前のめりの私
今日は診察の日だった。デイケアもある。デイケアに呼び出しが来て外来に向かう。主治医には「仕事を始めるのは来年の春」と言われていたのに、私は、やっぱり、諦めきれず、もしかしたら、「調子が良くなっているから、この秋あたりから働いていいですよ」という言葉が返ってくるのではないかと期待して「仕事はいつ頃からしていいですか?」と聞いてしまった。
主治医はにっこり笑って「来年の春です」と言った。
やっぱりそうか。そうだよな。それでもちょっとがっくりきた。
「お仕事を急がれてますね」
「前のめりになっていますか?」
「はい。もっと肩の力を抜いて過ごしたらどうですか」
主治医はそうアドバイスしてくれた。
確かに、ちょっと調子が良くなったからといって、すぐに仕事ができるわけがないもし、今、仕事をしたら、大きなストレスがかかった時、うまく対処することはできないだろう。下手をしたら、、また調子を崩して、うつに逆戻りだ。
いっそ、仕事のことなど忘れて、楽しいこと、夢中になることを見つけて、肩の力を抜いて過ごしたら、案外、気が付くと「いいかげん働いたら」なんてことになるかもしれない。
急ぐのはもうやめた。一応、目標は来年の春。そこを目指して、体力をつけ、精神を安定させ、仕事に復帰できるように、過ごす。それまでは、長い充電の時間と考えていい。もう前のめりにはならない。
仕事は来年の春。もう、そこはぐらつかない。
それまでは、デイケアに行きながら、過ごす。デイケアのない時は自分の時間がたっぷりあるから、何か夢中になれることに使う。今は、書くことがそうだ。
やっと諦めがついた。急ぐのはやめた。今は、無職でいい。世間体がなんだ。今は回復につとめるだけだ。
読んでいただきありがとうございました。
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