なんと美しい事よ 貴方の目は鳩のようだ
ああ 貴方に焦がれておりました
人の世に刻まれた 汚辱の烙印を
受けて尚輝かれる 神に愛された御方
貴方への愛は
多くの人は貴方を呪った
おお げに恐ろしきは 人の業で あることよ
己の中の炎を 藁で隠した
対岸の火事を見て 酒を飲み 地獄を嗤う者
燃え上がる火柱を見て 恐れ戦き 狼狽えれば
己が罪を披露して 神に祈って 悦に浸らんと
おお おお おお!
勇ましきや 人の業よ!
私が苦しんだとき お前達は何をした
私が悲しんだとき お前達は何をした
そして私が嘆いたとき お前達は何をした
罪を咎められ 神からの賜物を 侮辱され
なお求めた安らぎに 背を向けて
おお おお おお おお!
悍ましきや 我が兄弟たちよ!
天の炎で 黄金に変えられよ
その誇れる罪を数え
一五〇の 薔薇の蕾が 罪を表わす
神に赦して もらうがよい
さすればこの罪 最早数えまい 今となっては
赦される確信に 満ちた神の鬼子よ
その舌抜かれて 苦しみを受け
悔悛の涙で 首を締めて
道行きを共に 歩くが良い
主は 罪人の為に 十字架にかけられた
ああ
「神はお許しにならない」 と 言われる私に
慰めを歌って くださいます
後の世の人々が 祭り上げた 偉大な
彼等の手を借り 私の手首に 釘が打たれた
ああ我が同志
増えて増して 刻まれる 私が神を愛する度に
我が賛美 侮辱して尚 民の憎悪 限りなく
神のご計画だと 認められない 愚かな兄と姉
悲しい人 賜物一つ 信じられぬ 不信心者は
仮初の姿を 与えられた 我が先達よ
どうか私の裏切りを 祝福して下さい
追い出された羊
羊の皮を被った狼に 狼を友とする羊に
貴方は慰め 神の子を裏切り 尚愛された
諸々の 故き文士の あるところには
貴方の芸術が生まれ 人はそれを愛すのに
今を生きる私の愛は 辱められる
ああ 偶像を愛する 盲目の羊たちよ 聞け
人のあらゆる 姿を見よ 神の愛した罪を
ああ ああ ああ!
我が罪なる兄君 我を連れゆき給え
「会う資格などない」
そう言って 私を追い出した
我が主に引き合わせたもう
罪人の頭にすら 会わせぬと言われた
この呪われた信仰を 祝福し給え
「兄弟ではない」
そう言って 私を追い詰めた
私の代わりに祈り給え 我が主が裁かぬよう
呪われた無花果の如き
収穫を待たずに 麦を刈り取る 愚か者め
主の愛を 都合良く軽んじ 悦に入る者達
一度は受け入れた 我が
その軽蔑を 恥じることを忘れ
神に近づく 研鑽に 陶酔する者達へ
去れ! 去れ! 去れ! 悉く去るがいい!
汝が罪を 愛するならば 我が罪をも愛せ
汝が隣人 を愛するならば 我が隣人も愛せ
汝が主に 祈るときには 我が主にをも祈れ
汝が名誉を 護るのならば 我が名誉をも守れ
貴方方は 知らないのですか
主は万人を 受け入れて くださいます
貴方方は 忘れたのですか
主は万人を 愛してくださいます
主は万人の中から
私だけを除くことは ございません
貴方方は主を 愛していないのですか
貴方方の主が愛する私を 何故憎むのです
貴方方は主を 疑っているのですか
貴方方へ使わした 私の主は 神でないと言う
その理由は 私が鳩を愛したから
その理由は 私のこれらの愛への 祝福
貴方方はばかなのですか
何故貴方方が 受けられる 恩寵を
この方達には 受け入れないのですか
彼等彼女らが 愛し合う事を
どうして自分の徳に してしまうのですか
貴方方は ばかなのですか
神が愛するように 貴方方だけが 愛される
どうしてそれを 信じられるのですか
私の見つけた この鳩は 尊いです
この鳩なくして 神の愛は語れない
私の見つけた この愛は 尊いです
この愛を通し 私は学んだ 彼等から
あなたがたは ばかなのですか
どうしてこの愛に 唾を棄せるのですか
この愛を与えてくれた 我が神の愛が
何故貴方の神の 愛でないと 言うのですか
主は万人の神 誰一人として 零さない
太陽を好む者には 太陽として
月を好む者には 月として
金を好む者には 金として
悪を好む者には 悪として
万人の 愛するものの お姿を とっている
あなたがたは ばかなのですか
太陽を好む者が 何故主を愛さないと言うのか
彼は太陽の 力強き御姿を 讃えるのに
月を好む者が 何故主を愛さないと言うのか
彼は月の 温もりの腕に 微睡むのに
金を好む者が 何故主を愛さないと言うのか
彼はその力で 弱きを助け 愛するのに
あなたがたは ばかなのですか
悪という状態を お認めになった方が
悪ということすら 利用して
その人を救い その人を導いて
悪という徳によって 神を愛するのに
貴方方は 悪と裁いた人の 愛し方を愛さない
めくれ めくれ めくっていのれ
主の愛を 一人占めすること勿れ
最も愛された 幾億の人を
押しのけることを 主は喜ばれない
あなたがたは ばかなのですか
主を独占したい そのあまりに 目が曇る
貴方を愛するように 貴方の敵を愛する主を
何故貴方方は愛さないのですか
貴方もまた誰かの敵で 私もまた誰かの敵で
そんな私達を 主は愛して下さるのに
あなたがたは ばかなのですね
おかわいそうな あなたのため 祈りましょう
あなたが私を 告発するように
私はあなたを 裁くように 祈りましょう
私の苦しみを 否定した貴方に
主が報いて 私を慰めてくださる
盲目の あなたのために 祈りましょう
あなたが私を 闇に追いやるように
私は貴方の光が 隠れるように 祈りましょう
私の光 私の主を 穢した貴方に
我が主は自ら輝き 白く清められる
聾唖のあなたに 聞こえるように 祈ります
あなたが私の聖歌を 大声で消したように
あなたの嘆きが 主に届かぬように 祈ります
誰の慰めも 聞こえない
貴方の敵の私が 慰めのため 遣わされます
神よ 私を恨む者達に
私を使わして下さい
神を 悪を憎む者達に
私の悪を お使い下さい
日毎示された 道に従い
私は貴方が愛した私の敵を愛しましょう
憎み呪い恨む私の敵を 貴方は愛すでしょう
聖なる幻想の罪から 我らをお救い下さい
その為に どうかどうか
わたくしをお使い下さい
私は貴方のための悪 この先誰にも愛されない
私は悪 貴方が定めた悪 それは私だけの恩寵
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