咲綾の晴れ舞台

公演

咲綾からメールで来週の水曜日私たちの小森女子大学の演劇部が夕方5時から多摩川劇場たまがわげきじょう(通称たまげき)で舞台を行うから観に来て欲しいと連絡が届いた。僕はどんな内容なのか尋ねるとそれは今言うよりも当日生で観た方がいいよ、と言うか観てよかったと言わせるような演技が出来なきゃダメだからねと言った。そして迎えた水曜日、僕は学校が終わり急いでたまげきに向かった。そして公演時間の午後5時を迎え、緞帳が開いて咲綾が出てきた。

「今回は小森女子大学演劇部の公演にお越し頂きありがとうございます。短く時間ですが皆様に来てよかった、感動したと思えるような演技をします。どうぞ最後までお付き合いよろしくお願いします」

僕はその言葉を聞いて涙を流した。僕は初めて演劇を観るがメインキャラの咲綾は躍動感溢れる演技を観ていてあっという間に2時間が過ぎ、カーテルコールで挨拶して終演を迎えなんだか寂しい思いでいた。僕は明日も学校があるので咲綾にお疲れ様でした。

初めて演劇観たけど感動してあっという間に2時間過ぎたよとメールを送った。帰ろうとしていたら咲綾から電話がかかってきて裏にある出入口に来て欲しいと言われた。

そして言われるがまま裏の出入口に行くと咲綾が待っていて楽屋に案内された。

僕はなぜここに呼ばれたのかを咲綾に聞くとこの後打ち上げで焼肉のお店予約してるんだけど10人で予約で1人調子悪くて先に帰るって言ってて代わりに来てもらえないかなと思って呼んだけどどう?

僕は皆さん女性で僕だけ男ですがよろしいんですか?と聞くと部長の谷山みなみ《たにやまみなみ》は琢磨君が大丈夫ならいいよと参加することになった。

女子会ではなく"ほぼ女子会"になりますがよろしくお願いしますと頭を下げた。

そして小森女子大演劇部と僕は予約している焼肉のお店に向かった。

たまげきから徒歩5分、お店に着いて席に着いた。基本メニューの他にそれぞれ食べたいお肉、そして飲み物を注文した。

僕は女子会は華やかなイメージを想像していた。しかしそんな淡い期待とは裏腹に現実を目の当たりにした。僕は簡単に自己紹介を行い演劇部のメンバーも挨拶を行った。

部長のみなみは僕に咲綾との馴れ初めは何なのか、2人の関係性はと問われた。

僕は事前に関係性を聞かれたらどう答えたらいいのかと咲綾に聞いたら隠す必要はないから正直に答えていいよと言われていた。僕と咲綾さんは交際させてもらっています。

馴れ初めは同じ港南駅で出会いましたと答えた。咲綾と同い年の橋本美琴はしもとみこと2人でデートはどうしたのか?

2人でどこに出かけたのかと質問の嵐でまるで取調べのように根掘り葉掘り聞かれた。

僕は才色兼備の咲綾さんが僕なんかと交際してくれているのが今でも夢なんじゃないかと思う時があります。

それに反論するかのように咲綾は琢磨君のクラスメイトの美華ちゃんや陸上部のマネージャーの藍ちゃんすごいかわいい子なのになんで2人を交際の申し出を断ってまで私と交際してくれているのか不思議に思うんだよね。

それを聞いていたみなみはホント阿吽の呼吸だね、2人ホントお似合いだねと周りが揶揄った。テーブルにはお肉が無くなり、みなみが琢磨君何か食べる?と聞いてきたので食べ放題の中にあるお肉を再び注文すると琢磨君沢山食べれてスゴいねと言うと食べるの好きなのでと答えると僕以外は当たり前だがみんな歳上で歳下で男というのもあり沢山食べるところに愛おしさを感じていたみたいだ。そしてみんなで写真撮影をして無事打ち上げが終わった。


下調べ

僕は咲綾とクリスマスデートを計画していてどうすれば喜んでもらえるのか考えていた。

ショッピングモールに行ってツアー旅行というのもいいかなとパンフレットをいくつか眺めていた。

琢磨君だよね?私、この前の焼肉でいた咲綾と同い年の橋本美琴です。今日はどうしたの?

咲綾とクリスマスデートを考えていてどういう所がいいのかって今考えているところです。向こうも色々と考えていてくれていると思いますが男としてある程度考えておくのが当然かなと思いまして。

さすが琢磨君だね。前にあった時は照れ屋でかわいい男の子だなと思っていたけれどやる時はやるね。

美琴さんにお尋ねしたいのですが咲綾はどこに行ったら喜ぶと思いますか?

ここで話していても仕方ないから喫茶店で話そう。

僕はそうですよね、こんなお店の前で立っていたら他のお客さんに迷惑ですよね。

僕は美琴さんと一緒に喫茶店に向かった。

僕はアイスコーヒー、美琴さんは抹茶ラテを注文した。

琢磨君、どこまで話をしたっけ?

僕は咲綾はどこに行ったら喜びますか?

美琴は難しい質問だね。琢磨君が女の子だったとしたらどんな所に連れて行って貰えると嬉しい?

ペアルックでテーマパークに行って1日いてその後ちょっと高めの飲食店に行ってサプライズで何かを渡されてイルミネーションを見に行くような感じかな。美琴さん、どう思いますか?

私はいいと思うよ。どこに行くかというよりも相手のためにどれだけ時間を使ってあげられるかだと思うよ。仮に私が咲綾だったらその気持ちだけで嬉しいと思うよ。

僕は美琴さんに参考になりましたありがとうと告げて会計をしようとするとここは会計しておくからいいよ。また何かあったら私に連絡してきてね。後、2人のあったこととか教えてね。


冬の祭典

僕はデートの提案があると咲綾にメールした。

すると咲綾はこの前のデート楽しかったよ、でも今回は私が琢磨をエスコートするね、クリスマスの日午前9時に港南駅に集合とのメールが送られてきた。

僕はクリスマスの日咲綾に何かプレゼントをしようと思い考えていたが何をプレゼントしたら喜ぶのか全然思い浮かばないので美華と藍に話を聞いた。

美華はお揃い身につけられるものがいいんじゃないか、藍は気持ちのこもっているものがいいと思うよ後は手紙をもらっても嬉しいかなと助言を受けた。どんなものがあるのか探すために僕は隣町のショッピングモールに出かけて咲綾のプレゼントを探していた。

歩いていると琢磨君と声がして振り向くと先日小森女子大演劇部の打ち上げでいたみなみだった。僕はみなみに咲綾は何が好きなのか聞こうと考え、みなみに時間をもらえないかと尋ねた。

みなみは琢磨君ホントに咲綾のことが好きなんだね、私でよかったら協力してあげると言ってくれた。雑貨屋、アパレルショップなど何件か迷った。そして3件目のアパレルショップのお店に入り回っているとみなみは手編みのセーターを見つけこのセーターかわいいから咲綾に赤色、琢磨君白色で紅白で着たらいいと思うよとアドバイスをしたら僕はちょっと試着するねと言い試着するとみなみは似合ってるかわいいよと言うと咲綾のサイズを聞いて2着買うことにした。

クリスマス前日、カバンに紅白のセーターを入れて明日渡そうと考えていた。そして迎えたクリスマス当日港南駅に向かった。駅に向かうともう咲綾は待っていて

長袖シャツにスカートといつもとは違う服装をしていた。

ICカードをタッチし電車に乗り、僕は咲綾に今日はどこに行くのか問うと今から楽しいところ行くよとはぐらかされた。僕は言われるがまま電車に乗り、しばらくしていると咲綾が次の駅で降りるよと言い降り立った。京浜駅でその駅は「テーマパークマリン」の最寄り駅で沢山の人が行き来していた。僕は嬉しかったがチケットを持ってないことを咲綾に伝えるとチケットを1枚僕に譲った。

僕と咲綾はチケットを見せて咲綾は僕の手を取り駆け足で普段は可憐でキレイなお姉さんな咲綾がその時はまるで無邪気な少女のような感じで咲綾が着ているスカートが靡かせて僕はいつも以上にドキドキしていた。

お土産屋に行ってカチューシャを2本買い付けてまず何に乗るか聞かれ、コーヒーカップに乗りぐるぐる回しすぎて僕は目まで回っていて終わった時には立ちくらみが程でベンチで少し休んだ。

次は何に乗ろうかと咲綾が言ったので観覧車に乗りたいと提案した。観覧車に向かうと長蛇の列が出来ており僕と咲綾は列に並んだ。案内人からどうぞと言われて僕と咲綾は観覧車に乗った。

咲綾は僕にどうして観覧車に乗りたかったのか聞いてきたので僕は好きな人が出来たら観覧車に乗って隣で手を繋いで一緒に景色をみたいなって思ってさと言うと咲綾は僕の目を見て微笑み琢磨かわいい夢だね。

まさか私がその夢を叶えてあげるとは思わなかった。そして観覧車は頂上に近づき咲綾は僕に目を瞑るように言われて瞼を閉じた。咲綾は僕の頬に軽くキスをし、思わず僕は咲綾に今キスをしたと尋ねるとしたよ、私がまさかキスするとは思わなかったでしょと言うと僕はどうしてそう思うのかと聞くとだって琢磨顔真っ赤になってるよ、素直でかわいいねと携帯で写真を撮った。

観覧車を降り僕はお腹が鳴り、咲綾はお昼ご飯食べようかと言いお店に入った。僕はハンバーガー、咲綾はサンドウィッチを食べて次は何に乗ろうかと話していた。

咲綾はジェットコースターに乗りたいと言い僕はあまり得意ではなかったが列に並んだ。近づくに連れて僕は足が震えてきて咲綾は足震えてるけど大丈夫と聞いてきて強がって大丈夫だと言うと引き返すなら今だよとすごい心配していた。

ジェットコースターに乗り山に登り途中、SFのような世界観を見ているとすっと落下し止まって景色を見たいのに落下の繰り返しで残念で咲綾は僕にゴール手前でカメラがあるからポーズを取ろうといい2人でハートマークをしたが僕の顔は引きつって青ざめていた。

ジェットコースターを降り写真を見て僕は思わずこの写真を買うかと聞くともっといい写真撮ろうとなりジェットコースターの写真は買わなかった。

次は何を乗ろうかと歩いていると写真映えするようなチュロスが売っていて2本買ってベンチに座り食べていた。

僕はせっかく来たなら色々見て乗りたいなと思うものがあれば乗る感じにするのはどうかと提案すると咲綾は頷いた。僕と咲綾は歩きお土産屋を見つけてお土産を買いに行きたいとお店に入った。

僕は家族の分と自分の記念として何か買おうと思っていたら咲綾は僕に美華ちゃんや藍ちゃんにお土産を買っていかないのと言われキーホルダーを買うことにした。

買い物を終えた僕は咲綾に外で待っていると伝えて外に出た。すぐに咲綾は出てくるだろうと思っていた僕は気がついたら2時間外で待っていた。

咲綾は大量のお土産をもって出てきていくら使ったのか聞くとクレジットカードで支払ったから分からないと言い思わず僕はクレジットカードは便利だけどちゃんと見ないと後ですごい金額の請求来るから気をつけないといけないと一喝した。

僕はお腹が痛くなりお手洗いに行きたいと伝えて咲綾に待ってもらっていた。10分後、僕はお手洗いから出ると咲綾の姿はなかった。僕はあれどこに行ったんだろうと探していると咲綾はチンピラに絡まれていた。

その姿を見て僕はチンピラから助けようと行き、チンピラは僕に色々言っていて話し合いをしても折り合いがつかないと思い僕は咲綾の腕をつかみ走って近くの飲食店に逃げ込んだ。走り疲れたので僕と咲綾は飲み物を飲んで一服していた。

僕は咲綾に怖い思いをさせてゴメンねと言うと怖かったけど助けに来てくれて嬉しかったよありがとう。

僕は時計を見ると午後7時でそろそろ帰ろうかと提案し、ご飯は秋に行ったイタリアンで食事することにした。

港南駅に戻ると近くにイルミネーションが点灯されていて2人で見てキレイだねと言い合っていた。

イタリアンのお店に向かい僕はカルボナーラ、咲綾はペペロンチーノを注文した。

待っている間僕は咲綾に予め用意していた手編みのセーターを渡すとこのセーターかわいいねとすごい喜んでくれた。テーブルにカルボナーラとペペロンチーノが届き食べ、僕に質問した。

咲綾は琢磨君が選んでくれたのか聞かれた。

僕は何を渡したらいいか分からなくてショッピングモールで色々探してたらみなみさんに会ってこのセーター買ったよ、暖かそうだから寒い日に着るねと言って外を見ると小雪が舞っていた。

僕は会計を済ませ外に出ると思ってた以上に寒く僕もセーターを着ることにして咲綾は帰ろうとしていたので僕は家に誰もいないから家に来ないかと招待した。

家の中ではテレビゲームを一緒にしてくれる様子は彼女というよりも優しいお姉ちゃんでクイズゲームやアクションゲームなどやっていた。

すると僕はお腹が鳴った。どうしてデートしている時ばかりお腹が鳴るのかと自分を怒りたい気持ちだった。咲綾はゲームでやってちょっと小腹空いたね。

2人でスーパーにケーキの材料を買いに行って再び家に戻った。僕は出来もしないのにケーキを作るよ。

咲綾は琢磨君、ケーキ作れるの?

ゴメン、ケーキ作ったことないけれど見栄を張りたくてつい作るって言っちゃった。

そんな見栄を張らなくていいよ。私1人で作ってもいいし、一緒に作ってもいいしどうする?

足でまといになったらいけないから咲綾に任せてもいいかな?

最初からケーキ作って欲しいからお願いって言ってくれればよかったのに。もっと私に甘えていいよ。

僕は嬉しい気持ちだったがいつも甘えてばかりなのにこれ以上甘えていいものなのかと考えていた。

咲綾はケーキを作りつつ出来るまでの間にソファーに座ってお互いの顔を見合っていた。今までも甘えているのにこれ以上甘えたら迷惑じゃない?

琢磨君そんなこと気にしているの?お互いに甘え合うような関係性になろうよ。もしかして私じゃあ甘えるのも甘えられるのもイヤ?

そんな事ないよ。でも甘えてばかりいるし……。

じゃあたまには私が甘えたいな。

うん、いいよ。どうしたらいい?

琢磨君、膝枕したいな。僕の膝に咲綾の頭がある。嬉しいが胸の鼓動が止まらない。好きな彼女に甘えられるとこうなるのか頭をどかしたい気もするがずっとこの状態でいたいという気持ちで揺らいでいた。

温めていた電子レンジが鳴って咲綾はちょっとケーキ取ってくるねと頭を上げた。嬉しいような悲しいような気もしていたが僕の膝にずっと頭がある状態ではケーキを取りに行くことが出来ない。

焼きあがったケーキを咲綾は半分に切り分けた。

僕はねぇ咲綾、食べさせて。

「アーン」

自分で食べるのと大好きな彼女に食べさせて貰うのとでは美味しさが増すように気がする。僕はなんて幸せ者なのか、ケーキを食べ終わったあとに咲綾の手を強く握った。

琢磨君、手を強く握りすぎだよ。何かあった?

何かあったというよりもこんな優しくてかわいい彼女を手放したくないと思ったらつい強く握っちゃって。痛かったね、ゴメンね。

琢磨君の愛が伝わったよ。手放したくないっていうことかわいいね。そうだ、今日は一緒にお風呂はいらない?

僕は入りたい気持ちが満々だった。それは彼女と入れることと1人の男として嬉しい気持ちがあったが今度ゆっくり入ろうと断ってしまい先に入った。

そうは言ったものの咲綾が途中で入ってこないかなと淡い気持ちでいたがずっと入っていて逆上せそうになり、お風呂から出ることにした。

入れ替わるように咲綾がお風呂に入り、僕はテレビを見ていた。一体何をしているのか。彼女からお風呂に入ろうと言ってくれたのにも関わらず断ってしまったことに後悔をしていた。

1時間後、咲綾はお風呂から出てきて一緒にテレビを見ていた。しばらくすると僕は欠伸が出ると咲綾は一緒に寝ようと提案した。

これは男として断ってはいけないと思い一緒に寝ることにした。

僕は手を握り咲綾と話しているといつの間にか寝てしまっていた。翌朝、咲綾に起こされて写真を見せられた。

その写真は僕の寝顔で口を開けてヨダレを垂らしている姿で恥ずかしさを感じていた。僕は咲綾にこの姿を見てどう思った?

琢磨君が私に心を許してくれていると思って嬉しくもあり、かわいいなって思ったよ。

僕は咲綾の彼氏としてどうなのかと自問自答していた。


お土産を渡しに行く

僕は美華と藍、咲綾は演劇部や他の友人等にテーマパークでのお土産をそれぞれ渡しに行った。

僕は夕方に近くの公園に美華と藍を呼び出した。

美華と藍は僕に急に呼び出してどうしたのと聞くとテーマパーク行ったからキーホルダーを買ってきたからと美華と藍に渡すと美華は誰と行ったのか聞いてきたのでクリスマスの日、咲綾と行ったと言うと2人でのデート楽しかったと聞くと途中で咲綾がチンピラに絡まれた時は焦ったね。

藍はその時、琢磨君はどうしたのと聞くと俺はチンピラと色々話し合って折り合いがつかない感じだったから咲綾の腕を掴み走って飲食店に逃げ込んだよ。あの時は焦ったけど色々なアトラクション乗って楽しかったよ。美華は琢磨君男らしいね、その日は他にどうしたのと聞くと僕はなんでデートを事細かく言わないといけないんだよ、港南駅近くのイタリアンのお店行って外見たら小雪が舞って、事前に買ったセーターをペアルックのような感じで着たよ。楽しそうな1日だったんだね、理想のカップルだなと美華は言うと藍も頷いた。

一方その頃咲綾は演劇部の部室にいた。咲綾はテーマパークで購入したクッキーをみんなで食べていてクリスマスデートはどうだったのかを聞かれ、咲綾は言葉巧みに交わしていた。

その後バイキング店に移動していた。僕は美華や藍と話していると咲綾から電話がかかってきてたまげきの近くにあるバイキング店にいるから来て欲しいと呼び出された。

美華は誰から電話だったのか聞くと咲綾から電話でたまげき近くのバイキング店に来て欲しいって言われたから今から行くねと言うと面白そうだから私たちもついて行くと何故か美華と藍も一緒に来ることになった。

電話を受けて20分後言われたバイキング店に着き咲綾たちがいる席に着いた。

僕は今回も質問攻めに備えてお皿一杯にご飯や唐揚げや焼きそばそしてサラダを敷き詰めた。席に戻るとやはり質問の嵐で美琴は琢磨君と会うの初めてだから色々聞くけど、琢磨君と咲綾はどういう関係なのと聞かれ、僕は交際してますと答えた。

2人はどこに出かけたのかと問われてカフェや紅葉狩りに行ってクリスマスの日には2人でテーマパークに行きましたと言った。テーマパーク行ったあとはどこに行ったのか聞かれると2人の最寄り駅で食事をして僕の家で泊まりました。

その夜2人でどうしたのかと根掘り葉掘り聞かれあの日はテレビゲームして咲綾の手作りのケーキを一緒に食べて僕がお風呂に入って出たらソファーで寝てたので僕の部屋に運び寝てました。

僕が隣にいると思ったのかその時、咲綾はアヒル口して僕の手を必死に探してて可愛かったですと言った。それを聞いていたみなみに琢磨君はどこで寝たのかと聞かれて和室で布団を敷いて寝ましたと答えた。

そうするとみなみは琢磨君優しいのは大事だけどもっとアグレッシブにいかないとダメだよ、と言ってもその時の状況にもよるから一概には言えないけどね。

美琴は咲綾と琢磨君はちゃんとカップルらしいことしてるんだね、咲綾は面倒見いいから琢磨君のことすごい可愛がりそうな感じがするよと微笑んだ。咲綾は僕や宮城、狩野のテスト勉強を見てもらっててすごい分かりやすく丁寧に説明してくれてホント面倒見がよくて優しいなと思いました。

美琴は咲綾に練習休みの日に先に帰るって言ってたのは高校生達に勉強教えてたんだ、よし咲綾今度私に勉強に教えてもらおうと言うと咲綾は美琴は私より勉強出来るから教えることなんてないと笑っていた。

僕と咲綾についての話をずっとしていて僕と咲綾は終電の電車に乗って一緒に帰った。

電車の中で僕は咲綾に部活でいつも2人のことについて話してるのかと聞くと話すこともないのに根掘り葉掘り聞かれると俺も美華や藍に聞かれるから気持ち分かるよ、逆に咲綾が今度他の人の恋愛観について根掘り葉掘り聞いてみたらいいとアドバイスをして咲綾は頷いた。

明日朝練あるからもうちょっと早く帰りたかったなと呟くと咲綾は遅くまでゴメンね、でも女の子が集まるとみんなお喋り好きだから長々と話しちゃうんだよ。

これから今日みたいなことがあったら私が琢磨用事あるのか聞いて先に帰れるような雰囲気作るようにするもんでさ。

僕は咲綾気を使わちゃってゴメンね。

咲綾はその時の状況にもよるからなんとも言えないけどお互いがお互いのことを思ってすることが大切だからねと優しい言葉を述べた。


美琴さんから連絡

僕の携帯にある人から連絡が来た。相手は美琴さんだった。

琢磨君、この前のクリスマスデートどうだった?

美琴さん、この前は喫茶店で相談に乗ってもらってご馳走にもなってありがとうございました。

あの後色々と考えていましたが咲綾がデートプラン考えていてくれたみたいでその通りに動きました。

そっか、咲綾は行動力あるしホント優しいお姉ちゃんみたいな感じだよね。

美琴さん、お電話しているので相談に乗ってもらってもいいですか?

私でよければ相談に乗ってあげるよ。

咲綾は優しいし大切な彼女ですが正直、咲綾は僕のこと彼氏として見ているのかなって……。

どうしてそう思うの?

いつも甘えているのにもっと甘えなよって優しく言ってくれて甘えさせてあげなきゃいけないのにどうなのかなって。例えるならば優しいお姉ちゃんに甘えている弟のようで彼氏彼女というより仲のいい姉弟のような感じで……。

琢磨君が咲綾にもっと甘えて欲しい気持ちも分かるけれど女の子の中には自分が甘えるよりも甘えられる方が好きな子もいるからね。特に琢磨君の場合は歳下でかわいくて仕方ないのかなって思うよ。変に自分がリードしなきゃって思いすぎないでありのままでいる方がいいと思うよ。琢磨君は甘えてばかりって言うけれど具体的にどんな感じ?

僕は咲綾のことが大好きでいつでもどこても手を繋いでいたくてクリスマスの日、家に来てゲームしてケーキ食べてその後に咲綾を手放したくないと思って強く手を握ったせいで手が痛いって怒られました。

琢磨君、ホント咲綾のことが好きってことが伝わるよ。咲綾のことを大事にしないと私も怒るよ。

もちろんです。何かあれば身を呈して守ります。

なんか琢磨君と咲綾の話を聞いていたらキュンキュンしてきた、私も恋愛したいな。今から出かけるからまた何かあればいつでも電話かけてきてね。

僕は美琴さんありがとうございますと言って電話を切った。


春季大会に向けて

年が明けて僕は春季大会出場するために練習をし、家に帰り自主練と走り込みをした。部内でタイムを計ることになり走ってみるとベストタイムからするとタイムが伸びずにいた。藍は僕を体育館裏に呼び出した。

私こんなこと言うつもりなかったけど琢磨君咲綾さんと交際して陸上よりも咲綾さん優先の生活になってないかと聞いてきて思わずそんな訳ない、どれだけ遅くなっても自分で決めた距離を毎日走ってるからよ。

なんでそんなことを狩野に言われなきゃいけないんだと藍は正論を言ってるものの強い口調で当たってしまった。

そして藍は泣いて部活の途中で帰ってしまった。僕は練習に戻るとコーチに狩野はどうしたのか聞かれ咄嗟に体調不良で帰りましたと答えた。

練習後コーチに一連の流れを説明するとコーチはお前の気持ちも分かるけど感情的になって女の子を泣かせるのはよくない。今日はメールか電話で謝って後日詫びに何か渡した方がいいとアドバイスをされた。

僕は藍に今日は正論を言われてつい感情的になってゴメンね、メールを送ると藍から返信が来て琢磨君は実力があるし結果を残せると思ったからつい陸上よりも咲綾さんを優先の生活なんて言って琢磨君にも咲綾さんにも失礼なことを言ってしまって私こそゴメンねと返信が来て自分のためにも見に来てくれている人のためにも頑張ると改めて誓った。

そして僕は咲綾に春季大会たまげきの近くの陸上競技場でやるから見に来て欲しいと一通メールを送った。

春季大会、僕は藍からの叱咤激励もありベストタイムに近い状態で迎えた。春季大会の会場はたまげきの近くにある陸上部競技場で行われることになっている。ウォーミングアップをしているとスタンドから咲綾の声が聞こえ、美華や演劇部のメンバーが応援に駆けつけていた。

僕は100メートルに出場し立ち位置につき号砲とともに走り出し結果はベストタイムに僅か0.1秒及ばず4位で上位3人は僕より圧倒的な速さでゴールし、1位の選手は春季大会の新記録を更新していて僕は脱帽するしかなかった。

そしてリレーにも出場し僕らは僅差で蒲元学園は3位で表彰台に立つことが出来た。

アイシングを終えて帰ろうとした。

咲綾にお疲れ様と労いの言葉をかけてもらいみんなでご飯食べに行くからと誘われ行く?

僕は悩み渋々行くことにした。

咲綾、演劇部のメンバー、美華、藍から労いの言葉をもらってみんな琢磨君速かったね、カッコよかったよと言うとマネージャーの藍は琢磨君この春季大会に向けて必死に頑張ってきた賜物ですと言うとこれも皆さんが応援してくれたおかげですと言うと何故か頭を撫でられると僕は顔が赤くなって微笑むとかわいいなとまた頭を撫でられた。

ご飯食べたし今日はお開きにしようと言われ僕はあっけにとられ思わず僕達のこと聞かなくていいのかと自分から言ってしまい美琴はそんな毎回毎回聞いてもそんなにネタないと思うし2人が可哀想かなって思ってさ。

最後の大会お時間があればみなさん見に来てもらえたら嬉しいですと言うと咲綾から聞くから日程分かったらまた教えてねと言われて分かりましたと答えた。


高みを目指して

この前の大会で悔しい思いをした僕はこのままではダメだと思い1人でトラックを走っていた。マネージャーの狩野がもう遅いから今日は帰ろうと声をかけた。だが僕はもう1周したら帰ると走っていると狩野は僕の前に立って静止した。

狩野何するの?今走っているところなのに。

琢磨君が陸上選手ならば私は無謀に走る選手を静止するのが仕事だよ。今日はもうダウンして帰ろう。

僕はまだ走りたいない気がしていたがマネージャーの狩野に止められて家に帰った。

狩野と一緒に帰っている時に今日はもう走っちゃダメだよ。言っておかないと公園とかで歌うかも知れないかね。

僕は思わず信用されていないね。

走るのが好きなのか記録を伸ばしたいのか分からないけれど琢磨君は止めないとどれだけでも走り続けるからね。まぁその姿にキュンとする時もあるけどね。

狩野の気持ちに応えることは出来なくてゴメンね。

琢磨君が咲綾さんのことが好きなのは分かっているよ。

練習は大事だが自己管理しないとマネージャーの狩野に怒られると思った1日だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る