久しぶりの再開

偶然の遭遇

僕は世界陸上に出場するため渡米した。僕たち日本はアメリカのルーズベルト空港に昼頃着くと咲綾さんが来てくれて僕に声をかけてくれた。ホントは少しでも2人で話せたらいいなと思っていたがチームの輪を乱すことは出来ず試合後に会おうと考えていた。そして日本代表一同は1度ホテルで休養を取り、夕方から2時間練習を行い、翌日の開会式にの1時間前に集まるように言われた。

ホテルに戻ろうとしたら宮城から電話があり、藍ちゃんと2人でいるからどこかで会おうと言われた。

とりあえずルーズベルト国際空港の近くにいたため、空港に来て欲しいと伝えて電話を切ってロビーで待っていた。

僕は日本の空港も大きいがアメリカの空港は広くて迷子になりそうな気がしていた。目印を探していると銀時計があり、何かあればここを目印に来てもらえればいいなと感じていた。

宮城から電話がかかってきてどこにいるかと聞かれ、銀時計の近くにいると伝えて2人と合流をした。

僕は2人に何を食べたいか尋ねるとなんでもいいと言われ、ソウルフード的な物を食べたいなと思っていたがお腹を壊しては元も子もないと思い日本食にしようと提案した。

空港内にある日本食レストランに向かい3人で食べて帰ろうとロビーに戻ろうとしたら温泉を見つけて藍は温泉に入りたいと僕と美華に入りたいと訴えた。

1時間後に待ち合わせをして宮城と狩野は女湯、僕は男湯にそれぞれ温泉に浸かっていた。日本から十数時間、飛行機に揺られて疲れが吹っ飛びそうな気がして温泉に癒されて温泉から上がった。

僕は2人を待っている間、牛乳を飲んでいると宮城と狩野がやってきて忙しいのに琢磨君今日はありがとうと言って僕は空港近くのホテルを案内してから日本代表の泊まるホテルに向かっていった。


ダメ元

僕はダメ元で咲綾に急で悪いけどもしよかったら今晩食事どう?とメールを送った。携帯が鳴り、確認すると咲綾から電話がかかってきた。

「まだご飯食べてないから大丈夫。空港の近くのお店知ってるからそこでもいい?」

そして僕はひとまず空港に行き咲綾さんを待っていた。外で5分程待っていたら咲綾さんがやって来てお店に向かった。お店に行く道中お互いにそれまで何があったのか話し合いをしているとハンバーグレストランのお店に到着した。

メニューを見ると全て英語で書いてあり英語の綴りが分かったのはチーズハンバーグにして咲綾さんはデミグラスハンバーグでメニューを決めて咲綾さんは呼鈴を鳴らした。

僕はあまり英語が得意ではなく店員さんに上手く伝わるか心配で咄嗟に咲綾さんに耳元で「申し訳ないけど伝わるか心配だから代わりに注文して欲しい」

咲綾さんは嫌な顔をせず頷いた。ウェイトレスがやって来て咲綾さんは流暢な英語で注文していた。咲綾さんは琢磨君英語苦手だったんだね。私が日本に帰ってきた時英語教えてあげると言うと僕は是非ともお願いしますと言った。

そしてテーブルにハンバーグが運ばれてきて食事をし明日早いからそろそろお店出るねと言い咲綾さんは終わったらまた会おうねと言って咲綾さんは会計をした。


開幕

日本代表は開会式に向かい、テレビ放映もされており

開会式が終わり携帯を開くと1通メールが届いた。

「藍から美華ちゃんと一緒にアメリカに来てるよ、終わったら会おうね、咲綾さんにも挨拶したいな」

時間が迫りウォーミングアップを済まし、スタートラインに8人が並び、号砲が鳴る。やはり世界の壁は厚かった。琢磨は8人中5位でゴールした。琢磨は1位になれなくて悔しいというより世界の精鋭達と共に走れたことが陸上をしているものとして誇りに思い、そして一生の財産になると思った。そしてリレーメンバーには選ばれなかった僕は日本を応援して日本は3位銅メダルを獲得した。

世界陸上の模様はネットニュースで速報として「世界陸上、メドレーで銅メダル獲得」と掲載されていた。関連ニュースとして個人の記録としてそれぞれのメンバー、早本琢磨5位「早本5位健闘。オリンピック出場も」コーチからそのニュースを見て僕に伝えてくれた。僕はオリンピック、そして次の世界陸上出られるようにしたいと考えた。

次の日1日フリーで藍と美華が咲綾さんに紹介して欲しいと言われたので咲綾さんに「明日時間ありますか?あるなら紹介して欲しいって言う人がいるから10時に空港に来て欲しいです」メールを送ると咲綾さんから分かったと返信が来た。藍と美華にも「明日咲綾さんが来てくれるみたいだから10時に空港に来て欲しい」とメールを送りモーニングコールを頼み眠りに着いた。


初めての紹介

僕は空港で咲綾さんや藍、美華を待っていた。

そして美華と藍が一緒に来て遅れて5分咲綾さんがやってきた。4人は無事に合流して咲綾はひとまず近くのカフェに行くように促した。そして僕はブレンドコーヒー、美華はカフェオレ、藍はミルクティーをそれぞれ注文した。

席に着き、改めて咲綾さんに紹介するね。ロングヘアーなのが宮城美華、そしてショートヘアなのが狩野藍ですと伝えた。

美華は先日少しお話させてもらいましたがもう少し仲良くしてもらえたらと思い今回琢磨君にお願いしました。

そして藍も映画館で琢磨君の隣にキレイな女性がいて今アメリカにいらっしゃると聞いて帰ってきた時に機会があればご挨拶したいなと思いました。

そして咲綾さんは僕にこんなかわいい女の子の友達がいるなんて羨ましいねと言った。

美華と藍は咲綾さんに私たち琢磨君に好意を伝えたのですが今気になる人がいるからダメだと言われてしまった。

咲綾さんは僕にこんなかわいい女の子と交際しないって勿体ないよ。ねぇ琢磨君の気になる人って誰?僕は帰ってから咲綾さんと2人の時に交際を申込もうとしたが疑わ続けられるのもイヤだった。

僕は再度咲綾さんに「僕は咲綾さんのことが大好きです。交際お願いします」

思いを伝えると後1ヶ月で日本に帰るし交際をすることが決まった。

その場にいた美華と藍は手を叩き何故か泣いていた。

藍は咲綾にあのことを伝えた。

琢磨君と同じ高校でカフェや喫茶店で会って一緒にパフェを食べていましたがその時に女の子と何を喋ればいいか分からない。私は陸上部のマネージャーで陸上部の時は普通に喋るのにブライベートになったらしどろもどろになるのでどうしてなのか聞いたらプライベートだと何を喋ったらいいか分からないって言ってました。

僕は思わず狩野、そんなことわざわざ咲綾さんの前で言わないでよ。

咲綾さんは琢磨君照れていてかわいい。何を喋ればいいか分からないってウブでいいと思うよ。浮気して女の子を泣かせるような男の子よりよっぽどいいと思うよ。

カフェを後にして4人でショッピングやアメリカの有名な場所を咲綾さんが案内してくれて4人で写真撮影をした。1日があっという間に時間が過ぎ琢磨が帰る前に美華と藍は先に日本に帰るということで空港に見送りに行った。そして咲綾さんに明日朝早く日本帰るから今日はもうホテルに戻るねと伝えた。


帰国

世界陸上を終えた僕たち日本代表は解散式を行い、空港に行くと日本から来たファンだけでなく現地のアメリカの人からも「カンドウヲアリガトウ」と横断幕や日の丸の旗を振ってくれる人までいて飛行機の中で僕たち日本代表は感動して泣いていた。そしてアメリカを経ち13時間後久しぶりに日本に着くと感動をありがとうと黄色い声援を受けてこんなにも沢山の人に応援させていたんだなと気づいた。家に帰り久しぶりの家族で食事をするなど一家団欒していた。携帯が鳴り、メールを見ると咲綾からで明日の昼ごろ日本に着くよと送られてきた。僕は飛行機の到着の時間を調べ空港に向かった。


到着

僕は咲綾が到着する1時間前に空港に着き、近くにあるショッピングモールで飛行機が来るのを待っていた。到着する時間になり到着ロビーで待っていると手を振り僕の名前を呼ぶ声がする。

僕は咲綾に留学お疲れ様と言うと荷物を持ち電車で港南駅へと向かった。電車の中で僕は咲綾にフライト疲れたと思うから寝てもいいよと言うと今寝ると時差ボケで調子悪くなるから電車の中で話そうと言ったので話すことにした。

僕は咲綾に留学はどうだったのか聞くと初めの1ヶ月ぐらいは言葉や文化に慣れるの大変だったけど徐々に慣れてきて一昨日はもう日本に帰らなきゃ行けないのかって思うぐらい寂しい溶け込んでたしホームステイ先の家族もまるで自分の家族かの様に可愛がってくれてパーティーまで開いてくれたんだよ。

僕はその話を聞いて充実していたんだなと思っていたら咲綾はアメリカで美華、藍と4人で会ったことを話し始めた。琢磨君この前、美華ちゃんや藍ちゃんの前で好きって言ってくれるとは思わなかった。

咲綾がアメリカから帰ってきてから紹介するって言ってたけど世界陸上に選ばれて俺がアメリカに行くことになったからそれなら紹介しようって思ったけど急にゴメンねと言うと私がアメリカにいる間に美華ちゃんや藍ちゃんと交際したいと思わなかったの?

僕は宮城にも狩野にも交際して欲しいって言われたけど俺は咲綾と交際したいと思ってたから断ったよ。僕はそれこそ咲綾こそ留学先で向こうのイケメンと交際したり色恋はなかったの?って聞くとそれ思ったけど意外とイケメンがいなくてさ…琢磨がいる時の方が落ち着くからさと言った。

僕は色恋を期待してたのかいとツッコミを入れた。


テスト週間

僕の通う蒲本学園では赤点を取ると部活に参加することになっており部活に参加出来ないというのは困るので咲綾が空いてる時間に勉強を見てもらうことを考えた。

咲綾にメールを入れると明日なら授業早く終わるしアルバイトもないから大丈夫だよと言い夕方港南駅近くの図書館で集合することになった。

僕は学校が終わり急いで教室を出ようとしたら美華が呼び止めた。琢磨君急いでどこに行くの?と聞いてきたので僕は今から港南駅近くの図書館でテスト勉強するから先に帰るねと言うと私も図書館行って勉強教えてあげると言うとだいいち宮城方角逆でしょって言うと私が行ったらいけない理由でもあるわけ?美華は僕に問い詰めてきて美華が咲綾さんに勉強を教えてもらうのかと聞くと僕はそうだよと答えると2人の邪魔したらダメだね。

長い時間拘束してゴメン私先に帰るからと告げるととりあえず湯本町駅に向かい美華も図書館に行くことを許可した。

そして駅に着くと先に藍がいて結局3人で図書館に向かった。港南駅に当初の予定より15分遅れ着き、図書館に着くと咲綾は待っていた。琢磨遅かったけどどうしたの?って聞かれ宮城にどこに行くのかって尋問されて時間ばかり過ぎるから一緒に駅に向かって駅で狩野と会ったからどうせなら2人も連れてこようと思ったら遅くなっちゃってさ。

咲綾はこんな所で立ち話してる時間ないよ、みんな中に入って勉強するよと揉めている僕たち高校生3人を叱った。僕は咲綾に数学を教えてもらい、美華は藍に英語を教えていて美華も分からないところは聞こうと言うスタンスをしていた。

咲綾は僕に公式を細かく丁寧に教えてくれて問題を解いている間、美華は咲綾に英語の文法が分からず聞いて答えた。

藍は頷き、美華も改めて理解して思わず咲綾さん大学生ですねと言った。そうすると咲綾は僕たち3人にみんなは「教うるは学ぶの半ば」っていうことわざ知ってる?と聞くと3人とも何となく意味は分かりますがちゃんとした意味は分かりませんと言うと「教うるは学ぶの半ばって言うのはね、人に教えるってことは半分は自分の勉強になるってことだよ」だって私が分かってなかったらみんなに勉強教えてあげれないでしょと言うと確かにそうだなと頷いた。僕は咲綾に数学を教えてもらって少し出来るようになり、美華と藍は英語の文法を改めて知ることが出来た。咲綾は3人に成績が良くても悪くても私に教えて欲しいと伝え、3人は自分のため、部活のためもあるが自分たちのために時間を割いてくれた咲綾のためにも結果で応えたいと思った。


テスト

3人はそれぞれの思いでテスト期間3日間が始まった。僕は数学が苦手で分かる問題だけ解いて他の科目で点数を取ろうと考えていたが咲綾に教えてもらい少しずつだが分かるようになり数学を必死に答えた。他の科目も得意な化学だけでなく満遍なく勉強をしていた。美華はいつも成績がよくも悪くもなく平均でさらに上を目指して3日間勉強した。藍はこの3人の中で1番勉強が出来るものの英語以外は基本80点以上と高得点を取るもののどうしても苦手な英語が足を引っ張り美華や咲綾さんに教えてもらい少しでも点数を上げようと頑張っていた。

そして3人にとって短くて長い3日間が終わり、次の週それぞれの科目でテストの返却され始める。3人は全てのテストが返却されて9教科でクラス順位、学年順位、科目順位の成績表が3人の元に渡りそれぞれ勉強の成果がどれくらい反映されたのか確認し、後日咲綾に成績の報告をしようと話し合った。僕は宮城と狩野に咲綾にまた予定聞いて見せ合おうということになった。

僕は咲綾にテスト終わって3人の成績の報告をしたいから時間ある時教えて欲しいとメールを送った。

メールを送った2時間後に次の日曜日10時に港南駅のカフェで待ち合わせしようと返信が返ってきた。そのメールを受けて僕は美華と藍にメールを送り美華と藍から分かったと返信が返ってきて来た。

僕、美華、藍の3人はカフェの前で咲綾の到着を待っていた。遅れること10分咲綾はカフェに来て遅くなってゴメンねと言うとりあえず入りましょうと美華が言った。4人はお店に入り咲綾は3人に好きなもの頼んでいいよと言い、咲綾はミルクオレとサンドウィッチ、僕はブレンドコーヒーとドーナツ、美華はカフェラテとシフォンケーキ、藍はミルクココアとショートケーキを注文した。

4人は席に着き成績表を咲綾に見せた。咲綾は3人の成績を見て1人ずつコメントをした。

まずは琢磨、やっぱり他の科目が75点なのに比べて数学の点数が58点って低いねもう少し頑張った方がいいね。次は美華ちゃん、全教科70点と悪くないからもう少し要点を理解すれば80点以上は取れると思うよ。最後に藍ちゃん、90点が多いけど英語だけ70点って英語が苦手なのかなって感じるからテスト勉強する時英語に割く時間を増やした方がいいね。これで成績の話は終わり、3人とも3日間お疲れ様でした。3人はどこか行きたいところとかあるかと尋ねた。しばらく考え込み、僕はアミューズメント施設に行きたいと提案した。それを聞いた美華、藍、咲綾は賛同し4人は隣町にあるアミューズメント施設に向かった。

カラオケやボーリングをして気がついたら半日以上いてまだ明るかった空がすっかり陽が沈み夜になっていた。僕は4人で遊ぶのも楽しいが交際しているのだから2人でどこか出かけたいと思っていた。


木枯らし

季節が進み、暑い夏が終わりテレビを見ていると木枯らし一号が吹くとテレビでやっていた。

僕は冬が近づいているなと思っていたが秋になったらしたいことを考えていた。僕は咲綾に来週の土曜日予定を空けておいて欲しいとメールを送った。

メールの返信が返ってきて何時にどこで待ち合わせするのか聞かれたので少し早いけど9時に港南駅に集合したいと伝えた。

咲綾は短く分かったと言った。

土曜日港南駅に行くと咲綾が先に待っていた。今日はいつもと違う感じだねと言うとだって久しぶりに2人でデートだから気合いを入れてきたと言った。僕と咲綾はICカードをタッチし、電車を待っていた。

僕は2人で会うのいつ以来だろうね、宮城や狩野には困ったもんだよ。

咲綾は琢磨人気者だね、美華ちゃんや藍ちゃん実は琢磨のこと好きなのかもよと言うとアメリカであの2人の前で咲綾のことが好きで交際したいって言ったからないと思うよ。

咲綾はそれならいいけど浮気はしたら許さないからねと言ってきた。僕と咲綾は電車に揺られ2時間、秘境駅で有名な山河駅に降り立った。周りは川が流れ、自然豊かで見渡すと人がまばらで車通りも少なく咲綾はなぜこんなところに連れてこられたのかと思っていた。

咲綾は僕にどこ行くのか尋ねて来てもうすぐ着くよと伝えた。そして山河駅から歩いて10分かわいい佇まいのカフェに辿り着いた。

咲綾は思わずかわいいと言い、お店の中に入った。そして僕は店員さんに個室の奥の部屋が空いてるかと尋ねて空いてると言われ案内された。

咲綾は不思議そうな顔をして案内された席に向かった。

僕は咲綾に奥の席に座るように言い、窓の外を見るように伝えた。

咲綾は窓を見ると一面赤黄色に染まっており見とれてしまうほどキレイな光景だった。そしてメニュー表が運ばれてきて僕は咲綾にこのお店はパンケーキが有名だよ。

咲綾はパンケーキを頼み、僕はキャラメルラテを注文した。先にキャラメルラテが来て呑んでいた。

そしてパンケーキが運ばれてきてパンケーキの上にはウサギの絵が描かれていてそれを見た咲綾は思わず涙を流し、写真を撮影した。

僕は咲綾にこの景色とかわいいパンケーキを見せたくて内緒にしたかったらと伝えた。そして山河駅に戻り、咲綾は僕に次はどこに行こうか。

実はこの後行くところ決めてるんだと言うとまた現地着いてのお楽しみみたいな感じなのかと聞くと僕はさすが察しがいいね。

咲綾は楽しみにしてるねと微笑んだ。電車に乗り今度はどこに行くのか咲綾はワクワクしていた。そして駅に着いた。

その駅は港南駅で咲綾はもう帰るのと尋ねた。

港南駅の西口側に琢磨の家があり、東側が私咲綾の家がある。港南駅の西口側に行き裏路地に入るとオシャレなイタリアンのお店に着いた。

僕はマルゲリータピザ、咲綾はカルボナーラを注文した。

咲綾は僕に今日はデート楽しかったと言うと僕は喜んでもらえてよかった。沢山歩かせてゴメンねと言うとそのおかげで見ることの出来た光景もあるから嬉しかった。気づいたら2時間、咲綾は明日朝から授業があるから今日はもう帰るねとじゃあ駅まで送るねと言いお店を出た。

そして駅に着くとイルミネーションのライトアップをやっていて咲綾はまた感動して涙を流した。港南駅でこんな景色見られるとは思わなかった、

琢磨はこれを私に見せたかったのと聞くと冬本番になる前に好きな人と紅葉とイルミネーションを見るのが夢だったと言うと咲綾は僕をギュッと抱きしめて耳元でありがとうと囁いた。


カフェ巡り

僕は宮城と狩野からあの言葉を聞いて趣味にしようとしていた。

「男の子でもカフェ行くよ、スイーツ男子になつまたら?」

僕は咲綾に電話して尋ねた。

もしもし琢磨だけど咲綾今って時間ある?

うん、あるよ。琢磨君どうしたの?

咲綾ってスイーツ好きな男子ってどう思う?

最近スイーツ男子が流行っているくらいだからいいと思うよ。それが何かあった?

いや、前に宮城と狩野と3人でカフェに行ってかわいかったからもし咲綾がスイーツ好きならどうかなって思っていてさ。

私、スイーツ好きだよ。琢磨君も好きなの?好きな男の子とカフェに行くのが夢だったから琢磨君と一緒に行きたい。今度案内して欲しい。

こうして僕は咲綾とカフェデートすることになったがこの前お店の名前を覚えていない。とりあえず狩野にメールして聞くことにした。この前行ったカフェの名前ってなんだっけ?

藍から「カフェ うずいく」のこと?

僕はそうそうありがとうと返信した。

たがこれだけでは終わらなかった。藍はわざわざ聞いてくるってことは何かあったの?咲綾さんとデートするかと根掘り葉掘り聞かれた。

教えてもらって答えない訳にもいかず、僕はそうだよ。咲綾とデートする予定だよと答えた。

いつ行く予定?どんな格好をしていく予定なのか聞かれたがこの時は何も考えていなかったためまた決まり次第連絡するということしか言えなかった。

翌日、学校に行くと僕は宮城と狩野に呼び出された。

美華から今度咲綾さんとカフェデートするって聞いたけれどいつ行く予定なの?

まだ決まっていないと答えると部活後にアパレルショップに行こう。藍ちゃんは部活後に琢磨君を校門に連れてきてね。

カフェの次はアパレルショップで3人で行くっていいのだろうか?咲綾と交際している立場として宮城と狩野の2人を連れているところを咲綾に見られたら浮気だと間違われても言い訳など出来ない。断るべきか考えていた。

美華は咲綾さんに見られたら浮気だと間違われると思っている?ホント咲綾さん思いだね。もし咲綾さんに会って何言われたら私たちがデートコーディネートを考えているだけと答えるから心配しないで。

僕は部活後に3人でアパレルショップに向かった。

宮城と狩野は琢磨君どういう服が似合うかなと色々と見ていた。美華はこの半袖パーカーかわいい、琢磨君これ着てみて。

僕は言われるがまま着ると琢磨君似合っていてかわいい。これでもいいけれど他にどういうのが似合うかな。琢磨君は試着室で待っていて。

僕はまるで着せ替え人形のようになっていた。2人は色々な服を吟味して持ってきてかわいいと言っていて男なのにかわいい服を着てデートに行くのがいいのか2人に尋ねた。

2人はかわいいって言ってくれているけれどデートで彼氏がこういう格好で来たらどう思うかその着眼点で選別してほしいな。

美華は琢磨君に似合っているよ。私だったらこの格好で来たら似合っていてかわいいってなるよ。藍ちゃんはどう思う?

私もいいと思うよ。この前咲綾さんと会った時の雰囲気からしてこの半袖パーカーは似合うかなって思うよ。

僕はオシャレかと言われたらお世辞にもそうとは言えない。女の子がこれが似合うと言ってくれているならばきっと似合うのだろうと半袖パーカーを購入した。

家に帰って僕は咲綾に今日、服を買ったから今度着ていくね。カフェはいつ行ける?

いつでもいいよ。琢磨君はいつがいい?

僕は土曜日のお昼かな。部活終わって1度着替えてから行くから駅で待ち合わせでもいいかな?

うん、いいよ。じゃあ港南駅に午後1時に待ち合わせにしよう。

僕は心の中でガッツポーズをした。初めてではないとはいえ咲綾とデート出来ることは嬉しく何度デートしても慣れるということはない。

土曜日の練習では普段通りにしないと狩野に見透かされたらめんどくさいから黙っていようと決めた。

土曜日、練習の休憩中にマネージャーの狩野からいつデートするのか聞かれて黙っているつもりだったがボソッと今日の部活後だよと答えてしまった。

藍はだからいつも以上に走りがいいと思ったらそういうことだったわけね。デートも大事だけどちゃんと練習もしっかりするように促された。

練習後、僕は急いで家に帰ってシャワーを浴びてこの前買った半袖パーカーを着て港南駅に向かった。

時計を見ると30分前について咲綾を待っていた。

咲綾は花柄のワンピース姿で現れた。あれ?琢磨君早いね。その半袖パーカーかわいい。

僕は咲綾の手を繋いでカフェうぐいすに向かった。

僕はドキドキして目を合わせることが出来ずお腹が鳴った。琢磨君お昼ご飯食べた?

僕は咲綾とのデートが楽しみすぎてお昼ご飯食べるの忘れちゃった。

琢磨君お昼ご飯食べ忘れてまで私とのデートを楽しみにしてくれるって嬉しい。もうかわいいを通り越して愛おしく感じるよ。お店の中入ろうか。

2人でお店の中に入ると咲綾はお店の中を隈無くスマホで写真を撮ってどのメニューにするか目を輝かせていた。

咲綾はメニューを見て何をするか考えていてメロンパフェ、僕はお腹が空いていることもありタマゴサンドとイチゴスペシャルパフェを注文した。

僕はタマゴサンドを食べて少しお腹を満たされてパフェが届いた。

咲綾は僕のイチゴスペシャルパフェを見てかわいいとテンションが上がっていたので食べるか尋ねた。すると食べさせてとかわいいお強請ねだりをされてイチゴパフェを食べさせた。

琢磨君ありがとう。メロンパフェも食べてと口を開けるように言われて夢の「あーん」をしてもらった。

そしてイチゴパフェを食べていると口元にクリームが付いてしまっていた。琢磨君クリーム付いているよとティッシュで拭ってホント琢磨君かわいい。一緒にいると癒されるよ。大好き。

僕も咲綾のこと大好きだよ。こうやってカフェに来られて幸せ。2人でそんな話をしていた。

琢磨君、あれって美華ちゃんと藍ちゃんじゃない?

2人ともこっち来なよ。

宮城と狩野は僕たちのもとにやってきた。

こんな所で会うなんて奇遇だね。2人とも制服姿もかわいいけれど私服姿もかわいいね。

2人はありがとうございます。

僕は宮城と狩野はなんでここにいるのか尋ねた。

藍は邪魔にならないようにデートの様子を見ようと美華ちゃんを誘ったけれどもう帰るね。

咲綾はせっかくならば4人で話そうと提案した。2人でデートの予定だったのになと思いつつもここで宮城と狩野を追い出したら心象が悪くなると思い特に何も言わなかった。

咲綾は僕がデートを楽しみにしていてお昼ご飯を食べていなかったこと、パフェでクリームを付けていたことを宮城と狩野に話していてとても恥ずかしかった。

咲綾は僕とのデートを楽しんでくれているのだろうか。優しいから宮城や狩野を見かけたら話しかける姿は優しいお姉さんだなと思っていたが彼氏としてどうなのかなと感じていた。

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