第7話 休暇1
ーーーーーーー待ち合わせ30分前ーーーーーーーー
そう言えば思ったけど、俺って誰かと待ち合わせしたこと無いわ。ずいぶんと早く着いちゃったしなぁ。どうしよう。
◇
「お待たせ、瞬一。」
「よう、颯太。私服姿もカッコいいな。」
結局、何もしないで時間だけが過ぎてしまった。
「あはは、そんなこと無いよ。瞬一君だって似合っているよ。」
「じゃあ、行こうか。」
駅のホーム内に入って行く。夏休みだからか、人が多い。
「あ!僕たちが乗る電車もう来ている。急がなきゃ。」
「マジか。乗り遅れたら、30分後だ。急ごう。」
「はぁっ、はぁっ。朝からダッシュかよ。疲れるな。」
「はぁっ。汗かいちゃたね。」
実は、瞬一は毎朝5Km走っているのだが、ダッシュだけは苦手なのだ。
「そう言えば、瞬一ってアリサと付き合っているの?」
何故、そうなる?てか、颯太はアリサって呼ぶんだな。
「いや、全然。どっちかって言うと、幼なじみだな。」
「そうなんだ。でも絶対、アリサって瞬一のこと好きだよ。」
「何故、そうなる?」
本当に口に出しちゃったよ。
「普通に分かるよ。普段の生活とかでも、アリサってずっと瞬一のこと話しているでしょ。」
「言われてみれば、確かに。」
「瞬一って鈍感すぎじゃない?」
うむむ。確かに否定出来ない。
「そうかもな。俺って人付き合いが得意じゃないから。」
「そうかな?そんなに苦手そうに見えないけど。」
「見えないだけでそうなのさ。」
「あはは、開き直っちゃっているし。 そう言えば、
颯太が新聞記者みたいになっているんだが。
「特に無いぞ。あいつ、口数少ないし。」
「ちなみに、他の人はうなずかれたことしかないから。だから、瞬一は凄いなって思って。」
「それは、アリサがいるからじゃないか?」
花梨が他の人と喋らないのは初耳だが。
「でも、アリサがいなくても会話してたよ。それ見てて皆が凄いって言っていたよ。」
花梨と会話しただけで凄いとか、あいつは何なんだよ。天使か?
「まぁ、友達みたいなものじゃないか?」
それを言ったら、颯太が苦笑していた。何故だろう?
「次は~潮が丘~潮が丘~終点です。御乗車ありがとうございました。」
「よし、降りるか。」
「他の人達は着いているかな?」
「多分、もう着いているはずた。連絡は無いけど。」
「じゃあ、行こう。」
◇
「おっそいなー、瞬一。」
「瞬一だけなんすね待っているの。颯太が可哀想。」
「別にいいもん。そんなに仲良くないから。花梨だってそう思うよね。」
コクっと花梨がうなずく。
「そう言えば、二人って瞬一のこと好きなの?」
「えっ!そ、そんなこと、無いよ。」
「ん、、違う、、」
そう言いつつも、二人とも顔が赤く火照っていた。
「ホントに~?めっちゃ、顔赤いよ。」
「そんなことないからっ。」
◇
「おーい。アリサ、花梨。」
返事を反応してこっちに向かって来るが、顔が赤い。
「どうした、二人とも。顔が赤いぞ。風邪か?」
「いや、何でもないからっ。」 「ん、大丈夫。」
「そうか、無理すんなよ。」
「さあ、早速着替えて遊ぼうぜ!」
遅れて呑気な亮太がやって来る。
「そうだな、今日は1日遊ぶぞ!」
◇
「お待たせ~。」
着替え終わったアリサがこっちに走って来る。
「おおーやべぇ。めっちゃナイスバディ。」
アリサの水着姿は、大胆なビキニで、瞳の色と同じ赤色だった。
あの大きなお山は、確かに目を引かれる。ヤバい、ヤバい。
「ん、お待たせ。」
花梨の方は、ワンピースタイプの水着で、とても可愛いらしかった。ちょっと幼女っぽく見えたのは、言わないでおこう。
「どうよ。可愛いでしょ。」
上目遣いにそう聞いてくる。おいアリサ、あざといぞ。
「ああ、可愛いと言うよりは、きれいって感じだな。」
そう返すと、アリサは頬を紅潮させながら、うつむいていた。
「私は、どう?」
こんどは花梨が聞いてくる。
「似合っていて、可愛いよ。」
花梨の反応を見ると、嬉しそうに、はにかんでいた。
何なんだ、この雰囲気。
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