光の使途と闇の使途

 さっくっと、ドーソンの命を刈り取ります。後は、天使達が魂を導いてくれるでしょう。特に、戦闘に向いているわけではないですが、平等にあの場所へ導かれます。

「何故殺した?」

 意識を回復した、ガガガーンが、こちらを睨んでいます。

「一応、仕事なので」

 これは女神に頼まれた、仕事ですよ。エメラルダから、お礼のポイントが届けられています。あの子、仕事速いです。私達の事、見てますね。

「仕事だと?」

「詳しくは、言えないけどね」

「それを、信じろと?」

「信じなくてもいいよ。こちらに害が無ければね」

「・・・」

「この商人が、貴方の部下を殺している。敵討ちがしたかttの?」

「死んだ部下の事は、残念だが仕方ない。第2王子が関わっている事を知りたい」

「なら、解る範囲で教えてあげる」

 銃に関して、詳しい事は避けて伝える。

「光の使途か・・・」

 ガガガーンは、この名前が気になるみたいです。

「そう言う組織があるかな?」

「存在する。彼らは、魔物と戦う人々を導く善なる存在」

「そうなの?」

 一人の意見では、参考にならないので、二人に聞いてみる。

「教会では、魔物と戦いを続ける、狂信じゃの集団という認識です。私は、好きではありません」

「私は、知らない。でも、あいつらの気配を感じる」

 レンと同じ事を、私も感じています。

「光の軍勢の転生者の集団ですか・・・」

「光の軍勢?」

 その名前を知らない、サーシャとガガガーンは首をひねる。

「遠い世界の話です」

 永遠に続く戦場。そこは、光と闇の二つの勢力が戦い続けています。光と闇。その戦いは、世界を動かすエネルギーを産み出します。廻る力は、時間を動かします。それを停止させない為にも、永遠に続く必要があります。

「光と闇は、ただの存在。深い意味はありません」

「でも、光に属した人たち、自分達は正義の存在思う人多いのよ。我々は、神の化身だって良いながら、レッド様に挑む馬鹿、多過ぎでした・・・」

「その話は、今は良いでしょう。光の使途という連中、退治したほうが良いの?」

 空に向かい問いかけます。次の瞬間、周辺に神の気配が溢れます。

 その空気に触れ、私以外が硬直します。

「お任せします」

 その場に、声だけが響きます。

「やっぱり見ていましたか・・・。この星の女神の比率は?」

「他と同じで、半分です」

「この星の女神、5柱じゃなかった?」

「1柱は、この星で生まれた女神です」

「あの場所から女神なったのは4柱ということですか・・・。光の使途に、肩入れは?」

「していないと聞いています。星に生きる物の、流れに任せていると」

「リストの中に、光の使途の名前は?」

「5人います」

「最高責任者とか、幹部にいるのかな?」

「幹部に1人だけ」

「了解。その辺は、その時対処する。ただ、あまり覗かないで」

「私の、楽しみなのですが?」

「正直に言えば、許されると?」

「偽れば、即時禁止にされます。それだけは、ご容赦を」

「仕方ありません。こちらも、都合のいいときがありそうです。お互い、利用しますよ?」

「望みのままに・・・」

 エメラルダの気配が消えました。


「私は、どうすれば良いのだ・・・」

 敵対してはいけない存在に、危うく触れそうになっていた事に築いたガガガーンが、怯えています。

「別に何もしなくても良いですよ」

「私を、見逃すのか?」

「見逃すも何も、情報が知りたかったから、呼んだだけです。そう言えば、お礼をしないと駄目ですね」

 勇者達を倒したときに手に入れた、聖剣を取り出します。かなりのレベルの、業物です。

「これを、あげます。そうですね、今後この国で活動する時、何かあったら協力してください」

「こんな物を、受け取っても良いのですか?」

「私には、不要な物です」

「解りました。兄が持ち出した聖剣の代わりに、宝物庫に収めます」

「第2王子には、気をつけなさい」

「あの人は、野心はありますが、この国に必要な存在です」

「その辺の事は、私に関係ないならどうでも良いよ」

「・・・」

 その言い方に、ガガガーンは不満そうです。

「私は、正義にみかたでは在りません」

「あの商人を殺したのは?」

「女神からの依頼。道を間違え、今後の事を考えると、面倒だから」

「悪を捌いたのでは?」

「このまま、放置しておくと、銃が広がるからね。この世界には、いらない技術だから、それを阻止しただけ」

 ガガガーンは、言葉を詰まらせます。

「正直、この国のためというなら、あの商人を生かしておいたほうが良かったかも。知識しだいで、色々な物を取り寄せできるからね」

「それは、物凄く希少な加護では?」

「どうなのかな?物語では、良く出て来る加護だから、持っている人はいるかもね」

「似た加護の持ち主は、確認されています。ただ、異世界からの取り寄せの報告は、教会に僅かしかありません」

「そうなの?何を取り寄せたのかな?」

「お米と、味噌。その基礎になる色々な道具と聞いています」

「納得です」

「そんな人材なら、何故殺したのです?」

「結局は、私というか、サーシャとレンに刃を向けたからね。生かす必要ないじゃない」

「そんな事で?」

「身を守る為よ」

「貴方ほどの存在なら、防げるはずでは?」

「勿論」

 無い胸を張ります。えっへんと、誇らしく。

 伊達に、闇の陣営で戦っていないのですよ。

「闇の使途、レッドです。今後、こう名乗る事にしましょう」


 この頃から、闇の使途と名乗る存在による、無差別殺人が始まりました。

 その行いに、人日とは怯え、光の使途にすがるということを、私は、まだ知らない・・・。

 予想は、してるけどね。

 

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