第40話 「天使様の気持ち1」

花恋から話を聞いた時、愛海はびっくりした。だってあの花恋だから抜け駆けして先に自分だけ告白するんじゃないかって思ってたから。でも、花恋はちゃんと言ってくれて、さらに愛海や七海ちゃんにも同じように告白する機会を作ってくれた。私が今考えているのは明後日。つまり俊の誕生日に告白しよう。そう考えている。凄く迷ったけど、何かきっかけがあった方がしやすいと思ったからプレゼントと一緒に気持ちを伝えようと思う。


だからまずは今日の放課後にプレゼントを買うところから始めないと。何買おっかな⋯⋯?


「あの、愛海ちゃん。」

「ん? どうしたの?」

「今日の放課後空いてるかな?」

うーん。七海ちゃんが誘ってくれるのはありがたいけど⋯⋯今日は俊のプレゼントを買いに行くからなぁ⋯⋯。

「ごめんっ! 今日は俊のプレゼント買いに行くから! 別の日なら誘ってくれたら嬉しい!」

愛海はそう言ってお断りした。けど、七海ちゃんはへ? という顔をして、「へ? あ、私もそれ誘おうと思ったの。一緒に良い?」と言った。

「え? あ、勿論っ!」

びっくりした。多分この学校で一番俊のことをよく知るのは七海ちゃんだろうし、それなら俊の好みも分かるだろう。それにしてもまさか七海ちゃんも同じことを考えていたなんて⋯⋯。なんだか、嬉しい。


「じゃあそのまま行こっか!」

「うん。そうしよっ!」


そして愛海と七海ちゃんは近くのショッピングモールに来ている。七海ちゃん情報によると俊はぬいぐるみが大好きで寝る時に抱っこしてねているらしい。想像しただけで可愛い。七海ちゃんは俊が好きそうなぬいぐるみを買ってあげるらしい。なのでまずは俊が好きそうなぬいぐるみがないかどうかを探して、愛海は可愛いお洋服を買ってあげようと思う。


そうしてショッピングモールを歩いていたら、愛海はベリーグッドなぬいぐるみを見つけてしまった。


「あ! 七海ちゃん! これは?」

愛海が見つけたのはペンギンのぬいぐるみ。以前花恋から聞いたけど、俊はペンギンが好きらしい。


「ペンギンだっ! 俊、ペンギン大好きだから絶対喜ぶ! これにするねっ!」

七海ちゃんは即決で買いに行って、ダッシュで戻ってきた。


次は洋服だ。最近俊がお洒落に目覚めたのでよくRainで新しく買った服を自慢してくる。しかもどれも似合っていてかっこいいんだからせこい。


冬ということで、メンズのチェスターコートを買った。あとはブーツも。これを俊が着たら絶対に似合う。確信できた。


愛海と七海ちゃんはそれぞれ俊にプレゼントを購入して、帰りに晩御飯を食べてお暇となった。


少し緊張してるけど、やっぱり楽しみだなぁ。

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