幻想英雄伝 白海の女王

風都水都

序文

エセシュメニカナ大陸。

かつてこの大陸には、巨大な大樹があったという。

一千年前の戦火により、その樹は焼け落ち、跡には不思議な地質と生態系を持つ「白海」という大地が誕生していた。


「白海」に住む、砂の民と呼ばれる人々。

その「白海」を囲うようにして割拠する幾百の都市と国。

これらは、「白海」に浮かぶ島に住まう、たった一人の女王によって統べられていた。


七年前、女王につかえる宰相は、反乱を起こし、彼女を幽閉してしまった。

だが、簒奪者となった宰相がもたらしたのは、暴政ではなく、歴代女王による「白海の航行制限」の解除と、それによって生まれた大陸の繁栄であった。

女王への忠誠を取って女王の復権を望むか、それとも宰相によってもたらされた繁栄の道を進むか・・・。

砂の民の他、上は王侯貴族、下は無産者に至るまで、エセシュメニカナの人心は選択を迫られつつあった。


※作者注 時系列を合わせる為、四章目の「レンパリアの千人槍」を一章目に移動しました。2020/12/30

(いずれ、話を『復権派視点』『宰相派視点』の二つに分け、書き直そうかと考え中です。)


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