第3話
この異世界に来てから4年がたった。
高校の卒業式が終わった後に神に会い、碌な説明も受けずに異世界に飛ばされた。
飛ばされた当初は何度も死にかけたが今は何とかこの異世界に適応できている。
この世界はしっかりと異世界をしている。
把握するのがめんどくさく思うほど設定が盛ってある。
人以外の種族にダンジョン、魔法に武器、それを必要にさせる魔物に平和とは程遠い国のにらみ合い。
南の聖国、北の魔国。東の王国、西の帝国。独自の文化を持つ島国。
勇者に魔王、聖剣、魔剣、ドラゴン、精霊、神。
そして、僕のような転生者。
どこかで誰かの物語が始まり、淡々と知らないうちに終わっていく。
それは前の世界でも同じだが、異世界はどれも比べようのないほど劇的だ。
喜劇的に悲劇的に異世界は回っている。
僕は異世界に魅せられて異世界をみたいと強く思った。
物語を読むために4年の間、使える手札を増やすように行動してきた。
その中で異世界で一番大事な設定は「スキル」だ。
スキルは誰しも持っているもので、スキルを持っているものを異世界では「人」と呼ぶ。
転生者の僕も持っている。
このスキルを基盤に使える手札を増やしてきた。
エシルやビーツ達も。これから帝国に行くのも手札を増やすためだ。
好きな物語を読み、好きなようにその物語に登場する。
これが僕の異世界の生き方だ。
「空様、そろそろ帝都に到着します。」
ドラゴンの背の上で考えていたら、エシルが到着を知らせてくれた。
「了解。このまま帝都まで突っ込むよ。」
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