新学年
ラストイヤー
僕は3年生になり高校生活最後の1年を迎えた。泣いても笑っても最後の夏の大会に向けて僕は走っていた。
僕は1つの目標として県大会を勝ち上がり全国大会出場したいと思っていた。それは全国大会に出場出来ればテレビ放映され、忙しくて現地に行けないかも知れない咲綾にも僕の有志を見せることが出来るからだ。
そのために僕はコーチやマネージャーでもある藍にタイムを計測してもらったりフォームを確認してもらっていた。どうすれば速く走れるようになるのか、どうすれば相手より速くゴールすることが出来るのかそれだけを考えていた。
部活が終わりダメ元で咲綾に知り合いに陸上部の友達誰か知らない?今よりもタイムを伸ばしたいから紹介して欲しいとメールを送った。
そうすると同じ大学で陸上部の子がいるから今度紹介するねと言ってくれた。咲綾はその子に連絡を取り金曜日の夕方なら空いてるから多摩川河川敷に来て欲しいと返信が来て琢磨にそのメールを送った。金曜日の夕方、僕は部活終わりに多摩川河川敷に向かった。程なくして咲綾ともう1人の女性がやってきて、僕はふとどこかで見たことのある人だなと思っていた。そして咲綾は僕にこちらが小森女子大陸上部の
「多摩川の韋駄天」
岡山花南選手の雑誌の特集見てまさか有名な岡山選手が咲綾の知り合いで僕に教えてくれるなんて夢にも思わなかった。
僕は初めまして、早本琢磨です。前に雑誌の特集を見てから岡山花南選手に憧れて今日まで走ってきました。実際にお会い出来る日が来るとは思わなくて嬉しいと言うよりもなんて言ったらいいか分からないです。
花南さんは私の事目標にしてくれてありがとう。琢磨君みたいに言ってくれる人が1人でもいると私もその人たちに恥ずかしい走りが出来ないと励みになるよ。短い時間だけどよろしくね。
僕はまず夏の大会に向けて1秒、いや0.1秒速く走りたいですよろしくお願いします。
私は数を走ると言うよりも少ない本数しか走らないかわりに1本1本を大事に走るようにしてるよと言うと早速準備体操をする様に言われた。
僕は準備体操を済ませると花南はカラーコーンを置き1度タイムを計るから走ってみてと言われカラーコーンを目指して100メートル走りきった。
花南は僕にタイムを見せるとこのタイムは自分の中ではどうなのか問われ僕の中では平均点より速いぐらいです。
花南は今どこを見て走ったのか聞かれカラーコーンを目指して走りました。
じゃあ今度はカラーコーンの先を目指して走ってみてと言われもう1本走ってみると1本目と比べるとタイムが上がり自己ベストに近い記録を出した。
空を見上げると陽が暮れて照明もないし危ないからと言ってラスト1本走るように言われて走り部活のタイムも含めてこの日最速のタイムを出して僕はすごい嬉しかった。
僕は花南に今日はお忙しい中ありがとうございました。またお時間があれば教えて貰えると嬉しいです。
花南は連絡先渡しておくから何かあったらいつでも連絡してきてねと優しく対応してくれた。僕は明日朝練があるのでお先に失礼しますと帰った。
その後花南と咲綾は電車に乗り、花南は琢磨君素直でかわいい子だね、
教えがいあるしもしかしたら私よりもすごい選手になるかもと咲綾に伝えた。
咲綾は花南に琢磨頑張ってるからよかったらまた走りを見てあげてね。
花南は何か2人まるで交際してるみたいだねと言うと咲綾は軽く頷き交際してるよ。
琢磨は走ってる時はすごいカッコイイんだけどプライベートではプレゼント用意してくれたりしてすごいかわいいよ。
花南は咲綾に惚気話今度ゆっくり聞かせてもらうよと演劇部のメンバーと同じこと言ってるね、みんなして揶揄わないでよ。2人はそれぞれ港南駅を下り家に帰った。
翌日の練習
昨日僕は憧れの花南に練習を見てもらい後は感覚を掴もうとしていた。
そして朝練に早速その効果が出た。ウォーミングアップを済ませてタイムの計測をすると聞き、僕はトラックをカラーコーンに見立てて全力で走った。
タイムは自己新記録を出し朝練後に僕は藍に呼び出された。僕は先日藍に酷いこと言ってしまったことを思い出し今度は何を言われるのか少しそわそわしていた。
藍は昨日よりも格段にタイム上がってるけど1日でそんなに変わるものと聞かれ僕は動画サイトを見よう見まねでやってみたと何故か嘘をついてしまった。授業後の練習で僕は朝練のタイムはホントだったのかと半信半疑になっていた。
それはマネージャーの藍も記録にはまぐれじゃないかと思っていた。タイムの計測をすると朝より0.1秒速く走りコーチも不思議そうな顔をしていた。僕はまぐれじゃなくしっかり効果が出ていたと確信して花南に昨日教えてもらったことを行ったら朝練にベストタイムを出して授業後の練習では朝練のタイムを0.1秒更新することが出来ました。
花南は今度日曜日に多摩川河川敷で練習するから私たちと混ざって練習しないかと提案する返信が来て僕は1人混ざって大丈夫なのか尋ねた。
1回コーチに聞いてみるから許可が出たら一緒に練習しようねと言った。
翌日花南からのメールでコーチから許可が出たから一緒に練習が出来るねと言った。
僕は8時半に河川敷に行くとみんな集まっていて花南は僕をみんなの前で紹介してくれた。早本琢磨です、今日は名門小森女子大陸上部の皆さんと一緒に練習を感謝し何でも吸収出来るようにしたいですと全員の前で想いを伝えた。
まず入念に準備体操をしてウォーミングアップに長い時間を割いて練習をして気づいたらお昼になり練習が終わった。
陸上部のコーチに呼ばれて今日の練習をして何か参考になることがあったかと尋ねられて走ることは勿論大事ですがそれ以上に準備体操やウォーミングアップに時間を割くことの大切だと改めて思いました。陸上部のみんなも若い男の子がいていつもよりテンション上がってからもしよかったらまた練習参加してくれていいよ。誰かの連絡先を知ってたら連絡してくれればこっちはいつでもウェルカムだからね。
僕は普段は高校の部活でやっているので休みの時に参加させていただけると嬉しいです。
僕はコーチを含めて部員のみんなに一礼して握手して帰った。ある部員は花南に琢磨君礼儀正しくてかわいい子だね。
でもどうして花南が琢磨君のこと知ってるかと聞くと演劇部の咲綾から知り合いで走りを見て欲しいってなって教えに言ったらちょっとアドバイスしたらタイムが上がってせっかくなら私たち河川敷で練習から参加したらもっとタイムが上がるかなって思って声をかけたってこと。
まぁ私が勝手に決めれないからコーチに打診したら許可が出たから今日来てもらったよ。また琢磨君来るのかなと聞くとまたなにか悩んだら来ると思うよと言った。
部活の練習
僕は朝練が始まる前、マネージャーの藍に練習方法として準備体操とウォーミングアップを入念にやった方がいいと提案した。
藍は1度取り入れてタイムが上がるのか検証して実際に取り入れるか決めることにする。朝練はいつも通り走り、タイムを計測をした。
そして授業後の練習前藍は部員を呼びいつもより準備体操とウォーミングアップの時間を割いてから練習を始めた。
ある程度練習が進み藍は部員に集合させた。今からタイムを計測するから朝とどれぐらい違うか比較するね。
1人ずつ走り藍は記録を取っていくと藍は目を丸くした。理由は部員の半分以上が朝練の時の記録よりも準備体操とウォーミングアップを入念にやった授業後の方がタイムが伸びることが分かったので正式に採用することが決まった。
僕は夏の大会まで残り2ヶ月、残された時間は短くどうすればみんなの記録が伸びるかと考えていていた。
しばらくして蒲本学園陸上部と小森女子大陸上部との合同練習が出来ないかと考え、僕は部員1人1人のレベルアップを計りたいのでお時間があれば是非小森女子大陸上部との合同練習をしたいとメールで申し出をした。
花南はコーチから許可が出て私たちのグラウンド狭いから高校のグラウンド貸して貰えるならいいと返信が返ってきた。
僕はコーチに電話しいつならグラウンド1面使えるのか聞くと今週の土曜日のお昼ならと空いてるよ、
なぜそんなことを聞くのか聞かれある陸上部と合同練習したいとお願いしたらこのグラウンドでやるならと伝えられた。
コーチは午前9時にお願いしますと伝えるようにコーチとの電話を切って、僕は花南に電話をかけて土曜日の9時に来てもらえるようにお願いをした。
前日、授業後藍に明日小森女子大陸上部の人達が来るから申し訳ないけど一緒に飲み物買いに行くの手伝って欲しいと伝えると飲み物を一緒に買いに行った。
土曜日僕と藍は早めにグラウンドに行き飲み物を運んでいた。
そして練習前に藍は今日は小森女子大陸上部の方に来ていただき合同練習をすることになり、今回はこの様な機会を作っていただきありがとうございますと挨拶をした。
小森女子大陸上部のコーチが藍にどちらの練習法でするかと聞かれ藍は名門小森女子大陸上部の練習方法を見たいので選手に続く形でお願いしますと言った。
藍は小森女子大の選手に続くように伝えた。準備体操とウォーミングアップを入念にして練習に入り様子を見ていた。
藍は小森女子大のコーチにタイム計測してもいいかと提案すると全員でタイムを計測することになった。
藍はタイムを記録していると名門小森女子大学の選手、みんな高校生とは比べ物にならない記録で驚いた。僕ら蒲元学園のコーチは様子を見守っていた。そして藍は練習時間が終わる頃ある準備をしていた。
練習が終わり藍は飲み物を小森女子大の選手とコーチに飲み物を渡した。主将の花南は私たちも初心に返った気持ちで練習することが出来ました。
またよければ合同練習出来たらなと思いますと述べた。家に帰り僕は花南に今日はありがとうございました、またよろしくお願いしますとメールを送った。
花南からこちらこそよろしくお願いしますと返信が来た。夏の大会まで週に1回合同練習をすることになった。
自主練
僕は夏の大会に向けて練習後も河川敷に行って練習を行っていた。そこに髪を揺らして走っている人がいた。それは多摩川の韋駄天と呼ばれる花南さんだった。花南さんは足を止めた。
琢磨君、陽暮れに河川敷に来てどうしたの?
僕はもうすぐ県大会があるので自主練しようと思ってきました。花南さんは大会近いですか?
花南さんは別にそういう訳じゃないけれどいつてもベスト記録を出せるように河川敷を走ることを日課にしているよ。
僕はこの時、多摩川の韋駄天と呼ばれる花南さんでもこうやって自主練しているなら自分はもっとやらなくてはいけない。
花南さんは1人で黙々とやっているよりも誰かと一緒に練習した方が捗るから琢磨君一緒に練習しない?
僕は憧れの人からそのような事を言われるとは思いもせず、こちらこそお願いしますと頭を下げた。
2人で河川敷を1時間軽く走っていた。花南さんからせっかくなら100メートル勝負する?5本のうち1本でも琢磨君が勝ったら好きな物を買ってあげる。
その言葉を聞いて僕は闘志を燃やした。いくら実力差があるとはいえ5本のうち1本でも勝ったらと言われて悔しかった。逆に言えば花南さんからすれば僕は眼中にない。勝って当たり前ぐらいにしか思われていなかった。
花南さんはストップウォッチをポケットに入れて計った。僕は5本のうち5本とも花南さんに負けた。
花南さんに勝てれば自信になるのになと思っていた。でもどうすれば勝つことが出来るのか考えていた。すみませんどうすればもっと速くなりますか?
琢磨君はスタートしてからトップに乗るまでが遅いから少しでも早く出来ればタイムが縮まると思うよ。私は毎日河川敷で練習しているからまた一緒に練習しようね。
僕は花南さんから指摘された部分を改善出来るように普段の練習から意識することにした。
夏の大会
僕たち蒲元学園高校は花南さん、いや咲綾の計らいにより小森女子大陸上部との合同練習を行って僕を含め部員全員のタイムが上がり夏の大会1週間前になっていた。
最後の合同練習を行っていた。
僕は初めは1人で参加させてもらっていたのにそれだけでなく図々しく蒲元学園全員で皆さん小森女子大陸上部の方々と練習をさせてもらい学ぶことが沢山ありました。来週からの夏の大会精一杯走り皆さんにもいい報告が出来るように頑張りますと宣誓した。
そして小森女子大学の選手から拍手をもらった。応援してるよ、時間があれば現地に観に行くよと言ってくれる選手もいた。
咲綾にメールで土曜日に最後の大会が港南陸上競技場であるから観に来て欲しいとメールを送った。月日が経ち気づいたら土曜日になり、まずは市大会を迎えた。この市大会で決勝で3位以内に入れなかったその瞬間僕らの夏は終わり、引退となる。
僕はいつもより入念に準備体操とウォーミングアップをしているとスタンドから咲綾と花南の姿があった。僕はスタンドに軽く一礼して時間になるのを待っていた。
時間になり僕はスタート位置について「よーいドン」どんと号砲がなり走り出す。予選は1位で危なげなく決勝進出を決めた。午後に行われる決勝に向けて軽くおにぎりを食べようとしていたら咲綾から電話があり選手出入り口を出ると咲綾が待っていた。
咲綾は僕に水を渡し、予選通過おめでとう決勝でも3位以内に入ってまた琢磨の応援したいなと言うともちろん決めてみせると宣言し後で一緒に帰ろうと言って時間が近づき僕はまた入場口に戻った。
迎えた決勝県大会進出に向けて走り僕は3位と辛勝でギリギリではあるが県大会進出を決めた。他の部員はというとみんな全力で走ったものの4位や5位と惜しくも県大会進出出来なかった。
藍は僕に私まだ引退にならなくてよかった。この勢いで県大会勝ち抜いて全国大会で優勝してお互い引退は有終の美を飾ろうね。
というのも蒲元学園で県大会は僕だけで即ち次の県大会で勝てなければ僕だけでなくマネージャーの藍も引退となる。
僕は咲綾と一緒に帰り、県大会出場おめでとう、次もまた応援に行きたいな。僕は県大会来週の日曜日港南陸上競技場だからよければまた観に来て欲しいと伝えた。
港南駅で僕は美華と遭遇し来週の日曜日に港南陸上競技場で県大会出るからよかったら来てねと言った。
日曜日、県大会の日がやってきた。それぞれの市で勝ち上がった精鋭たちが港南陸上競技場に集まり僕は少し不安な気持ちでいた。
僕はテレビ放映される全国大会にどうしても行きたい気持ちでいた。
予選でいつものルーティンをしてスタンドを見上げると同じクラスの美華、咲綾、小森女子大の演劇部の人達、そして陸上部の人達が来ていて横断幕を掲げメガホンで応援していた。何かのライブと勘違いしてるんじゃないかと思っていたが僕は応援してくれることに嬉しかった。
予選の時間になり僕は位置について「よーいドン」と号砲が鳴る。予選は1位で決勝進出を決めた。少しゆっくりしようと考えたが市大会と違い県大会の決勝は1時間後で水分を取ったりしてあっという間に決勝の時間となった。この決勝で3位以内に入れば全国大会に行けると僕はいつも以上に意気込んでいた。
スタート位置に付き、位置について「よーいドン」と号砲が鳴り、一目散に走り3位の選手とほぼ同時にゴールした。記録は3位の選手と0.01秒差頭一つ分の差で僕は4位で全国大会出場を逃した。
僕は呆然としてしばらく立ち上がれないでいるとマネージャーの藍がやって来て全国大会に連れて行けなくてゴメンなと言うと藍は今までで1番感動したと抱きしめて裏へ連れて行った。
藍は僕にタオルとスポーツ飲料を渡して汗と涙を拭いてスポーツ飲料を飲んでこれで私も引退だね。
私は琢磨君の走りを一生忘れることはないよ、藍はこの後一緒に打ち上げしようと言ってくれた。暫くして選手出入口に行くと美華、咲綾、小森女子大の演劇部、そして陸上部たちが僕にお疲れ様でしたと言うと咲綾は打ち上げしたいと提案すると僕は藍にどうするか聞くとどうせ打ち上げするなら人数多い方が楽しいからそうしよう、もし琢磨君が2人で打ち上げしたいって言うならまた後日でもいいよと言った。
咲綾は焼肉屋に電話してくれていて貸し切ってくれていた。焼肉屋に着きテーブルに座ると女性は美華、藍、咲綾、演劇部9人、陸上部25人計37人男性は僕1人で僕は女子校の先生になったかの様にすら思えてきた。
咲綾は注文を取り、僕は今日は皆さんお忙しい中来ていただいたのに全国大会出場出来なくて申し訳ございませんでしたと言うと花南は琢磨君の走りにみんな心打たれたよ、大事なのは結果よりもプロセスだよ。
咲綾なんて感動してずっと泣いていて琢磨君の前で泣いてる姿見せたらいけないからって御手洗に行って顔を洗ってたと聞いて僕は改めて自分の走りで感動をする人がいたと嬉しく思った。
緊張からほぐれたこともあり僕は腹の虫が鳴り、お肉が焼けて食べようとしたら演劇部の美琴は咲綾に琢磨君に食べさせてあげなよと言うと咲綾はこんな大勢の前で恥ずかしいでしょ、今日のメインは咲綾じゃなくて琢磨君なんだから琢磨君に聞いてみてと僕は恥ずかしいけど咲綾にお願いをした。
咲綾は僕に「アーン」と食べさせてくれて笑顔でいつもの何倍も美味しいと言うと女性陣から口を揃えて"かわいい"と言われて余計に恥ずかしくて仕方がなかった。
そして演劇部や陸上部人達から私たちが何かある時は観に来て欲しいと言われて教えて貰えたら行きます。じゃあ何かあれば咲綾に連絡するから是非2人で観に来てねと揶揄ってきた。
走り疲れ、話疲れた僕はうとうとしていつの間にか咲綾の肩で寝てしまい花南は咲綾に琢磨君を泊めるか家まで送ってあげなと言って咲綾の家に連れて行って自分のベットに寝かしつけた。
咲綾はぐっすり寝ている琢磨を起こしたらいけないと思い、隣の空き室で寝た。
朝になり僕はここがどこなのか全く分からずにいると隣の部屋から咲綾が起きてきた。
僕はここはどこでなぜここに居るのか分からなかったので咲綾に聞いた。咲綾は昨日県大会終わって打ち上げに行って途中で琢磨が私の肩で寝ちゃったから私の部屋で寝てもらったよと状況を説明した。僕は咲綾に迷惑かけてゴメンねと言うと咲綾は肩で寝てる時みんな可愛すぎるって言って指でツンツンしたり写真撮ったりして盛り上がってたけど知らない?
僕は完全に熟睡してたのか全く覚えてないと言った。お腹空いたでしょ、ここで話してないでリビングで一緒に朝ごはん食べようと言ってくれた。リビングに行くと咲綾の御両親がいて朝ごはんをご馳走してくれた。
僕は咲綾と交際させてもらっている早本琢磨ですと挨拶をした。御両親は咲綾から琢磨君の話聞かせてもらってるよ、素直でかわいい子だよっていつも言ってるよ。
僕は昨日は咲綾さんにご迷惑かけてしまい申し訳ございませんでした。御両親は笑いながらしばらく琢磨君の顔を見つめててかわいいってずっと言ってるから母親の私が琢磨君疲れて寝てるんだから咲綾も早く寝るように言って咲綾はホントに琢磨君のことが好きなんだなって伝わってきたよ。
御両親は咲綾は面倒見がいいけどどこか悩みや愚痴とか言わないところもあるから咲綾が寂しそうな顔とかしてたら聞いてあげてね。
僕は咲綾さんが困っていれば助けになれればいいなと言って顔を洗い終わった咲綾は御両親に琢磨君に何言ってるのと照れながら言って僕は咲綾を全力で守らなくてはいけないと心に誓った。
お揃いコーデ
僕は1つ心配していることがある。それはいつものデートで咲綾が喜んでくれているのかということだ。
毎回単調のデートだと飽きられて別れると言われてもおかしくないがどうすればいいのか分からない。
咲綾と花南さんを紹介してくれた時、親しく喋っていたことを思い出して何かヒントをもらえないかと考えた。
僕は花南さんに電話することにした。
もしもし、琢磨ですが花南さん今ってお時間ありますか?
大丈夫だよ。琢磨君どうしたの?陸上のこと?
今日は別の相談をしたくて花南さんに電話しました。
別の相談?勉強以外なら何でも答えられると思うから言ってみて。
前にあった時、花南さんって咲綾と仲がいいように見えましたが色々と教えてもらえないかなと……。
そういう事ね。咲綾とは同じ学部で一緒にいることが多いから教えられることあるよ。そういえば琢磨君って咲綾と付き合っているよね?
はい、付き合っています。咲綾は僕のこと何か言っていますか?
かわいい彼氏といつもいられて幸せだって。しっかりしたお姉ちゃんのように見えるけれど何かあればちゃんと話を聞いてあげてね。
そうします。そこで花南さんにお聞きしたいのですがどんなデートに憧れていますか?
難しい質問だね。いつも自分のことを考えてくれていて好きって言ってくれるだけで十分だと思うよ。僕はホントにそれだけでいいのかなって思います。なんかいつも単調のデートで楽しくないから別れるって言われるのではないかなと思って……。それで花南さんに何かいい案があればください。僕1人で考えていても案が浮かばなくて……。
あるあるかもしれないけれどペアルックで一緒に歩くっていうのはどうかな?その服を2人で買いに行ってその服を着て手を繋いでなんて私は憧れるけどね。
ペアルックか……。花南さんありがとうございます。今度咲綾とアパレルショップに行って同じ服を買ってペアルックしてみようと思います。参考になりました、ありがとうございますと電話を切った。
僕は咲綾にメールでアパレルショップに行きたいと伝え、午後6時に港南駅に来て欲しいと返信がきた。
僕は港南駅で咲綾を待っていた。
琢磨君、お待たせ。そこにいたのは咲綾と花南さんがいた。花南さんどうされましたか?
私は来るつもりなかったけれど咲綾が付いてきて欲しいっていうから一緒に来ちゃった。2人の邪魔にならないようにするから安心して。
咲綾は僕にこんなことを言った。話は花南から聞いたよ。マンネリ化したら別れるって聞いたけれどそんな事ないよ。こんなかわいくて優しい彼氏なんて中々いないし普通にデートしているだけでも楽しいよ。
私のために時間を割いて考えてくれて女の子扱いしてくれている事がホントに嬉しい。毎回毎回どんなデートにしようって気負うのも大変だと思うからたまには琢磨君の行きたい場所にも行きたいな。
そして3人でアパレルショップに向かった。
僕と咲綾はどの服がいいか見ていた。咲綾はどの服もかわいく着こなしていてペアルックにするにはどうかなというものが多かった。
迷っていた僕を見かねて花南さんは提案した。
無地Tシャツとかどうかな?シンプルで琢磨君も似合うと思うよ。ちょっとこれ着てみてよ。
僕は花南さんに促されるように試着室で黒のTシャツ着てみるとフィット感もあって着やすい。カーテンを開けて咲綾と花南さんに見てもらうとかわいい似合っているよ。
花南さんは次は咲綾だよ。咲綾は白色が似合いそうだと思うから取ってきて着てみて。
咲綾は白色の服を取ってきて着てみると似合っていた。花南さんからお似合いだね、2人が幸せになって欲しいから2人の服代払うね。
僕と咲綾は頭を下げた。店員さんにタグを切ってもらいお店の前でスマホで2ショット撮ってもらった。
僕はこの時咲綾には優しい友達や先輩が沢山いていいなと思っていた。
お揃いコーデデート
僕は新しい服を買ってペアルックでデート行くとしたらどこがいいかと考えていた。前に演劇部の美琴さん、部長のみなみさん、多摩川の韋駄天と呼ばれる花南さんなどみんな優しくてなにかあればいつでも相談してきてねと優しく言ってくれているもののこのままではよくないと思い、今回は自分で考えることにした。
インターネットでデートスポットを調べるものの家から遠くて高校生の僕には長期休みじゃないといけないと思い断念した。
その日の夜、あるテレビを観ていた。
番組では動物園特集をしていてそこには家から近い港南動物水族園でそうだ、今度のデートはここにしようと決まった。
僕は土曜日に港南動物水族園に行きたい、開園時間の午前9時から入れるように午前8時に港南駅に集合しようと伝えた。
当日、黒のTシャツを着て港南駅に向かった。
咲綾は白色のTシャツを着てピンクのミニスカートを穿いて駅に来た。思わず僕はかわいすぎて言葉に出来ずにいて頬が赤くなっていた。
琢磨君、顔赤くなっていてかわいいね。私も動物園行くの久しぶりだから楽しみ。早く行こうと僕の手を掴み小走りで動物園に向かった。
もう僕の心臓はバクバクで咲綾は大学生の女性というよりも無邪気に燥ぐ女の子のように見えてきた。こんな姿も僕に見せてくれると思うと嬉しかった。
入場券を買って動物園に入るとレッサーパンダやカワウソを見ていた。2人でかわいいと動物をバックに写真を撮って手を繋いで動物園を歩いていた。
咲綾は色んな動物を見てかわいい次は何を見るとテンションが上がっていて次は何を見ようかと案内図を見ていた。
コアラもいるって知らなかった、次はコアラ見たいと行って僕の手を取って小走りでコアラのいる所に向かっていった。コアラは寝ていてその姿を見て咲綾はかわいすぎる、このまま持って帰りたい。
ずっと小走りで回っていて疲れた咲綾はどこかで休もうと近くにあるベンチに座っていた。
琢磨君、今日はここに連れてきてくれてありがとう。どうしてまた港南動物水族園に来ようと思ったの?
僕は昨日テレビでやっていて近くだから行きたいなって思ってね。それだけじゃあダメ?
うん、いいよ。私も久しぶりにここに来られて嬉しい。前に来た時は動物園しかなかったから水族館も出来ていてビックリしたよ。今度はどこに出会えるのかと思うと楽しみだな。さぁ早く行くよ。
僕は再び咲綾に手を引っ張られて水族館に向かってペンギンやゴマアザラシ、シロイルカを見てとてもかわいい姿にスマホのカメラで何枚も写真を撮っていた。そして館内放送が流れた。
10分後にイルカショーを行います。僕は咲綾の顔を見るとニコッと笑った。なんとなく何がいいたいのか分かり、僕は咲綾にイルカショーを見に行こうと提案して外に出た。
イルカ達の見事な演技に圧倒されるものがあり、僕や咲綾だけでなく観客全員が魅了されるものがあり感動してイルカショーを終えた。
気がついたらお腹が空いて咲綾にお昼ご飯食べようと声をかけた。お昼何食べる?
咲綾はお弁当作ってたから一緒に食べよう。そう言ってベンチに行こうと手を引っ張った。
僕は咲綾の手作りお弁当が食べられる日が来るとは思いもせず嬉しい気持ちでいた。
咲綾はどれから食べる?
僕は玉子焼き食べたい。いや、食べさせて。
もうしょうがないな。はい、アーン
「もぐっ」
今まで食べた玉子焼きよりも美味しいよ。
琢磨君に喜んでもらえてよかった。琢磨君大好きだよと抱きついた。
僕も咲綾大好きだよと頬にキスをした。
咲綾はこの後ショッピングモールに行きたいといって動物園を後にして手を繋いでショッピングモールに向かっていった。
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