私の愛する方は、 自分の庭、香料(こうりょう)の花壇へ 下って行かれました
八〇一本の 薔薇が咲き
桃色の白百合 花開く
季節はなく 花を愛でる 心一つで
その楽園は
苗木は優しく 土の布団に寝かされ
愛らしい花芽を 待っている
純潔のきゅうこんは 土を被って
対のきゅうこんを 待ちわびる
麗しき恋人に 送るため
花摘む人が 腰下ろす
薔薇の棘は 柔らかく
百合の香りも また柔い
愛しき人よ 貴方を飾る この花は
愛しき人よ 貴方に贈る この花は
愛する心それだけで 育てられました
愛する人よ 貴方を抱きたい
愛する人よ 貴方を守りたい
庇護願う鋏で 揃えた切り口
愛する人よ 貴方がこの花束を抱く
愛する人よ 貴方がこの花束を生ける
その
愛する人よ
愛する人よ
愛より少ない花よ 我が愛を護り給え
愛する人よ 貴方に贈る この花を
愛する人よ 私と思って この花を
愛する人よ 愛する人よ
神に愛された 麗しき我が恋人よ
腐臭には
嘲弄には あまりりすの耳飾りを
貴方の傍で 咲きますように
私の命で 育てた花に
貴方の心を 慰めさせてください
私に愛された 気高き我が恋人よ
貴方が神の腕の中で 眠る床
そこは私が 蝦夷菊を植えたところ
うきよの全てを忘れて お眠りなさい
朝 太陽が昇ろうと そこは安寧の闇
夜 月が隠れようと 溢れる希望の光
私を愛する 修羅の道行く我が恋人よ
私を送り出してくれた あの花を
もう一度私に
その花に託された
空を舞い 駆けていこう 愛と共に
そうして我らが 再会した日
その日こそ歓びの日
感謝を歌おう 楽聖と共に
我らの愛を 誰もが歌い
我らの愛を 誰もが祝い
あの世の誰よりも 我らは幸い
この世においては 我らはふうふに
いつかこの幸せを あの世の人が
認めることが 出来たなら
誰もが知るだろう 神の愛の深さ
されども人が それを拒むなら
今は神の元でだけ 幸せになろう
そうとも我らは 神の子である
我らは結ばれてから 母の胎に宿る
神はこの婚姻を 待っておられる
自由なる愛を 叶えよう
神がそれを 望んでおられる
異なるものだけでなく
等しきものも 神の愛を讃えよう
誉れ高き 愛を歌おう
何人も冒し得ぬ 愛を叫ぼう
神がそれを 望んでおられる
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