第45話 「幼なじみの気持ち3」

はい。どうもこんにちは。完璧な告白計画をまさかの形で台無しにされて萎えまくっていた今井七海です。


はぁ。終わったよ⋯⋯前まで一ぐらいはあったかなって言う確率がマイナスにいっちゃった⋯⋯。


よし⋯⋯。もうこうなったらダメ元だよ! 今言っちゃえ!


半ばやけくそになった私は俊をとっ捕まえて屋上まで連れていった。



(霧野俊視点)

「俊! ちょっと来て!」

「な、なんだ?」

なんか七海に腕を掴まれて強引に屋上まで連れてこられたんだが⋯⋯。


「このバカ俊! いい? 耳の穴かっぽじって聞きなさいよ!」

「は、はぁ⋯⋯。」

なんなんだよこいつ⋯⋯。怖すぎるだろ。


「好きよ。もう聞いたんでしょ? 金曜の放課後、一年四組に花恋ちゃん。英語教室に愛海ちゃん。私は理科実験室にいる。だから一人選んで教室に来なさい!」

「なんでお前が上から目線なんだよ⋯⋯。わかったよ。ありがとな。七海。」

「ふぇ? な、なによ!」

「あと、そのキャラお前には似合ってないぞ。」

「は、はぁ?」

俺はそう言って右手をひらりとあげながら踵を返し、今来た道を戻って教室に入った。


花恋さんや愛海から視線を感じるのは恐らく、七海のことだろう。俺は「大丈夫だよ。」という意味を込めて頷いた。


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