第一章 レンパリアの千人槍 1
その度に、波打ち際の浜辺のように、ひ弱な
その
年頃は、十代半ば辺りだろうか。
風が
一見すれば、
四本足に、全身を
バルサルクが好んで乗る
伝説によれば、
だが、その
財と土地を持つ
この
二列横隊に並ぶ
「
波打つ
産業を持たないレンパリア地方では、土地を相続できない農家の子弟たちは、
メヌエブラの長弓団、フィニュッツアの山岳兵……似たような理由で、傭兵業を出稼ぎにする地方は各地にある。それらは、
「ライリィ
少年は、もう一度
季節は
涼しいはずなのに、少年の
「なんだ?」
甥の二度目の呼びかけに、前の方で
「俺は、槍の端に乗っかるだけで、いいんだよね……」
「ああ、練習した通りに動きゃいいだけだ」
素っ気ない
「レイツ、一二の三だ。一で俺たちが槍を
レイツと呼ばれた少年は、黙って
「ずしんと手応えを感じたら、すぐに後ろを向いて、5番て書かれた赤い旗の所まで走るんだ。そこが俺たちの退路だ」
「その後は?」
「仲間と一緒に、もっと安全な所まで移動。それで俺たちの仕事は終わりだ」
「怖かったら、三の合図まで目つむってろ」
初めての戦場で、いきなりバルサルクの突撃を迎え撃たねばならないのだ。目を閉じる方がよほど勇気がいる。
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