第2話 貪る躯

オーガストが らんぼうに ぼくの ふくを はぎとる。いつもは やさしく ひとつひとつ はずしてくれた ボタンも きょうは ひきちぎるみたいに はずされて ぼくは こわいのと かなしいのと びっくりしたので なんだか なみだが うかんできた。


「うっ……ひっく う……」

「何怯えてんだよ。『食われていい』ってのは嘘か」


うそじゃない うそじゃないけど。


どうしよう ぽろぽろ なみだが でる。けれど オーガストは ぼくの りょううでを がっちり つかんだまま はなさなかった。


あしは かたかた ふるえて ちからが はいらない。オーガスト やだ そんなところ なめちゃ いやだ。


「あっ」


ぴくん と からだがはねて なんだか へんな こえが でた。


「もっと声出せよ」


やだ こんなこえ ぼくじゃないみたいで はずかしいよ。


めを ぎゅっと とじて がまんしてたら オーガストが ぼくの からだを かんだ。


「やっ」

「感じてんだろ?」


ぼくは ぷるぷる くびを よこにふった。

こわい。

こわいよ オーグ。


オーガストは ぼくに かまわないで また ぼくの むねの さきを かんだ。なんだか からだが びくびく する。

それから オーガストは ぼくの ズボンの なかに てを すべりこませた。あしの うちがわを なでられて せなかが ぞくっとした。


「んんっ」


かおを そむけたら また ぽろって なみだが こぼれた。オーガストは ぼくを なめながら ぼくの あしのあいだを なであげている。そうして きゅっと ぼくの おちんちんを にぎりしめた。


「やだ そんなとこ いじっちゃ いやだ」


けれど オーガストは ぼくの おねがいなんて きこえなかったみたいに なんども なんども おちんちんを こすりあげた。なんか へんだよ。あつい。こわい。

たすけて オーグ! でちゃう なんか でちゃう!


「いやぁっ! ……っあ……はぁ……」


どうしよう ぼく ぼく へんなんだ! だって おちんちんから おしっこじゃないのが でてきた! 


オーガストは かたかた ふるえる ぼくを みおろして フンと はなで わらった。


「いやらしい声出しやがって」


いわれて ぼくは あわてて りょうてで くちを ふさいだ。けれど すぐに そのてを はずされて また いたいくらい つよく したを からめられた。


「……うっ ひっく ひっ……」


もうやだ やめて おねがいだよ オーガスト。そう おもってるのに こわくて こえが でない。


すると オーガストは こんどは ぼくを ころり ころがして うつぶせにした。ぼく こんどは なに されちゃうの? 


オーガストは だまったまま ぼくの おしりを たかく あげさせた。それから ぼくから でた へんなのを ぼくの おしりに ぬりつけた。オーガストの ゆびが ぼくの おしりに はいってきて ぼくは とびあがりそうに なった。


「や やだ オーグ そんなとこ きたないよ」


やだって いったのに オーガストは ゆびを だしたり いれたり なんども なんども くりかえした。ぼくは いたくて はずかしくて ずっと シーツに かおをくっつけて オーガストに かおを みられないように していた。


「……っ、いくぜ」


あつくて かたい なにかが ぼくの おしりに ぴったり くっついた。なんだろうと おもって ちょっとだけ かおを あげたとたん それが ぼくの おしりに はいってきた。


「いたい いたい! やだ いたいよ オーグ! オーグ!」


「……もっと俺の名前呼べよ」


「オーグ。オーグ オーグ オーグ……」


いわれるとおり なんども なんども なまえを よんだ。


からだが さけちゃうかと おもうほど いたくて でも ふりかえってみた オーガストは ぼくより もっと つらそうな かおを してて だから ぼくは ずっと オーガストの なまえを よびつづけた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る