引退
部活引退
全国大会に出場出来なかった僕は部活を引退し、受験勉強しなくてはいけないが僕はまだ進路をどうするか全く決めていない。
高校卒業して就職をするのか、大学に進学するのか、何かを目指すために専門学校に行くのか考えていた。
僕はひとまず咲綾に電話をして聞くことにした。もしもし咲綾、今大丈夫?
咲綾は大丈夫だけど電話どうしたのと聞くとちょっと進路のことについて悩んでると相談すると大事な話だから会って話そう、もうすぐお昼だからお弁当持っていくから公園で待っててと電話を切った。
僕は公園のベンチで座っていると程なくして咲綾はお弁当を持ってやって来た。
咲綾は僕におにぎり、サンドウィッチ、玉子焼き、ウィンナーを作って作ってきたから食べてと言い美味しく食べた。
僕と咲綾はお弁当を食べ終わり本題に入り、今進路に悩んでてどうしようか今になって考えてるんだよね。
咲綾は僕にそっか……じゃあ琢磨は何をしてる時が1番自分らしいと思うか聞かれた。
僕はそくだね今まで陸上中心の生活だったから改めて聞かれると何だろう……。
咲綾はムリして見つけてやるようにって言わないけど考えてもいいのでは。
僕は今まで陸上をやって来た経験を活かして東川スポーツ医療専門学校と釜谷体育大学のオープンキャンパスに行くことにした。
専門学校に行って1つの選択肢としていいと思いもらった資料をこと細かく読んだ。
そして別の日僕は釜谷体育大学のオープンキャンパスに向かった。
模擬講義の席を受けようと教室に行くと美華と藍がいて3人で講義を受けた。
配布されたお昼ご飯のチケットを持ってチキン南蛮定食を3人で食べて僕は美華と藍に釜谷体育大学行くことで決めたのか聞くとまだ考えてて今度小森女子大学のオープンキャンパスにも行こうと考えてるよ。
琢磨君こそ釜谷体育大学で決めたの?俺は東川スポーツ医療専門学校行ってどうしようかと考えていると伝えた。
別の日、美華と藍は小森女子大学のオープンキャンパスに行き感銘を受けて文学部を第1希望に受験することを決めた。
家に帰り色々な大学や専門学校をネットで調べてその上で資料請求をして興味をもつ部分もあるものの僕は進路を東川スポーツ医療専門学校と釜谷体育大学の2つに絞り込んだ。
僕は咲綾に東川スポーツ医療専門学校と釜谷体育大学の2つに絞り込みメールをすると咲綾から電話がかかってきた。
琢磨君は進路で悩んでたけど2つに絞ったね。
僕は咲綾にそれでどうするべきなのか……。いつも温厚な咲綾だが僕にどうするべきなのかって大学に行くにしても専門学校行くにしても勉強しなきゃいけないじゃないの?どうするのか琢磨の人生でしょ、なんでそんな大事なことを私に聞くのはおかしくない?
その言葉を聞いて僕は目を覚ました。僕は悩みに悩み第1志望を釜谷体育大学にすることを決めた。
僕は咲綾に電話をかけて第1志望を釜谷体育大学にするから勉強を教えて欲しいと頭を下げた。
咲綾は答えが見つかったんだね、受験勉強をするからには今までデートしてた時間を勉強に費やすことになるけど耐えれる?
僕は意地でも合格したいから全てを犠牲にすると誓った。咲綾は一緒に頑張ろうねと言ってくれた。
僕は図書館に行き咲綾にマンツーマンで受験勉強を見てくれた。隣の机には美華と藍が座っており2人は咲綾に勉強を教えて欲しいとお願いをした。
咲綾は1人で高校生3人の受験勉強を見るのは難しいと考えて同じ大学の美琴と花南を電話で来て持って美華の受験勉強を美琴、藍の受験勉強を花南、私は琢磨の受験勉強を見ることにして1人ずつ教えることにした。
高校生3人、大学生3人は夏休み毎日図書館に行き朝から晩まで勉強をして分からないことはその都度聞いて途中で僕は小腹が空いて咲綾にお菓子を食べていいか聞いた。
咲綾は鬼の形相で食べて言いわけないがない、今食べたら眠くなるでしょと強い口調で叱った。
夏休みも中盤となり咲綾は高校生3人に今日は予定があるから家で自習して欲しいと連絡をいれた。
図書館にいた美琴と花南は咲綾に今日は高校生いないけどどうしたの?
咲綾は美琴と花南に高校生3人に模試を作りたいから手伝って欲しいと頭を下げた。
咲綾、美琴、花南は1日かけて問題を作って模範解答を作った。咲綾は美琴と花南に忙しい中手伝ってくれてありがとうと言うと高校生たちはかわいいけど咲綾無理しすぎないようにねと労った。
翌日高校生3人に今日は1日試験を想定した模擬試験を渡して問題を解くように伝えた。3人は問題を解いて咲綾、美琴、花南は採点してそれぞれにこの問題はどう解くのか説明し、採点を踏まえて苦手な所を重点に勉強をしていくことにした。
僕は初めは咲綾にお菓子を食べたいと言っていたが徐々に言うことはなくなった。
それは咲綾が言われたからもあるが隣に美華と藍がは何も言わずに勉強をしている姿をみているからだ。そして夏休みが終わり勝負の2学期が始まった。
夏休みが空けて学校の勉強と受験勉強両方やらなくてはいけないので今まで以上に忙しくなる。咲綾、美琴、花南の大学生組も後期授業が始まり。夏休みの様に毎日図書館で勉強を見ることが難しくなったので高校生3人にどうサポートしていくか話していて咲綾は美琴と花南にあることを言った。
私たちが夏休みの間あの子たちに道標を作ってあげたんだから後はあの子たちに任せよう。もしその時に何か困ったことがあればその時また手を貸してあげようと伝えた。
美琴と花南はそうだね、私たちが最後出来るのは見守ってあげることしか出来ないもんね。咲綾は僕に電話をかけてきた。
琢磨君、急に電話かけてきてどうしたの?
今、美琴と花南2人といて琢磨君と美華ちゃん、藍ちゃんをこれからどうサポートしていくか話をしてたけれど夏休みの間毎日受験勉強をして私たちは3人はもう私たちがいなくてもそれぞれの目標に向かって頑張っていけると思ったからこれからは私たちと図書館で勉強ってことはないからみんな頑張ってね。その時また何かあれば手を貸してあげようかなって思ってさ。それを聞いた僕は泣きそうになり電話越しに咲綾にも伝わり琢磨今泣くところじゃないでしょ、その涙は合格した時に涙を流した方がいいよと優しく言ってくれた。
僕は咲綾にいい報告が出来るように頑張ると伝えた。
じゃあ咲綾は今美華ちゃんと藍ちゃんっているかと言われて僕はいるよと答えるとじゃあ今私の言ったことを伝えて欲しいと言って電話を切った。
僕は美華と藍に今咲綾から電話があってこれからは図書館で勉強することはない、困ったことがたったらまた手を貸すよって伝えて欲しいって。
電話を切った咲綾は美琴と花南の前で涙を流した。美琴と花南は咲綾にどうして泣いているのか聞くとさっきあんな強かったこと言っちゃったけど琢磨が私を頼ってくると思ったのに頑張るって言って1人で頑張ろうとしてると思ったら嬉しくも寂しくもあって……。
花南は咲綾を抱きしめてさっき咲綾も言ってたけどどれだけ私たちが傍にいても最後私達に出来るのは見守ってあげることしか出来ないよ。私たちが3人を信じてあげようと言った。
受験
夏が過ぎ、秋が過ぎて僕、美華、藍はまず統一テストを受けた。その結果を踏まえて僕は釜谷体育大学スポーツ学部、美華と藍は小森女子大学文学部を受験することに決めた。
統一テストから2週間後に試験で短い間集中して勉強をした。
2月某日、釜谷体育大学と小森女子大学の試験日が一緒で僕、美華、藍はそれぞれ会場に向かい試験を受けた。テストが終わり僕は美華と藍に終わったら港南駅近くのカフェに来て欲しいとメールをした。
僕は初めにカフェに着き美華と藍が来るまでコーヒーを飲んで待っていた。
1時間後カフェに美華と藍がやって来て琢磨君遅くなってゴメンねと言うと美華ひ急に呼び出してどうしたの?
僕は試験が終わり宮城と狩野の手応えを聞きたいと思ってさと言った。美華は7割ぐらいでいけるかなって答え、藍は大丈夫じゃないかと自信ありげに答えた。
美華は琢磨君はどうだった?
僕は頑張ったけど合格出来るか微妙なラインなんだよねと答えた。
後は結果を待つだけ、共に頑張ってきた宮城や狩野のため。そして勉強を教えてくれた咲綾や美琴さん、花南さんのためにも絶対に合格して欲しいという思いが強くなっていた。
合格発表
試験を終えて1週間、僕は咲綾にメールで結果気になるから一緒に見て欲しいと伝えると咲綾は折角なら6人集まってみんなで見ようと提案した。
僕は咲綾に何時に空いてるか聞くと夕方まで予定あるから6時に公園集合にしようと言った。
咲綾は美琴と花南にメールを送り、僕は美華と藍にメールを送った。
集合時間まで時間があるので僕はしばらくどこにも行っていなかったので1人で映画を観て、1人でカラオケをして時間を過ごした。少し早めにカラオケを出て僕は午後5時半に公園に着いてベンチに座っていた。続いて花南、美琴、藍、美華と公園にやって来た。そして午後6時に咲綾が公園に向かって全力疾走し小石に躓き派手に転んだ。
僕は咲綾にヒール履いてそんな全力疾走するから転ぶんだよ、遅れるなら予め連絡くれたらいいのにと言うと私の用事で午後6時に集まってもらったのに言った私が遅刻するのはいけないなって思ってさ。
僕はその気持ちは分かるけどと話していると咲綾の膝が擦りむいていることに気がついた。
僕は咲綾をおんぶして水道でキズを洗いタオルで拭き、消毒液はなかったので応急処置として絆創膏を貼った。ベンチに座り咲綾は僕、美華、藍に携帯を出すように言った。
それぞれ専用ホームページにいき、受験番号とパスワードを入力した。狩野藍小森女子大学文学部合格、続いて宮城美華は小森女子大学文学部合格、僕は美華と藍の合格を聞いて不安な気持ちでいた。
受験勉強とパスワードを入れてクリックすると早本琢磨、釜谷体育大学スポーツ学部……合格と表示されていた。
僕は思わず涙が溢れて泣いてしまった。咲綾は僕を抱きしめて耳元でよく頑張ったね、お疲れ様でしたと頭を撫でた。
その時、僕と咲綾は傍に美華、藍、美琴、花南の4人が居ることを忘れていた。花南はカップルの邪魔しちゃいけないから美華ちゃんと藍ちゃんの合格祝いにケーキバイキング連れてってあげるねと言うと僕と咲綾は我に返り私たちもいくよ、6人で行こうよと言ってみんなでケーキバイキングに行くことにした。
僕は甘い物を食べるのは何ヶ月、いや何年ぶりに食べる機会で時間の間只管ケーキを食べまくった。席に座り食べていると咲綾は琢磨が笑顔で頬張る姿久しぶりに見たなかわいいと微笑んだ。時間になりそれぞれ家に帰った。
デート
咲綾は春休みということもあり僕は久しぶりにデートしたいと思っていた。
受験勉強の時に叱咤激励してくれたおかげで僕は大学に合格出来たと思っていて咲綾に恩返しをしようと考えていた。半年近くデートをしていなかった僕はどうしたら恩返し出来るんだろうと悩んでいた。クリスマスの日に行ったテーマパークでまた一緒に騒ごうと思いチケットを購入した。
僕は咲綾に今度の土曜日テーマパークに行こうとメールで誘ったらいいよと返信が来た。開演時間と同時に遊ぼうと思い、僕と咲綾は前日に近くの宿で泊まることにした。
次の日朝から晩まで居てアトラクションに乗り、パレードを観てを気がついたら閉園時間まで思いっきり遊び電車に乗った。
咲綾は遊び疲れたのかうとうとして僕の肩で寝てしまい僕は咲綾の寝顔写真を携帯で撮影した。
しばらく経っても起きる気配がなかったので僕は咲綾をおんぶして家まで送り御両親にこんな遅くまで咲綾さんを連れましてすみませんでした。
咲綾のお父さんは琢磨君、咲綾の表情を見るように言われ見ると幸せそうな顔をして寝てるでしょ。咲綾は琢磨君と出かけて楽しかった証拠だよ、ありがとうと言ってくれた。
お母さんは咲綾を送る時だけ家に来るんじゃなくていつでも遊びに来てね、その時は私がご飯を腕をふるって作ってあげるからねと温かい言葉を頂いた。お父さんは咲綾を部屋に連れて行き僕はお母さんに手紙を咲綾さんに渡すように伝えて一礼をして自宅に帰った。
一夜明けて
咲綾は目が覚めて机の上にある手紙を見つけた。咲綾はお母さんにこの手紙は何と聞くと昨日琢磨君が咲綾を家に送り届けてくれて咲綾に渡して欲しいって。咲綾は封筒を開けて手紙を読んだ。
「咲綾へ 僕が春から大学生活を送れるようになったのは他でもない咲綾のおかげです。勉強の得意ではない僕に叱咤激励をしてくれたら受験勉強は辛かったけど頑張ることが出来ました。咲綾はいつも自分のことよりも僕のことを優先してくれてたまには甘えてね。僕は優しく美人で時に厳しい咲綾が大好きです。 こんな僕ですがこれからもよろしくお願いします。 琢磨より」
咲綾は手紙を読み1人で泣いていた。咲綾は僕に電話をかけて泣いていたので手紙読んでくれたんだねと言うと琢磨ひどいよ、女の子を泣かせるなんて。
僕は思ってる気持ちを綴っただけで泣かせるつもりなんてなかったからよ。
咲綾はこんな感動する手紙を読んで泣かない人いないと思う?琢磨君、私も不器用だけどいつも一生懸命でかわいくて好きだよ。
僕は電話を切ると咲綾はまだ泣いていた。咲綾のお母さんは部屋にこもったまま出てこなく心配して咲綾の部屋に入った。
何で泣いているのか聞かれて琢磨からもらった手紙をお母さんに渡した。
お母さんは琢磨君ホントに咲綾のことが好きなんだね、寝てる咲綾を送り届けてくれる優しくて大事にされてるんだなって伝わってくるよ。お母さん、私はホント幸せ者だよと泣きながら答えた。
高校卒業
3月1日蒲田学園高校の卒業式が行われて僕、美華、藍はそれぞれの進路に進むので僕は宮城と狩野は同じ大学だから頻繁に会うと思うけど僕は2人に会うことは減ると思うと少し寂しいなって言うとだったら美華は私たちと一緒に受験すればよかったのに言うと僕は2人が行くのは女子大でしょ?俺にはそもそも受験資格ないしと笑いあった。
美華は琢磨君にとっては私たちと離れることでデートに付きまとったり揶揄われることが減るからよかったね。
僕はそこは否定しないと湧いながら最後に3人で笑いあった。
僕は高校生活最後だから3人で写真を撮ろうと言って写真を撮った。僕と美華、藍は電車で港南駅に向かい部活帰りの咲綾が偶然同じ電車に乗っていて降りると咲綾は3人でどうしたの?
僕は受験勉強で使った図書館、陸上でよく会場で使った陸上競技場等思い出の地を巡ろうかなと言った。
咲綾は私も一緒に行って写真撮ってあげると言った。写真を撮っていると咲綾はこれで美華ちゃんと藍ちゃんのかわいい制服姿見られないってなると何だか寂しいなって言うと僕に琢磨美華ちゃんと藍ちゃんの制服姿見られるのは今日で最後だから拝んでおいた方がいいよ。学校でもこれからは会うこと減るから写真撮ったよ。
別に私は友達として美華ちゃんと藍ちゃんに会うのはいいよ、でもそれ以上の関係になったら浮気したとみなしてその時は容赦しないからねと満面の笑みで言っていて僕はその笑顔がとても怖かった。最後に咲綾は美華ちゃん、藍ちゃん短い間だけど同じ女子大生としてよろしくね。
藍は私たちこそ右も左も分からないので色々教えて貰えると助かります。
勉強大変だけど楽しむことが大事だよと言って咲綾は家に帰った。高校生活最後で僕、美華、藍の3人で港南駅近くにある1日中カラオケでオールをしようとしたが僕は途中で寝てしまった。陽が昇り帰ろうとしたら部活に向かおうとしていた咲綾に会い、琢磨君朝帰りなんてどうしたの?
高校生活最後だからカラオケ行こうって宮城と狩野とカラオケでオールしてたんだけど途中で寝ちゃってさ。
咲綾はあんま無理しないようにって言った。咲綾は琢磨君今眠い?
僕は眠いけどだいぶ目が覚めたよ。
咲綾はなら今から部活に行くんだけど第三者として演劇を見て欲しいと言われるとコンビニで何か買わして欲しい、駅前にカフェがあるからそこに行こう。
僕と咲綾は電車に揺られ1時間、女子大前に着き咲綾がモーニングをご馳走してくれた。咲綾は入口で僕の入る申請し、事務所でまた申請した。
咲綾は色々申請とかして連れてくる方が手間じゃないかと聞くとそれだけの手間をかけてでも私たちの演劇を客観的に見て欲しいの。面白かったとかつまらなかったとかじゃなくて具体的な感想を言うように。
僕は部室に行くと部員から琢磨君久しぶりだね〜。咲綾どうしてここに琢磨君がいるのか美琴さんに聞かれた。
咲綾は駅に琢磨君がいたから演劇を見てもらおうと思って来てもらったよ。僕は案内されるように部室に入った。
部室に入るとここは駄菓子屋なのかというほど色々なお菓子があり、部長に就任していた美琴さんは琢磨君もお菓子食べたかったら好きなお菓子食べていいよ。
お菓子を食べながら演劇部の部員たちと話していると美琴は琢磨君私たち今から衣装に着替えるから外で待っててと言われ外で待っていた。
僕は着替えに時間がかかると思いスマホのゲームで時間を潰そうとしていた。10分後、美琴から呼ばれて再び部室に入った。
演劇部の部員たちはさっきまでかわいらしい服装だったがかなり攻めたセクシーな衣装で注視出来なかった。
演劇を見ているうちに感動してすごい迫力を感じた。一通り終わり咲綾から感想を求められて僕はダイナミックですごい惹き付けられたと言いつつも1つここは変えた方がいいなと思うのは衣装がセクシー過ぎて男の人は衣装ばかりに目がいってしまうからもう少し衣装を変えた方がいいと思うと提案した。あまりにもセクシーだったので咲綾とのツーショットを撮った。
そして美琴はまた着替えるから外で待っているようにね。待っている間にこの辺りの飲食店を探していた。
着替えが終わり部室に入り美琴は今の私たちの服装と演劇の衣装どっちが好みか聞かれて僕は演劇の衣装と答えると美琴は琢磨君やっぱ男の子だね、正直でよろしい。琢磨君に観てもらったやつは私と咲綾の公演で部活を引退するから是非観に来て欲しいな。予定はまだ決まってないからそれは後日、咲綾に聞いて。その時にはもっと精度をあげて琢磨君が感動して泣くぐらいの演劇にするね。
僕は是非とも観に行きますと答えた。
定期公演
小森女子大学演劇部には会場を借りて実際にお客さんを入れて行う場とそれ以外にも学校の体育館で行う定期公演が行われていた。
定期公演を行う理由としては新入生をいきなりお客さんの前で行うと緊張して上手く出来ないのではないか。場馴れをするために定期公演が行われることになっている。
部長のみなみさんが引退をされて新たな部長として美琴が就任して新たなスタートを切った。咲綾は美琴に新入部員が入ってきて恥ずかしくないようにみんな一致団結して頑張ろうねと伝えた。
演劇部の練習は1日行われていて部長の美琴はある提案をした。
ねぇ咲綾、3月末に行われる定期公演に琢磨君を呼ぶっていうのはどうかな?
私たちみたいに演劇を知っているわけじゃないし単純に面白い、面白くないとか分かると思うし私たちでは気づかない点とかも気づけるかもしれないよ。
咲綾は確かにそうだね。予定が空いているか琢磨君に聞いてみるね。
演劇部の部員は咲綾の彼氏が観に来るならいつも以上に気合いを入れないと。咲綾に恥をかかせるようなことなんて出来ないもんね。
美琴は琢磨君のためにというよりも自分たちの技術を高めるためにやらないといけないよと注意した。
咲綾は僕に電話をかけてきた。
もしもし琢磨君、3月末って空いているかな?
僕は今のところ空いているよ。どうしたの?
もしよかったら3月末に小森女子大学の体育館で定期公演やる予定だけど観に来ない?
僕は観にいきたいけれど女子大学だけど入られる?またこの前みたいに許可をもらわなきゃいけないようなら手間じゃない?
定期公演は部活の一環だから入口で演劇部の定期公演を観に来ましたって言ってくれれば大丈夫だよ。もし不安なら駅まで迎えに行くよ。
僕は駅に迎えに来て欲しいとお願いをして電話を切った。
美琴さんは咲綾の頬をつついて彼氏さんはなんて言っていた?
来てくれるって。当日は入口のところで演劇部の定期公演を観に来ましたって言ってくれれば大丈夫だよって伝えたけれど念の為に駅に迎えに来て欲しいって言っていたからさ。
演劇部の後輩が咲綾さんの彼氏さんってどんな人ですか?
美琴は歳下で優しくてかわいい子だよ。口で説明するのは難しいから来た時に咲綾から紹介してもらうよ。
私が紹介するの?琢磨君恥ずかしがり屋だから緊張して何も話さないかもしれないよ。
後輩たちは早く見てみたいとテンションが上がっていていた。咲綾はこの時、後輩たちは琢磨君をかわいがってくれると思うが琢磨君がどういう感じになるかと心配していた。
僕は定期公演当日、最寄駅の小森駅に行って咲綾を待っていた。
小森駅は予め小森駅で待っていて僕は定期公演楽しみといいつつ入口を通って大学に入った。
僕は咲綾にどこに行けばいいか尋ねた。
演劇部の後輩が琢磨君に会いたいって言っていたから先に部室に行こうか。簡単に挨拶したら体育館に移動して好きな席で見てほしい。お客さんがどれだけ入るかは私にも分からないけどね。
僕と咲綾は演劇部の部室に向かった。
お待たせ、今日のお客さん連れてきたよ。
始めまして先日鎌本学園高校を卒業致しました早本琢磨です、今日は定期公演にお誘いいただきありがとうございます。
琢磨君久しぶりだね。美琴だけど覚えている?
僕はもちろんです。その節はお世話になりました。
後輩の1人が美琴に尋ねた。
美琴さん、琢磨君がお世話になりましたって言っていますがどういうことですか?咲綾は相談受けていたの?私も聞きたい。
琢磨君こう言っていることだし話していい?
僕は恥ずかしいですがいいですよと答えた。
前にショッピングモールに行ったら旅行代理店の前にいる琢磨君を見つけてどうしたのか聞いたら咲綾と出かけるところがいつも一緒でどこに連れて行ったらいいですかって聞かれたから琢磨君ならどこに行きたいか聞いて参考にしますって素直に答えていてね。
咲綾はそれっていつの話?
美琴さんはクリスマス前の話だったかな……?
琢磨君クリスマスで一緒に出かけたけれど行きたいところあった?聞かずに自分で決めてゴメンね。
僕は行こうとしていたところ一緒だったから大丈夫だよ。自分でもある程度考えなきゃいけないと思っていただけだよ。
そう話していると美琴さんはそろそろ時間だよ。着替えて移動しよう。琢磨君も先に体育館に行って楽しみにしていてね。もちろん今回も打ち上げには琢磨君にも参加させてもらうよ。
僕はペコッと頭を下げて体育館に移動した。
10分後、始まる前の挨拶で美琴さんが登場した。
「本日は小森女子大学演劇部の定期公演にお越しいただきありがとうございます。初めて演劇を観た人にも演劇って面白いものだと思ってもらえるように私を含め部員一同頑張るので温かい目で見ていただけると嬉しいです」
僕は演劇楽しみだなと思っていると隣にある人が座った。それは前部長の谷山みなみさんで一緒に楽しもうと観ていた。
開演から2時間、僕とみなみさんは食い入るように定期公演観ているとあっという間に終わった。
僕とみなみさんは先に演劇部の部室に行って定期公演の感想を語りつつ演劇部の部員を出迎えるのを待っていた。
数分後、演劇部の部員が戻ってきた。みなみさんお久しぶりです。わざわざ観に来てくださってありがとうございます。美琴さんから琢磨君着替えてくるからちょっと待っていてね。そして外で待っている間にみなみさんから咲綾とはどうなのか色々と聞かれたがこの後打ち上げあるみたいでそこで色々と聞かれると思うのでそこで話します。
みなみさんは琢磨君もうみんなが何を求めていて何を聞かれるのか分かるようになったね。根掘り葉掘り聞かれるけれど決して琢磨君と咲綾を揶揄いたいわけではなくてみんな2人がかわいくて仕方ないってことは分かって欲しいな。
それはもうみなみさんがいらした時から皆さんにかわいがってもらって僕も嬉しいです。そんな僕も4月から大学生になります。
そっか琢磨君大学生になるのか、サークルや勉強に色々と楽しむことを勧めるよ。学びも遊びも満喫出来るのは大学生の特権だからね。分からないことがあれば彼女の咲綾や他の人たちに聞いたら優しく答えてくれると思うよ。
みなさん優しい人たちばかりなので沢山甘えさせてもらいます。
その方がみんなも嬉しいしかわいがってくれるよ。
そうしているうちに演劇部の人たちは着替えを終えて打ち上げに行こうとなった。美琴さんは是非ともみなみさんもどうですか?
みなみさんは私もいいの?じゃあ参加させてもらうね。
そして近くにある焼肉屋に向かった。
みなみさんは今日は定期公演お疲れ様でした。私がご馳走するから琢磨君も含めて沢山食べてね。
最初はおまかせコースを注文してその後はミノやカルビ、ロースを注文して食べていた。
僕は話の中心は定期公演ではなくて咲綾との進捗状況を聞かれるだろうな、いやその話しかしないとすら思っていた。
後輩の1人が咲綾さんと琢磨君はどういう関係ですか?
もう僕は嘘をついても仕方ないと思って素直にお付き合いさせてもらっています。皆さんも感じていると思いますが咲綾はいつもニコニコ笑顔で優しくて常に僕のことを気遣ってくれる人です。
美琴さんは咲綾にべた褒めだね。
別の後輩部員はちなみに馴れ初めは?
僕が咲綾のことを好きになって電車で一緒になるだけでその日1日ハッピーだったのにカフェに誘ってくれてこんな嬉しいことがあるのかなって思いました。
みなみさんはそれでどっちから好きって言ったの?
実は私がアメリカ留学していた時に琢磨君の陸上の大会でアメリカに来ていて一緒に会おうってなって女の子2人いてその子たちの前で咲綾さんのことが好きって言ってくれてホントに嬉しかった。
美琴さんはその女の子って美華ちゃんと藍ちゃんのこと?
咲綾はうん、そうだよ。
スゴい勇気あるね。男前だね。
咲綾はそう思うでしょ?実際に付き合ってみたら照れ屋で不器用だけど一生懸命私のことを愛してくれるかわいい子で一緒にいて癒されるの。
僕は思わず付き合ってよかった?
もちろんだよ。素直で甘えてくれて不器用だけど私を一生懸命リードしようとしてくれる姿が愛おしくて離したくないよ。
周りから「ヒューヒュー」と声が飛び交った。
定期公演よりも長い時間焼肉屋にいて打ち上げの方が盛り上がることに驚いた。
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