第2話 友達?できました

前回イアン様が来てから4日後。2日前にもイアン様が来ていた。そして今も来ている。


「あの、頻繁に来てくださってますが大丈夫ですか?忙しいなら無理に来てくださらなくても…」


「えぇ大丈夫です。やるべき事は片付けてきていますから」


本当に大丈夫なんだろうか。私がいつもこの質問をすると決まってこの言葉が返ってきていた。


「それとも来るのは迷惑でしたか?」


幼いながらに整った顔で困ったような顔をされたら凄い罪悪感がある…ましてや悪気があったわけではないのに…私が話相手になってって言ったから来ているわけだからね。


「いえ全然!むしろ楽しかったです!本当に暇をしていたのでイアン様のお話を聞かせていただいて楽しかったです!」


「それは良かったです。もしよろしければこれからも来てもいいですか?」


「イアン様がそれでよろしいならいつでも来てください。お待ちしております」


こうして私はこの世界で初めてのお友達?を手に入れたのであった。


イアン様が帰り私はそのままベッドに横になった。

仲良くしてくれる人は出来たけどこれからどうしようかな、前世の時は庶民だったからこの生活にもなれないし、ましてや社交界なんかにも行きたくないよ…前世でも友達もあまり出来なかったし。

私はコミュニケーション能力が足りないただのオタクなんだよ!

はぁまさか異世界転生するなんて思いもしなかったよ。はまっていた漫画の結末はどうなったんだろう、それに夜更かしまでしてやっていた乙女ゲームの続きをしたかったなぁ。

あの時に遅くまでやっていなければ良かった。攻略が難しいキャラがいて中々クリアが出来ずムキになってしていた。

そのキャラは王子様だった。小さい頃から周りに媚びを売られ、期待されまくった王子はすっかり捻くれてしまい、人をあまり信じなくなっていった。だから好感度が上がりにくく、出会えるイベントなども少なく攻略しづらかった。それに婚約者の悪役令嬢の妨害もあったし。確か名前はイアン・アレク。うん?イアン?あれ?これ、もしかして私がやっていた乙女ゲームの世界!?確かにイアンの顔も同じだ!どうして今まで気付かなかったんだろう!?

そういえば婚約者の名前ってクレア・エリクスだったような…ってえぇーーー!!私、悪役令嬢!?しかも嫌われ者の!!今まさに破滅への道進んでるじゃん!絶対悪役令嬢になりたくない!!私はこの人生楽しく生きていたい!!

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私は楽しく生きていきたい〜転生先は嫌われ者の悪役令嬢!?〜 山口琴羽 @yamaguchi_kotoha

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