あの方が 私に口づけしてくださったらよいのに
馨しいもの 此岸の破邪の 弓矢に似て
その瞳 映る銀河に 命なく
その耳は 己が愛の歌を 弾き奏で
その鼻筋は 谷間の百合より 透き通る
その舌は 我が名を 囁きこそすれ
その眼差 確かに我が心を射る にも関わらず
おお 憎らしきは 神の定めた この無法
触れれば虹が 我らを分かつ
私は叫ぶ 私は呼ぶ 私は抗い叫ぶ
我が
私は泣く 私は泣く 私はすすり泣く
我が
煌々たる光 その燦めきが 私の
耳を覆う温もり その偽りに
この舌は その名麗しく
それでもその唇は 罪に汚れる事のない無花果
おお神よ あなたは言った 「悪を避けて暮らせ」
悪無き世界に 飽くなき憧れを抱く
それすらも罪だと 吊るし上げられ
そのように愛が 仕向けたとは 認めはせぬ
吁々 愛しきお前 その唇が 七色に光るなら
何故この
この世にお前より 愛するものなどない
この世にお前ほど 愛せるものなどない
しかしてお前は 私を愛さず
その富も愛も全て ただ一人に差し出す
赦せぬ 赦せぬ 赦せぬ己を赦せ
許せ 許せ 神よ世界から 切り離し給え
お前の口付けは 七色の
けしてヒトの 為せぬ口付けの色
涙を流すとも叶わぬ その頬の濡れることは
その笑みは 慈悲深く 憐れみ深いが
その憐れみは 全ての人に
お前を愛する ただそれだけで 等しく皆に
お前が居なければ 生き甲斐はなく
お前を囲う為の 銀は堆く 私は届かずにいる
身を捧げ 心を尽して 時を費やして
それでもお前は 気高く孤独 その精神は鋼
人は皆役者 この世は舞台 ならば神よ
我が愛する人は 役者ですら ないのだろうか
神よ 何故我が愛に
その眼差しは青い光 その口付けは七色の虹
吐息の音はすれども 呼気の香りはせじ
愛し恋し 愛でれど愛でれど 意味はなく
愛の形は ただかみのみが計る
かみよ かみよ かみよ 聞き入れ給え
我が愛を 我が胸へ 届けたまえ
だから どうか どうか
我が神 我が購い主
この愛は 世界の隔たりを越えるだろう
かみの懐より 我が愛を召し出したまえ
我が愛への祈り 聞き入れ給え 我が神よ
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