第43話 「幼なじみの気持ち1」
(今井七海視点)
花恋ちゃん、愛海ちゃんはもう告白したらしい。だから次は私が告白する。でも、正直振られると思うし、OKしてもらえる確率なんてゼロに等しいと思う。
だってあんなに酷いことをしたんだから。
私が選ばれたらダメだ。だから花恋ちゃんや愛海ちゃんには告白はしないって言ったんだけど、それはダメだって。せっかく恋してるんだから、その気持ちを伝えるだけでもしないとって。
だから私も気持ちを伝える。今の素直な気持ちをそのまま。
「でも、なんていえばいいのぉぉぉ!?」
そう。肝心のセリフが決まっていない。だって、されたことはあるけどしたことは無いしっ! もし変なこと言って嫌われたらどーしよ? やばいよ?
「そうだ⋯⋯これは、相談だ。」
私は電話をかけた。すごい久しぶりだけど柚夏ちゃんに電話だ。
柚夏ちゃんは大阪に住んでいて、コテコテの関西弁。一応俊のいとこの親友だから、そのつながりで私も仲良くしてもらってる。
柚夏ちゃんは結構直ぐに出てくれた。
『おぉ! 久しぶりやんか七海ちゃん! 元気しとった?』
「うん。大丈夫。久しぶり。」
『それで、どーしたん?』
「あ、あのね、今好きな人がいて、告白しようと思ってるんだけど、なんていえばいいかわかんなくて⋯⋯。」
『おぉ! 七海ちゃんに好きな人ねぇ。当てたろか?』
「へ?」
『俊やろ?』
「へ? な、なんで分かったの?」
『お! 俊か! いや、私が知ってんの俊だけやし。』
あ、やられた。これじゃあ自爆したも同然じゃん!
まさか柚夏ちゃんにこんなこと考える力があったなんて⋯⋯。
『ん? なんか失礼なこと考えてへんか?』
「大丈夫だよ。」
うん。君はエスパーかなんかなの? 本当に。
『まぁ、いいとして。で、なんて言えばいいか?』
「うん。今まで告白されたことはあったけど、あんなの本当に私のことが好きだったわけじゃないから、なんて言えばいいのかなって⋯⋯。」
『そうやなぁ。俊は優しいから、なんて言っても気持ちさえ伝えれたら納得はしてくれると思うねんけど。七海ちゃん的には中途半端は嫌なんやろ?』
「うん。そう。」
『うーん。難しいなぁ。』
「じゃあ、柚夏ちゃんなら好きな人になんて言う?」
『私? 私やったら⋯⋯かぁ。そやな、シンプルに好きです。と、その人のどこを好きになったんかを伝えるかな。』
なるほど。今まで複雑に考えすぎてたけど、シンプルでいいんだ⋯⋯。
「なんか、難しく考えすぎてたかも。それで行くよ。」
『ほんま? わかった。頑張ってな。』
「うん。ありがとう柚夏ちゃん。」
『いえいえ。またなんかあったら言ってや。』
「うん! その時はよろしくです!」
『はーい。ほんじゃねぇ。ばいばい!』
「ばいばい!」
そうしてツーツーと音がなり、電話が切れた。
あ、どのタイミングで告白しよう⋯⋯。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます