引退公演

大学デビュー

僕は晴れて大学生に不安な大学生活を送り始めた。入学式が終わりお昼を食べようと学食に向かおうとしたら色々な部活、サークルから勧誘がすごくて入る入らない関係なく色々なサークルのチラシをもらった。食堂が多く学食の選択肢が多く、高校生の時では1つの食堂でみんなが並んで授業が終わったら椅子取りゲームのように物を置いて食券を買っていた。

しかし大学に進学して学校の大きさも高校の時とは全然違って森の中に迷いこんだかのようにすら思えてきた。

僕は咲綾に大学ってすごいところだねって言うとまだ慣れてないだろうから色々教えてあげるねと言ってくれた。僕は履修の仕方とか分からないからと言って今度教えるねと電話を切った。

いつものカフェに行き咲綾は自分の携帯で履修登録してるのを見て高校の時間割とはまた違うねと僕は言った。初めてだから知らないよね、高校生の違って時間割を自分で決めないといけなくて選択科目とかも上手く取らないと後で痛い目に合うから気をつけた方がいいよと注意を受けた。

そして女子大生になった美華と藍は小森女子大学に進学して歩いていると咲綾と出会った。

咲綾は美華ちゃん、藍ちゃん久しぶり、この前会った時は制服着てかわいい感じだったのに大学生になってオシャレな服装にメイクしてすごい大人っぽいね。

美華と藍は咲綾にありがとうございますと。

咲綾は分からないことがあればなんでも聞いてね。

藍は咲綾に小森女子大学はどんな部活やサークルがあるのか聞くと咲綾は美華ちゃんと藍ちゃんに合いそうなサークルはなんだろう……。料理サークルとか写真部、後は華道部とかかな。私としては演劇部に来てくれるに越したことはないけどムリに勧誘とかしないからもし興味あったら部室に来てくれたら嬉しいな。

美華は私、演劇全くやったことないんですがそんな人が行ったらご迷惑じゃないですか?

藍も全くなくて不安です。

咲綾は全く経験なかったら不安だよね、でも私も全く経験がなかったよ。2人は演劇部の美琴覚えてる?美華は美琴さんのこと覚えていますよ、咲綾と同じで美人ですごい優しい方だなと思いました。

咲綾はそこまで言われると恥ずかしいな、その美琴も初めはめちゃくちゃ下手くそだったけど一生懸命で今は部長をやってるからすごいと思うよ。

美華は咲綾さんまだ入るかどうか分からないんですが今から部室に行ってもよろしいですか?

咲綾は全然いいよ、みんなビックリすると思うよ。部室に入ると美琴が美華ちゃん、藍ちゃん久しぶりだね〜。2人とも小森女子大学に入った咲綾に強引な勧誘して連れて来られた?

藍は咲綾さんから演劇部のお話や美琴さんのお話を聞いてまだ入部するかどうかは決めてませんがどういう感じなのか気になって咲綾さんに部室まで案内してもらいました。

なるほどね、藍ちゃん私のこと覚えていてくれてありがとう。咲綾は美華にさっき私に言ったことを美琴にも言ってあげなと揶揄う感じで言った。

美琴は咲綾にちょっと新入生に変なことを吹き込まないでよ。

美華は私と藍は美人ですごい優しい方だったので覚えてます、またお会い出来て嬉しいです。美華ちゃんは褒め上手だね、後ろにいる悪いお姉さんに何か吹き込まれたのか聞かれた。

堪らず咲綾は美華ちゃんが私に美人ですごい優しい人って言ってくれたからその言葉を美琴にも言ってあげなって言ったよ。

またお会い出来て嬉しいって言うのは美華ちゃんのアドリブだよ。ね、美華ちゃんと振った。

美華は頷いた。その日は美華と藍は一緒に帰った。

翌日、美華と藍は一緒にいて授業後に演劇部に向かった。美琴は美華ちゃん、藍ちゃん今日も来てくれたんだ、ゆっくりしていってね。

藍は是非1度皆さんの演劇を観たいと言うと美琴はじゃあどれにしようかなと咲綾と話していた。

藍はすぐに出来る短いのがあれば観たいですと懇願したり

美琴がじゃあ短いやつをやるねと言って1時間の演劇を魅せてもらった。

藍は感動して私には難しくてと言った。美琴は咲綾からも聞いたかも知れないけど私は演劇部入って全然出来なかったから心配しないで大丈夫、だって私や咲綾もズブの素人ではいっただよ。私たちが分かりやすく丁寧に教えてあげるから心配しないで。

藍は何も知りませんが演劇部入ろうと思います。藍は美華はどうするの?今の皆さんの演劇を観て興味を持ちました。私も演劇部に入部します。美琴は入部届を渡し名前を記入した。


新入生入部

小森女子大学演劇部は新入生宮城美華、狩野藍を迎え入れ総勢11人で新たにスタートを切った。

3年生の咲綾と美琴は1年生の美華と藍に演劇を1から教えていた。いきなり1人でやらせるのも難しいと思い、前見せた演目を身振り手振り教えた。1時間の演劇での中でA1、A2の様に1人の役だか2人で演じてまずは場数を踏むことの意味があると美琴は考えた。

美華と藍は演劇をしているうちに楽しくなって美華と藍は使っていない教室を使い演劇の練習をしていた。

美華は演技力に長けていて藍は記憶力がよくて何回か台詞を読むと覚えるほど記憶力がいい。部室に行き前やったやつを私たち練習したので先輩たちもご協力いただけますか。

よしじゃあやろうかと言って劇を始めた。美琴と咲綾が前に出て大きな動きですると美華と藍は思いっきり見てするのではなく練習したのは分からないところを見るような形にした。

演劇部には自分の動きが分かるように大きな鏡があり一通り行い美琴は美華と藍を呼んだ。

美琴は開口一番美華ちゃん、藍ちゃんこの前1回演じただけなのに私や咲綾の方を全然見ないで出来るってすごいね。私や咲綾が入った時は見ないと全く動きが分からなかったよ。

咲綾は美華ちゃんの藍ちゃんの動きにはビックリしたよ、大型ルーキーが入ってきたから私サークル辞めるね。美琴は美華と藍に咲綾ってこんなかわいい顔をしてたまにつまらない冗談ばかり言っていてね。

藍は咲綾さんって冗談言われるとは知らなかったです。高校生の時に図書館で勉強を教えてもらったことがありますがその時は冗談を言う感じじゃなかったのでビックリしました。

美華はもしかして咲綾さんっていじられキャラですか?

美琴は咲綾はしっかり者のお姉さんって感じがするけどたまに抜けててかわいいくてね。

美華は咲綾さんって全て完璧だからそうやって隙があってなんだか安心しました。

今度はやり返したろうと思ったのか咲綾は美琴はね、テストの時間を間違えてテスト受けられなかったことがあるんだよ。

もう咲綾それは言わない約束でしょと言って互いにキズの舐め合いをしていて美華と藍は演劇部に行くのが楽しくて仕方なかった。

咲綾は僕に演劇部にすごい新入部員が入ったから今度公演がある時楽しみにしておいてと言い、僕は咲綾がそこまで言う新入部員がどんな人なのか気になっていた。


演劇とは

美華と藍は演劇部に入るからには誘ってくれた咲綾さんや他の部員にも迷惑をかけてはいけないと考えた。

藍は美華ちゃん、演劇部に入るからには演劇の事を少しでも分かっていた方がいいと思うの。

藍ちゃん、とは言っても私たちズブの素人だよ?何かいい案とかあるの?

お金払って演劇を観に行くっていうのはどうかな?

それはいいね。でも何も知らないのに演劇を観に行って何か得られるものはあるのかな?

美華ちゃん百聞は一見にかずだよ。私たちは何も知らないのと等しいからこそ観に行くべきだよ。早かれ遅かれ私たちも舞台に立って演技するしそれに伴ってお金を払ってもらって観に来てもらう立場になるならまず自分たちがお金を払って見に行くべきだよ。そこで何か得られたら尚いいと思うけど。

たしかに藍ちゃんの言う通りだね。それでいつどこでやる演劇を観に行くの?

美華ちゃんちょっと待っていて、今から調べるから。直近だと今週の木曜日の夕方に新港南駅近くにある劇場で劇団秋風っていうところがやるけどそれはどうかな?

じゃあそれにしようと美華と藍は演劇を観に行くことになった。

木曜日、講義が終わって美華と藍は新港南駅に向かった。ちょうど劇場の入場時間となってそのまま入った。自由席でどこの席に座るか話していると中間部分が1番見やすいと座って見ていた。

2時間後、終演して帰ろうとすると2人を呼ぶ声があった。あれ、美華ちゃんと藍ちゃんどうしたの?

声をかけたのは演劇部の美琴さんだった。

こんな所で会うとは奇遇だね。咲綾さんはどうして2人は観に来たの?

美華は私たちは演劇のことを何も知らないので観に行こうかなと思ったのといずれ舞台に立って演技する立場になるのでその時はお金を払って観に来てもらうので今回は自分たちがお金を払って観に行こうってなりました。

咲綾はそっか、せっかく会ったから4人でカフェに行かない?

私と藍ちゃんは是非とも。

4人で劇場近くのカフェに向かった。

みんなでサンドウィッチを食べていると美琴は2人とも演劇を観てどう思った?

私はプロの演劇はスゴいなと思いました。とてもじゃないですがマネ出来るとは厳しいと思います。藍ちゃんは何か感じるものはあった?

スゴいの一言しか出てこないです。観ている側とやる側では違うと思います。美華と重複しますがマネ出来るとは厳しいと思います。

咲綾はニコッと笑った。そりゃあ始めから出来る人はいないよ。今日観た劇団秋風の人たちも最初は2人と一緒で右も左も分からなかったと思うよ。2人は演劇のことを知ろうとしているからきっと上手くなるよ。もちろん私も美琴、そして演劇部にいる全員が今日観た劇団秋風の人たちより劣るし始めは何も知らない所からスタートしたよ。だからこそもっと上手くなりたいとかどうすればお客さんに喜んでもらえるような演技が出来るのかを常に追求しているよ。きっと美琴も同じ気持ちだよ。ねぇ美琴。

咲綾意識高いね。私は演劇が好きだからもっと上手くなりたいって思っているから頑張れるし、咲綾や仲間と1つの作品を創るのは大変だけど出来た時の喜びは計り知れないものだよ。2人は演劇の足を入れた所だからこれから演劇の楽しい部分、大変な部分色々知ることになると思うけれどそんな時には私や咲綾を含めて仲間がいることを忘れないでね。

私と藍ちゃんは先輩の咲綾さん、美琴さんから勇気をもらってこれから演劇部の一員として頑張ろうと鼓舞するきっかけとなった。


卒業以来

大学生活が始まり2週間、何となくだが大学がどういう所なのか分かり始めた。僕は美華と藍がどうしてるのか気になり小森駅のカフェに来てもらった。

僕は先に入りカフェラテを飲んで待っていると美華と藍がやってきて僕のいるテーブルに座った。

僕は美華と藍の変わりように驚き、お互いの近況を話し合っていた。琢磨君はどうしてるのか聞かれ色々なサークルのチラシをもらったけどどのサークルに入るのか悩んでいると答えた。

僕は宮城と狩野は何かサークルに入っているのか聞くとホントは咲綾がいる演劇部に入部したが私たちも色々なサークルに声をかけられていてね。

今サークルを巡ってるところだよと答えた。

そう言えば宮城と狩野の行った小森女子大学って咲綾のいるところだよね。

藍はこの前大学で咲綾さんに会って学校を案内してくれたよと言った。僕は咲綾優しいね、この前俺のところに演劇部ですごい新入部員が入ってきたって言っていてどんな子か知ってるかと聞いた。

藍は咲綾さんがすごい新入部員って言うって相当だと思うよ。気になるなら演劇部の公演がある時に観に来てみたら分かると思うよと答えた。

僕は藍の話を聞いて確かにそうだね。もし公演がある時教えて欲しいって言うと何で私たちに言うの?それを言うのは私たちじゃなくて咲綾さんに言うべきでしょと遇った。

翌日美華と藍は部室に入り咲綾に話しかけた。美華は昨日琢磨君に駅前のカフェに呼ばれて行ったんですが、私たちが演劇部に入ったことはナイショにしました。

新入部員が入ったと言ったらどんな子か気になるって言われたので気になるなら公演に来たらいいよって言って遇いました。

咲綾はじゃあ琢磨にナイショにしようか、一様他の部員、1番口の軽い美琴にもそのことを伝えておかないとね。

その話を聞いていた美琴は咲綾にまた私の悪口でも言ってたのかとちょっかいを出し合っていた。美華はホント演劇部のみなさんは仲がいいんですね、そのうち私たちもいじられるんですかと聞くと弱点見つけたらいじるかもね。演劇部は先輩後輩の壁がなくて後輩が先輩をいじったりっていうのはよくあるよ。先輩だから、後輩だからって言うと何か意見を言う時に影響が出るからね。親しき仲にも礼儀ありである程度の礼儀さえ弁えてくれればいいよ。

美華ちゃん、藍ちゃんも私たちのことを美琴、咲綾って呼んでね。私たちも2人のことを美華、藍って呼ぶことにするからさ。

美華は仲が深まった感じで嬉しいですと返答した。美琴はゴールデンウィークに公演あるから美華と藍もそれぞれ1人の役として出演するか聞かれ美華と藍は経験値を積みたいと考えていたので二つ返事で出演しますと答えた。短い時間で初心者でも出来る演劇を美琴は考えて部員に今回のテーマを伝えて1人ずつの役を美琴は演じた。初めはみんな中々上手くいかず、授業後は終電まで練習をして土日は朝から晩まで練習してその後みんなでご飯を食べに行った。

金曜日、演劇部でいつものように練習してその後みんなでファミレスに向かった。

美華は琢磨君と最近デートしてると咲綾に聞くと咲綾は琢磨から最近連絡ないから心配なんだよねと言うとじゃあ今から琢磨君に電話したら?

咲綾は美華に琢磨にナイショにするって言ったでしょ。咲綾は琢磨に最近連絡ないけどどうしたの?とメールを送った。琢磨から最近アルバイトの面接を受けたり色々してて連絡出来なくてゴメンね。

藍は咲綾のスマホを見て短文を見て咲綾と琢磨君ホント仲良しだねと言うとちょっと藍何人の携帯見てるの?そんなこと言うなら藍も好きな人見つけなよと言い返した。気がつけばファミレスでラストオーダーになりお店を出てからまた部室に戻り話の続きをして朝陽が登り話疲れたのかみんな部室で雑魚寝してお昼に朝昼兼用で食べて練習ということもあった。


初公演

美華と藍は演劇部に入部して始めての公演に出演することになった。小森女子大学ではゴールデンウィークの期間、地域に開放してそれぞれの部活の活動を発表を場を設けている。部活によってはこの時に新入部員が初めて披露する部活も少なくない。

美琴は演劇部の出演を最終日に申請しており、最後の最後まで練習をして完璧な状態で挑みたいと思い時間が来るまで調整をしていた。

そして演劇部の出番になり、美華と藍は必死に演劇をするとあっという間に2時間が過ぎた。美琴は最後に挨拶をして新入部員の紹介をしますと美華にマイクを渡した。

この度、演劇部に入部しました文学部の宮城美華ですよろしくお願いします。同じく文学部の狩野藍ですよろしくお願いします。演劇部は挨拶を済ませて部室に戻り写真を撮り着替えて帰ろうとしていた。演劇部恒例の打ち上げに行こうとしていたら地域の人に声をかけられた。

今日の演劇よかったです。私は昔小森女子大学の出身で私も演劇部に入りたかったんだけど当時は無くて卒業した次の年から発足になってそれ以降演劇部の虜になったよ。藍は私と隣の美華は今日が初めてだったのでぎこちなくて見るに堪えなかったと思いますが見守ってもらえたら嬉しいですと言った。次の公演はいつなのか聞かれてまだ会場が取れていないのでなんとも言えません。演劇部のSNSしてるので随時情報を更新するのでまた確認してもらえると助かりますと伝えた。

部長の美琴は近い会場を確保しようと只管電話をかけた。だがどこもオーケストラの公演やアーティストの公演が埋まっていて年末に空いてると言う返答が多かった。

美琴は冬にクリスマス公演をするのもいいと思ったが直近で空いているところを探した。美琴は近い会場を探していてたまげきに問い合わせをした。

たまげきの担当者は小森女子大学さん、いつも会場を使っていただきありがとうと言うと美琴は6月か7月で空いてる日を聞くと土日ってなると6月の第2土曜日だと15時なら空いてますと言われて美琴はその日に予約を入れた。

次の日部室に行き、パソコンでSNSを更新して6月の第2土曜日にたまげきで公演すると発表し、部員を呼んで6月第2土曜日にたまげきで公演が決まったことを伝えた。藍は折角やるのなら沢山の人に観に来て欲しいと言ってチラシを作って配布して事務室に頼んで掲載も頼んだらどうか交渉してみたらといい美琴はいいアイデアだね。

美琴は誰がチラシを作るか話し合って中々決まらないのでじゃあ1人ずつ描いてどれにするか決めようと言う話になった。そして演劇部11人はチラシ作り2時間、それぞれ出来たチラシを見せた。部長の美琴は自分の分も含めて審査をして咲綾のチラシを採用することにした。

美華は他のチラシは捨てるのか聞くとそんな勿体ないことしないよ。会場を3時間おさえてあるから2時間の演劇をやって残りの1時間を来てくれたらお客さんとの企画でなぞなぞとかしてその景品にそれぞれのサインを描いたチラシを景品にしようかなって思ってるよ。

咲綾はそれはいい案だと思うけどそれぞれ何部印刷するつもりなのか聞くと抽選55人に配布することにする。美琴は今日は1日当日に向けてのチラシと企画を考えた。演劇部は次の日から毎日練習をして本番前日になった。咲綾は明日たまげきで15時から公演があるから是非観に来て欲しいとメールを送った。僕は明日観に行くねと返信した。


ラスト公演

次の日僕は開演1時間前の14時に行き席に座ると隣から琢磨君も観に来たんだと言った。誰かなと思い隣を見ると春に卒業したみなみが居た。

みなみはそう言えば琢磨君まだ咲綾と交際してるのか聞かれたので僕は交際してます。そっか2人は仲良かったもんね、ホント相思相愛って感じで羨ましかったな。

僕はみなみと話していたらブザーが鳴り電気が消え、美琴は挨拶をしてメンバーの紹介をした。美琴は新入部員が入り宮城美華、狩野藍の11人で公演を行うと挨拶をした。

僕は咲綾が言っていた期待の新入部員は美華と藍で驚きを隠せなかった。

緞帳どんちょうが開いて公演が始まり、みなみさんは感動するねと僕に言うと僕は終始感動してしくしく泣いていた。みなみはどうしたのか聞くと感動して涙が溢れましたと言うと2時間が過ぎた。緞帳が上がり、10分間の休憩を取るとアナウンスをした。

僕はみなみに実はこの公演僕が高校の卒業式が終わって美華と藍の3人でカラオケでオールしてて朝家帰ろうとしたら咲綾に会って今から練習があるから来て欲しいって言われて部室に言っていました。

演劇を観て感動して泣いていてその時よりもキレが増していました。みなみはその時と何か変わったことあるか聞くとみんなの衣装が落ち着いてます。

僕が見た時はすごいセクシーでこれだと男は衣装ばかり目にいって演劇を観てもらえないと美琴さんに伝えたんですよ。

その時の写真あれば見たいとみなみは言うと僕は写真を見せると確かにこれは私が見てもヤバいね、男の子だったら衣装に目がいっちゃうよと言った。

再び美琴が出てきてここからはみなさんと楽しめる企画を用意しております。僕とみなみは企画ってなんですかね。

美琴以外の部員は椅子に座って美琴は私が問題を言うので分かったらお客さんも手を挙げて答えてください。みなみは面白い企画だねみんなに負けないように答えようと僕に言ってきた。

第1問「ペンギンは何類?」

みんなが手を挙げて美琴は咲綾を指名し、咲綾は鳥類と答えると美琴は正解。では今から咲綾には腕立て伏せ10回してもらいます。

咲綾はなんで正解したのに腕立て伏せなの?

美琴は咲綾文句言うと回数増えるからやった方がいいよと言うと会場は爆笑した。咲綾は訳も分からず腕立て伏せ10回やった。

美琴は第2問「スイカは野菜?果物?」

手を挙げて美琴はお客さんを指名してお客さんが野菜と答えて美琴はこの部員の中で誰に何をして欲しいか聞くとお客さんは美琴さんに鶏のモノマネをして欲しいと言われて美琴は全力で「コケコッコー!」とモノマネすると会場はシーンとなると全力でやったんだから笑ってよ〜。

第3問「30度以上ことを」美華は手を挙げて夏日と答えた。

美琴は問題は最後まで聞いてください、「30度以上のことを夏日ですが、では35度以上のことをなんと言うか?」

みんな手を挙げて美琴はお客さんを指名した。猛暑日と正解し、お客さんは美華に部員の意外な一面を答えて欲しい。

美華は咲綾は美人でしっかり者に見えますが割り箸を逆で食べたり、足に転んで膝を擦りむいたりしました。

咲綾はお客さんの前で言わないでよ。美琴は次の企画としてそれぞれの部員に箱を渡しているので観に来てくれたお客さんにプレゼントを渡そうと思うのですがそれは部員の箱に入っている中に書かれている紙に書いているので席番号呼ばれた人は後で受付でそれぞれの部員から貰ってください。

では早速咲綾の所から引きます。えっと……F13席の方、咲綾のサインチラシおめでとうございます。

2枚目C5の席の方ツーショット写真撮影と進んで行った。最後に私と咲綾は今日を持って演劇部を引退します。理由としてはこれから就職活動やゼミなので忙しくなるからです。ですが私と咲綾は裏方として演劇部にいるので声をかけてもらえたら嬉しいです。

演劇部はロビーに行きお客さんにサインチラシを渡し写真撮影をして交流を深めた。

咲綾は僕にメールで楽屋に来るように言われてみなみと共に楽屋に向かった。そして楽屋に行くと咲綾はみなみ久しぶりだね、

琢磨君と一緒に観てたとはね。みなみはたまたま隣の席だったから一緒に観てて琢磨君みんなの演劇を観て泣いてたよ。

美琴は演劇の後企画しようと考えたね、琢磨君と観てて笑っちゃったよ。ちょっと一言物申したいんですがと言うと咲綾は藪から棒にどうしたの?と聞いた。

僕は咲綾に宮城と狩野が演劇部に入ったって教えてくれなかったの?この前宮城と狩野の3人でカフェに行った時部活入るの迷ってるって言ってたけど、もうその時には演劇部入っていたの?

美華はそうだよ、私は学校で咲綾に会ってよかったら演劇部観に行かないって言われて感動して藍と一緒に入ったよ。それがどうしたの?いやいやそれがどうしたのじゃなくてその時入ってるならカフェ行った時演劇部入ったって言えばよくない?

美華は藍と咲綾の3人で話して琢磨君には今日までナイショにして驚かそうって話にしたよ。

美琴はヒートアップしてる話を遮って久しぶりに集まった人もいる事だしみんなでご飯を食べに行くことにし、一同はたまげきの近くにある居酒屋に向かった。

みなみは部長の美琴によく企画を考えたねと言うと美琴は演劇だけ観るだけで終わったらあまり記憶に残らないと思って企画をすることによって小森女子大学の演劇部は面白いからまた劇場に行って観に行こうかなって思ってさ。

咲綾は私に関して正解したのに腕立て伏せやらされてお客さんが笑ってくれたからよかったよ。僕は演劇部でもなければ小森女子大学の学生でもないのにいつの間にか溶け込んでいた。この日は二次会でカラオケに行き、みんなでオールしようと言ったが誰として朝まで起きている人はいなかった。


負けず嫌い

ある日、咲綾から電話がかかってきた。

琢磨君、この前はたまげきに観に来てくれてありがとう。未だに思うけれどどうして正解した人が腕立て伏せをしなきゃいけないのかね、美琴は面白がっていたけれど正直どう思った?

僕は面白いと思ったよ。そんなに悔しいなら何人か集まって罰ゲーム付きで何か勝負する?

琢磨君今の言葉忘れないでね。誰でも出来るババ抜き3本勝負っていうのはどう?

僕はババ抜きするのはいいけれど誰とやるの?2人でやっても面白くないから数人でやろうよ。

任せておいて。人材は私が確保するから日時の候補をまた連絡しておいて。それで日程調整するから。

僕はこの時、咲綾の入れてはいけないスイッチを入れてしまった気がする。

大学の講義とアルバイトのシフトを確認して複数の日程を咲綾に送った。

するとすぐ咲綾から電話がかかってきた。

次の木曜日に演劇部の部室に来て。今回ババ抜きを行うメンバーは私、琢磨君、美華ちゃん、藍ちゃん、美琴の5人でやることになったよ。

僕は定期公演とかもないから多分入れないから迎えに来て。そうじゃないと勝負は受けられないよ。

咲綾はそれは心配しないで、ちゃんと迎えに行くから。相手が琢磨君でも勝負となったら容赦しないからね。

翌週の木曜日、僕は小森駅に行って咲綾を待っていた。琢磨君お待たせ、じゃあ勝負の場に行こうか。

僕は入口のところで今日はどんな理由で通ろうとするのかと手続きの書類を見ると家族と記入していて思わず声が出そうになった。

入口を通ってどうして嘘を書いたの?大丈夫?

あの紙に書いたことをいちいち確認しないから大丈夫だよ。どういう関係の人が出入りしているのか確認するためのものだから。

僕はホントにこれでいいのかなと思いつつ演劇部の部室に向かった。

そこには宮城、狩野、美琴さんが待っていた。

美琴さんは負けず嫌いな咲綾のためにわざわざ来てくれてありがとう。

咲綾はトランプを切って並べ始めた。

僕も勝負をする以上負けるつもりはない、絶対に1番で上がるという思いでいた。揃っているカードを捨ててババ抜きが始まった。

1回戦は1位抜けは美琴さん、2位は宮城、3位は狩野でまさかのビリ対決は僕と咲綾の勝負となって4位は僕で最下位は咲綾だった。

咲綾はとても悔しそうで入念にトランプを切って並べて2回戦が始まった。

1位僕、2位宮城、3位美琴さん、4位狩野、最下位は咲綾で2回連続最下位になって誰もがこれでババ抜きは終わりだと確信していた。だが終わらなかった。

私が2回連続で最下位になるなんてありえない。もう1回やろう。

しかしカード運が悪いのと咲綾の顔に現れる表情から汲み取ってみんな負けじとやっていて3番勝負だったはすが気がついたら数十回もババ抜きをやっていた。

誰もが1度はやったことがあるババ抜きを休憩なしにずっとやっていると僕も含めて5人はさすがにつからてきた。美琴さんはもうやめにしない?

負けず嫌いの咲綾は私が勝つまでみんな付き合ってもらうよと負けた人が罰ゲームするという趣旨だったが咲綾が勝つことに重きを置くようになっていた。

みんな疲れて早くババ抜きを終わりたいと考えるようになって咲綾にどうすれば勝たせられるかということを考えるようになった。

第20回戦、1位咲綾、2位宮城、3位美琴さん、4位狩野、最下位は僕という結果になってこの瞬間ババ抜きが終わると誰もが思った。

だが咲綾からある言葉を聞いてみんな落胆した。

みんな真剣にババ抜きやっていないでしょ?私に勝たせるためにわざとババを引いたと思うけど。

僕を含めて4人は咲綾にバレていると背筋が凍る思いだった。

今ので勝って嬉しいと思うほど私は勝ちに飢えてない。これで最後にするから真剣勝負で負けた人が罰ゲームする形にしようと提案した。

ババ抜き勝負第50回戦目が行われた。

1位狩野、2位美琴さん、3位宮城、4位僕、最下位は咲綾という結果になった。

通算50回中40回最下位になった咲綾はこれだけやって負けるのだからもうどれだけやっても勝てないと拗ねていた。

僕は美琴さん、罰ゲームどうしますか?

そうだね〜、これだけ弱いのに挑み続ける咲綾に免じて罰ゲームはなしと言いたいけれど咲綾が負けた人は罰ゲームって自分から言ったからしてもらおうかね。咲綾罰ゲームしてもらうよ。

勝負で負けた私が悪いから何でもやります。

じゃあ私たちの前で琢磨君にキスをすること。

僕はそれが罰ゲームなのと思いつつも咲綾は顔を近づけてキスをした。

美琴さん、宮城、狩野からは顔を笑顔で言った。

「ヒューヒュー、お似合いだね」

咲綾の罰ゲームが僕とのキスってどうなのか、人前でキスをするということは恥ずかしいと改めて知った。

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