第7話 休暇1

ーーーーーーー待ち合わせ30分前ーーーーーーーー


そう言えば思ったけど、俺って誰かと待ち合わせしたこと無いわ。ずいぶんと早く着いちゃったしなぁ。どうしよう。





「お待たせ、瞬一。」


「よう、颯太。私服姿もカッコいいな。」




結局、何もしないで時間だけが過ぎてしまった。




「あはは、そんなこと無いよ。瞬一君だって似合っているよ。」


「じゃあ、行こうか。」




駅のホーム内に入って行く。夏休みだからか、人が多い。




「あ!僕たちが乗る電車もう来ている。急がなきゃ。」


「マジか。乗り遅れたら、30分後だ。急ごう。」




「はぁっ、はぁっ。朝からダッシュかよ。疲れるな。」


「はぁっ。汗かいちゃたね。」




実は、瞬一は毎朝5Km走っているのだが、ダッシュだけは苦手なのだ。




「そう言えば、瞬一ってアリサと付き合っているの?」




何故、そうなる?てか、颯太はアリサって呼ぶんだな。




「いや、全然。どっちかって言うと、幼なじみだな。」


「そうなんだ。でも絶対、アリサって瞬一のこと好きだよ。」


「何故、そうなる?」




本当に口に出しちゃったよ。




「普通に分かるよ。普段の生活とかでも、アリサってずっと瞬一のこと話しているでしょ。」


「言われてみれば、確かに。」


「瞬一って鈍感すぎじゃない?」




うむむ。確かに否定出来ない。




「そうかもな。俺って人付き合いが得意じゃないから。」


「そうかな?そんなに苦手そうに見えないけど。」


「見えないだけでそうなのさ。」


「あはは、開き直っちゃっているし。 そう言えば、東雲しののめさんとの関係は。」




颯太が新聞記者みたいになっているんだが。




「特に無いぞ。あいつ、口数少ないし。」


「ちなみに、他の人はうなずかれたことしかないから。だから、瞬一は凄いなって思って。」


「それは、アリサがいるからじゃないか?」




花梨が他の人と喋らないのは初耳だが。




「でも、アリサがいなくても会話してたよ。それ見てて皆が凄いって言っていたよ。」




花梨と会話しただけで凄いとか、あいつは何なんだよ。天使か?




「まぁ、友達みたいなものじゃないか?」




それを言ったら、颯太が苦笑していた。何故だろう?




「次は~潮が丘~潮が丘~終点です。御乗車ありがとうございました。」


「よし、降りるか。」


「他の人達は着いているかな?」


「多分、もう着いているはずた。連絡は無いけど。」


「じゃあ、行こう。」





「おっそいなー、瞬一。」


「瞬一だけなんすね待っているの。颯太が可哀想。」


「別にいいもん。そんなに仲良くないから。花梨だってそう思うよね。」




コクっと花梨がうなずく。




「そう言えば、二人って瞬一のこと好きなの?」


「えっ!そ、そんなこと、無いよ。」


「ん、、違う、、」




そう言いつつも、二人とも顔が赤く火照っていた。




「ホントに~?めっちゃ、顔赤いよ。」


「そんなことないからっ。」





「おーい。アリサ、花梨。」




返事を反応してこっちに向かって来るが、顔が赤い。




「どうした、二人とも。顔が赤いぞ。風邪か?」


「いや、何でもないからっ。」 「ん、大丈夫。」


「そうか、無理すんなよ。」


「さあ、早速着替えて遊ぼうぜ!」




遅れて呑気な亮太がやって来る。




「そうだな、今日は1日遊ぶぞ!」





「お待たせ~。」




着替え終わったアリサがこっちに走って来る。




「おおーやべぇ。めっちゃナイスバディ。」




アリサの水着姿は、大胆なビキニで、瞳の色と同じ赤色だった。


あの大きなお山は、確かに目を引かれる。ヤバい、ヤバい。




「ん、お待たせ。」




花梨の方は、ワンピースタイプの水着で、とても可愛いらしかった。ちょっと幼女っぽく見えたのは、言わないでおこう。




「どうよ。可愛いでしょ。」




上目遣いにそう聞いてくる。おいアリサ、あざといぞ。




「ああ、可愛いと言うよりは、きれいって感じだな。」




そう返すと、アリサは頬を紅潮させながら、うつむいていた。




「私は、どう?」




こんどは花梨が聞いてくる。




「似合っていて、可愛いよ。」




花梨の反応を見ると、嬉しそうに、はにかんでいた。


何なんだ、この雰囲気。


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