだ。美琴に知らない電話番号からかかってきた。

美琴さんは電話に出るとたまげきを拠点とする劇団秋風から合格と言われ喜んでいると橋本さん来年大学4年生ですが授業出なくて大丈夫なのか確認された。

美琴さんは単位は全て取ってゼミに入っていないので後は卒業を待つだけなので肩書きは大学4年生ですが来春からでも行けますと言うとそれなら1年間練習生としてやって卒業後正式な契約を結ぶ形にすると言われて美琴はお願いしますと返事をした。

美琴さんは咲綾に劇団に決まったよ。と言っても大学4年生だから正式な契約は大学卒業後にしてくれることが決まったよ。この1年は練習生として参加させてもらうことが決まったよとメールを送った。

咲綾は美琴おめでとう。私はまだ決まってないけど年内に決まらなかったら就職との二足のわらじになるけど、頑張るねと送った。

しかし咲綾は不安でいっぱいだった。咲綾は悩んでても仕方ないと思い演劇部の部室に向かった。部室に行くと藍がいて咲綾は美華はどうしたのか聞くと美華はまだ授業受けてるからしばらくしたら来ると思うよ。

藍は咲綾今日はどうしたのか聞くと私今悩んでててと言うとそれなら美華が来るまで話そうと藍は言った。咲綾は藍に美琴は決まったのに私は中々決まらなくてと愚痴を話していた。話していると授業終わりの美華がやってきて咲綾はなぜ部室に来たのか美華にも話した。

美華は咲綾に私が言えるのは咲綾が目指したいものがあるなら咲綾を応援するよ。他に何かやりたい仕事が見つかるならそっちで頑張って欲しいとも思うよ。

藍は琢磨君に相談ってした?

咲綾は琢磨にはまだ相談してないよと言うと同じこと言うかもしれないけど話聞いてもらったらと言うとそうだね、1度相談してみる。

咲綾は僕に電話をかけて咲綾が相談あるなら電話じゃなくて直接谷町公園で話そうと言って電話を切った。

藍は咲綾に琢磨君なんて言ってたと聞くと直接谷町公園で会って話そうって言ってたよ。だから今から琢磨に会ってくるね。

美華、藍話を聞いてくれてありがとうと言って私は部室を出た。美華と藍は話し合っていて咲綾にとって1番いい形になったらいいね、

咲綾に琢磨君がなんて言ってた聞いてみよう。僕は咲綾が相談があると気になり女子前にある谷町公園で咲綾を待っていた。咲綾は自販機を持って僕のもとにやってきた。

僕は咲綾にどうしたのか聞くと私は泣きながら劇団に入りたいんだけど中々決まらなくて美琴は劇団で1年間練習生として卒業後正式な契約になるって聞いて私は劇団入るの諦めて働いた方がいいんじゃないかと思い始めて琢磨に話を聞いてもらもうと思ってさ。

僕は咲綾の話を聞いてギュッと抱きしめ頭を撫でながら咲綾つらかったね。話してくれてありがとう。咲綾がどうしても劇団に入りたいって言うなら何年かかっても挑むのもいいと思うよ。俺はそう思うけど決めるのは咲綾だからあくまでも1つの意見として聞くぐらいにして。部室を出て帰ろうとしていた美華と藍は谷町公園の近くを通っていたら僕たちの姿を見かけて公園にやってきた。

美華は僕に咲綾を泣かしてるの?何を言ったのと声を荒らげた。

俺は咲綾にやりたいことがあるなら何年かかっても挑むべきだよと言うと美華はたしかに琢磨君の言う通りだね。

僕は咲綾を家まで送ろうとしていると咲綾は琢磨ありがとう、駅に着いたら自分で帰れるから大丈夫だよと言って咲綾は家に帰った。


練習生

美琴は劇団秋風の練習生としてたまげきで奮闘していた。

練習生と言っても練習する演目は団員と同じものを練習していていた。ある日美琴も全国公演に帯同することが決まり咲綾にメールで伝えた。咲綾はもちろん観にいくよ、会場と日時が分かったらまた連絡してね。

美琴さんは全国公演に向けて家に帰っても練習をしていた。次の日いつものように劇団に向かうと団長から団員の1人が大怪我をして全国公演に出られそうにないと言う話になり代わりの人員を探していた。美琴は手を挙げて私こころあたりがあるのでよければ会って帯同するか決めてもらえないかとお願いした。団長は公演まで時間ないしとりあえず会ってみるか。悪いけど橋本、その子にいつ都合がいいか聞いてもらえるかと言われて美琴は咲綾に電話した。咲綾は電話に出て美琴どうしたの?

咲綾って今どうしてると聞くと咲綾は今大学にいるよと言うと今からたまげきに来て欲しいと伝えた。団長、友達が今からここに来るそうです。30分後、咲綾はたまげきに到着し、美琴と同じ大学で同じ演劇部の近藤咲綾ですよろしくお願いします。

団長は早速美琴に橋本と同じ動きを教えて欲しい、1時間後またここに来て欲しいと伝え美琴は咲綾に教えていた。1時間後咲綾と美琴は先程いた場所に戻りみんなの前で披露した。

団長は僕たちと橋本と一緒に全国公演に帯同して欲しいと言われ咲綾は皆さんにご迷惑をかけると思いますがよろしくお願いします。

咲綾も美琴と共に帯同することが決まった。そして劇団秋風は美琴、咲綾の活躍もあり全国公演を無事に成功し団長は咲綾を呼び出した。今回は急に来てもらってありがとう。近藤さんは次の進路って決まってる?

咲綾はいえ劇団のオーディションを受けてるんですが中々受からなくて……。団長は小さな劇団だけど一緒に活動して欲しい。今は橋本と同じ練習生として1年過ごしてもらうけど今回みたいに公演にも出演してもらって経験を積み卒業後正式な団員として契約をするから。

咲綾は2つ返事でよろしくお願いしますと返事をした。

咲綾はまず声をかけてくれた美琴に電話をして私も劇団秋風で1年間練習生として卒業後正式な団員としての契約をすることになったよ。

美琴さんはまた咲綾と一緒に演劇が出来ると思うと嬉しいよ、そのことを美華、藍、琢磨君にも教えてあげな。3人とも咲綾のこと心配してると思うからと言うと食事誘って言おうかなと思うよ。

咲綾は僕、美華、藍にたまげきの近くにある18時に焼肉屋行こうと誘った。午後6時に集まりお店に入りコースメニューを頼んだ。

咲綾は急に3人に集まってもらってゴメンねと言うと僕は清々しい顔してるけどどうしたの?

咲綾は私、美琴と同じ劇団に決まったよ。と言っても大学4年生だから今は練習生で正式な団員は卒業後だけどね。僕は咲綾に決まってよかったね、決まって安心した。

咲綾は好きな物食べて、私が食事代出すからと言ってみんなで焼肉を食べた。

そして春になり美琴、咲綾、花南は卒業してそれぞれの道に進むことになる。


演劇の勉強

咲綾と美琴さんは劇団秋風の練習生として活動しているが、その一方で演劇の勉強をしたいと考えていた。

ある日、咲綾から電話がかかってきた。

もしもし琢磨君、今ちょっといいかな?

うん、いいよ。咲綾どうしたの?

今度付き合って欲しい所があってさ。

僕は咄嗟にもうババ抜きは勘弁して。帰った後に美琴さんや宮城、狩野からメールが来て40回も負けているのにまだ挑み続けるってスゴイよね。もう負けず嫌いというよりもずっとババ抜きをやり続ける集中力あってスゴいって言っていたよ。

あの時はみんなに迷惑かけちゃってゴメンね。安心して、今回はババ抜きしようって話じゃなくて色々な劇団の演劇を観覧したいと思ってよかったら一緒に観に行けたらなって思って。

そういうことね。俺も演劇好きだからいいよ。ちなみに2人で行くの?

美琴も勉強したいと思うからチケット取れたら3人で行けたらなって思うけれど琢磨君はそれでもいいかな?

それは大丈夫だよ。美琴さんに聞いてみてまたチケット取れたらまた連絡してね。

咲綾は分かったと電話を切った。

咲綾は美琴にメールをすると行くことが決まり、チケットを3枚取った。

僕のもとにメールが届いて土曜日の午前9時に港南駅に来て欲しいと連絡が来て美琴も来るって。

土曜日、僕は集合時間の30分前に港南駅に向かった。しばらくすると美琴さんはレモン色のワンビース、咲綾は水色のワンピースを着て駅にやって来た。琢磨君おはよう〜。

美琴さんはせっかく2人でしたかったと思うのに私まで付いてきてゴメンね。

僕も小森女子大学の演劇を観てから演劇を好きになったので大丈夫ですよ。咲綾から美琴さんも演劇の勉強をしたいだろうからって聞いたのでそれなら3人で観に行った方がいいと思って。

美琴は相変わらず琢磨君優しいね。

咲綾はここでずっと話していても仕方がないから劇場に行こうか。僕たち3人は演劇が行われる劇場に向かった。

港南駅から電車で10分、新港南駅に着いて新港劇場に入場した。僕たちの観ようとしている公演は日本のみならず世界中でも人気のある劇団が来るもので咲綾はよくそんなチケットを取れたなと感心していた。

2時間後、僕は単純に演劇を観ていて面白いと思って観ていたが咲綾と美琴さんはどう思って観ていたのか気になっていた。

終演して僕は2人にどうだったか尋ねた。

美琴さんは次の公演もあるからとりあえず出よう。そろそろお昼だし何か食べに行かない?

咲綾は琢磨君何食べたい?

回転寿司食べに行きたいと提案した。

美琴もお寿司でいい?

私はなんでもいいよ。この劇場の上に回転寿司あるみたいだからそこに行こうか。

僕と咲綾、美琴さんの3人は回転寿司に向かった。

お昼時ということもあり、お店は混雑していて待ち時間の間に話して時間を潰していた。

僕は2人に演劇を観てどう思った?

公演自体は面白かったし、とても勉強になったよ。美琴はどう思った?

表現力が違うなって思って目で相手に訴えかける感じは見習わないといけないなと思ったよ。琢磨君お寿司どんどん食べてね。

僕はサーモンやマグロをパクパク食べていた。

すると美琴さんはホント琢磨君美味しそうに食べるね。食べっぷりもいいし見ていて癒される。あ、こんなこと言ったら彼女の咲綾に怒られちゃうか。

私、そんなことで怒らないよ。でも琢磨君はホント優しくてかわいい子だなって思うよ。この前だって50回もババ抜きやったのに文句のひとつも言わずに付き合ってくれて。あの時は美琴も琢磨君もありがとう。

美琴さんはあの時はホントいつ終わるのかと思ったよ。琢磨君イヤな顔をせずにやっていたよね。どうして咲綾が琢磨君のことが好きなのか分かる気がする。

僕は思わずどうしてですか?

これは私が推測するに琢磨君は優しすぎるくらい優しくてかわいい笑顔で周りを和ませているから他の演劇部の部員や先輩たちからもかわいがられるのかなって思うの。咲綾、私の見解はどう?

美琴の言う通りだよ。琢磨君はいつも私のことを第1に考えてくれて私たちの演劇を観て好きになったって言ってくれる気配りも出来るしもりもりご飯を食べる姿や動物園で燥ぐ姿はホント子どもみたいでかわいくて彼氏でもありかわいい弟みたいは存在だよ。美琴はどう思う?

私はこんなこと咲綾に言ったら怒られるかもしれないけれど咲綾と付き合っていなかったら琢磨君と付き合っているかな。琢磨君は私たちのアイドルだよねと話していた。

僕はこの後よかったら遊園地行きたいな。3人で行かない?

美琴さんは私、帰るから2人でデートしてきなよ。

咲綾は琢磨君が3人でって言っているからみんなで行こうよ。デートはまた別の日にするからさ。

琢磨君ホントにいいの?咲綾だけでなくて私にまで気を遣わなくていいよ。

僕はそんなつもりはないですよ。せっかく3人でいるのに1人帰ってもらって2人っていうのは違うと思います。そして京浜マリンパークに向かった。

咲綾は遊園地に来たの久しぶりだなとテンションが上がっていた。琢磨君何に乗る?

メリーゴーランドに乗りたいと言うと美琴さんは琢磨君かわいいもの乗るね。じゃあメリーゴーランドに行こうかと馬に跨り3人それぞれ乗った。

美琴は次は何に乗る?

僕は美琴さん何に乗りたいですか?

私はジェットコースター乗りたいな。

じゃあ次はジェットコースターに乗りましょうと走っていった。だが僕は昔からジェットコースターに乗れず、咲綾にカッコ悪い姿を見せたくないと見えを張ってジェットコースターの列にいた。

ジェットコースターが終わると僕は涙を流していた。美琴さんは僕に声をかけた。

琢磨君、ジェットコースター無理して乗った?

だって怖くてジェットコースター乗れないって言ったらそんなのも乗れないのって言われるかな……。

私のために無理して乗ってくれたの?ありがとう。そんなこと言わないよ。それよりも体調大丈夫?咲綾のためならともかく私にまでそこまで気を遣わなくていいのに。ホント琢磨君優しいね。

3人で夕方まで遊園地遊び港南駅に戻っていった。


練習生の大変さ

咲綾と美琴は大学卒業後、劇団秋風の練習生として活動していた。練習生だからすぐに舞台に立てるかといったらそういうわけではない。

劇団員の小道具などは主に練習生でもある咲綾と美琴が出し入れなどをしている。2人は練習やゲネプロではどのポジションでも演技が出来るようにしておかなくてはならずいくら時間があっても足りないような状況だった。誰か欠員が出ればそこに割って入るがそうでなければ裏で終わるまで待機するという日々だった。

それでも2人はいつか練習生を卒業していち団員として認められてあの舞台に立ちたいと奮起していた。

だが2人にはどうすれば練習生から団員としてなれるのか何も知らされていなかった。ずっと練習生ということはない、きっと認められて団員になろうとお互いに話し合っていた。

ある日の公演で出演予定の2人がケガをして出演出来なくなった。チャンスは突然訪れる。

団長は次の公演で近藤と橋本に出演してもらう。演技次第では練習生から団員として昇格も考えるからそのつもりで頑張るように伝えられた。

咲綾と美琴はお互いの顔を見あってこのチャンスを逃したら一生練習生のままでもおかしくない。この次いつこのようなチャンスが巡ってくるか分からないよ、2人とも絶対に団員になろうと決意した。

次の公演まで残り1週間、咲綾と美琴は死にものぐるいで練習して踵から指先まで使って演技をしていた。

そして咲綾と美琴にとって一世一代ともいえる公演が行われて演技を行った。

そして終演後に団長から会議室に来るように言われた。

近藤咲綾さん、橋本美琴さん本日をもって劇団秋風の練習生から団員として昇格いたします。

咲綾と美琴さんは抱き合って喜びに満ちていた。

2人の劇団秋風のスタートを切った。

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