第4話 ゴブリンを倒せ!
まだ気付いていないから逆に殺し辛いしやり辛い。
なるべく戦闘は後手の方がいい。その方がまだいい訳が出来る。
だが今回のゴブリンは宴に集中し過ぎだ。これでは殺せない。
仕方がない。ここは壁にある松明を取って投げ付けてやるか。
そうと決まればさっさと松明を調達だ。一つだけで十分だろう。
そう思い俺は松明を一番近いゴブリン目掛けて投げ付けた。
するとゴブリンの頭に入り一匹は仰け反った。
隙だらけだがこの距離では攻撃は無理だ。
ようやく三匹が俺の存在に気付いたようだ。
今になって武器を手にし始めた。はは。遅すぎだろ。
どうやら宴を阻止されて怒っているみたいだ。
おっと三匹は俺を囲むように動き始めた。
く。三方向なら一斉攻撃も有り得る。集中しなければ。
やはり三匹のゴブリンは迷うことなく突っ込んできた。
俺を中に入れての三角を意識して突っ込んできている。
仕方がない。ここは早く一対一に持って行くためにこっちも行動だ。
俺の前に一匹のゴブリンがいる。二匹だったら危ないが一匹しかいない。
観察しながら的確に行動手順を決める。まずは前のゴブリンを殺す。
となる前に俺は既に走っていた。鎧が重たいだなんて口が裂けても言えない。
にしてもこの魔力剣は本当に使えるのだろうか。お? ちょうどいい弓使いが。
よくよく見たら眼前のゴブリンは弓矢だ。もう既にキリキリ音が鳴っていた。
よし。弾けるか解らないけど剣で防御しつつ前進あるのみだ。やってやる。
眼前のゴブリンは矢を放った。俺目掛けて直線状に飛んでくる矢――
は! 不味い! 矢に毒が塗られている! 矢先自体が緑色に変わっている!?
一発でも通れば俺は死ぬ!? く。矢は避けようがない! ぐ。集中せねば――
一発目。なんとか魔力剣で弾いた。二発目。辛うじて弾いた。三度目の正直か。
させる訳にはいかない! ようやくだ。ようやく追い詰めた! 早くしないと。
「グオ!?」
驚け。俺に平伏せ。弓に矢を仕込んでいる最中に俺がその矢を取った。
一気にゴブリンの動きがなくなったところで俺は魔力剣を刺し込んだ。
まずは一匹目。次は二匹が同時に攻撃をしてきそうだった。すかさず回転。
回転したことで一匹目に刺さっていた魔力剣が滑るように抜けた。
そして俺は威嚇をするように一回転をし終えた。二匹は攻撃出来ずにいた。
その隙に最後に映った三匹目のゴブリン目掛けて突っ込んだ。
どうやら三匹目も二匹目も錆び付いた剣を持っているようだ。
そんな鈍らに俺はビビらない! 地味に痛そうだが怖くはない!
間合いを詰めると剣と剣が衝突した。鬩ぎ合いだ。ここは負けられない。
「グオオ!?」
伊達に薪割はしていない! 喰らえ! 弾き返してやる!
ゴブリンは剣が弾かれると後ろに仰け反った。今だ! 今なら行ける!
これで――止めだ! 弾いたついでにすかさず兜割りをした。
「グヘェ」
三匹目のゴブリンは倒れ込んだ。これで残りは一匹だ。
「ヒィッ!?」
あ。逃げたな。だがここは――
「グ」
弓矢と言う飛び道具は便利だな。こういう時に凄く重宝する。さてと――
全てが終わった俺は蜂蜜を探し始めた。
「ありゃ~。これは」
なんとゴブリンたちは火の上に鍋を置き煮込んでいた。
「蜂蜜鍋か」
なんとも不味そうな料理だな。これは悪いけどもう使えそうにないな。
「帰るか」
収穫はいまいちだったな。はぁ。俺はそう思いながらも帰っていった。
神殺しの黒騎士~神の生け贄にされた唯一の妹のために俺は黒き鎧を身に纏い復讐する~ 結城辰也 @kumagorou1gou
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