第35話 「久々の登校〜なんか、違くない?〜2」
今回やっと登校します!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(霧野俊視点)
結局俺は退院して、今日から学校へ行くことが出来る。ようやくだ。あれだな、普段は面倒で行きたくないのだがいざ行けないとなればそれはそれで嫌なんだな。なんて自己中心的な考え方なんだろう。つくづく自分に嫌気がさす。
まだ松葉杖なしでは歩けないし、出来れば車椅子がベストらしい。学校で車椅子を借りれたら借りようと思う。でも、俺の事押してくれる人とかいるのかな? それが不安要素である。まぁ、これがぼっちの宿命というやつだ。仕方ない。俺は寛容な心を持っているので甘んじて受け入れてやろう。(最近アニメの見すぎ。)
まあ、茶番はここら辺にしておいてそろそろ準備しないと間に合わなくなる。ちなみに学校までは親に車で送って貰う。この足で電車は無理がある。
「〜♪」
うん。やはり天使はこの子である。
咲良。可愛すぎんだろ? いや、だってな? 俺が昨日久々に帰ってきた訳だが、咲良にはその事を伝えていなかったから俺が家に帰って、咲良は一人でYouTubeを見ていた。それで俺が後ろから頭をポンポンしたら「何?」といかにも邪魔されて機嫌が悪くなったように言ったんだ。で、ここからだよ! なんと、頭をポンポンしたのは俺だったわけだ。じゃあ俺のことが大好きな咲良はどうなるか? そりゃもう飛び跳ねて「キャーキャー」って言いながら抱きついて「お兄ちゃんだっ! わーいっ! やった!」って! やばいだろ?
それから咲良はずっと俺にベッタリだ。今も俺の膝の上に座って鼻歌を歌っている。可愛い。なんか心の中が綺麗に浄化されていくのを感じる。
「咲良。そろそろお兄ちゃん行かないとダメだから咲良も一緒に行こっか?」
「うん⋯⋯。分かった。」
俺は咲良の頭を撫でてやり、久しぶりに制服を着た。
「じゃあね咲良。行ってきます。」
「うん。いってらっしゃい。」
明らかにテンションが下がってしまった。可愛い。
ダメだ、朝から気分がルンルンだ。
俺は何とか松葉杖で学校に到着し、すぐさま職員室へ向かう。すると先生が迎えてくれ、車椅子を用意してくれた。なんていい先生なのだろう。
そしてエレベーターで自分の教室へレッツゴーだ。
そこまでは先生に押していただいた。ありがたい。
ガラガラ。ドアを開ける。久々の感覚に何故か感動した。
「俊!」
「俊くん!」
「俊!」
「「「「霧野くん!」」」」
お、おう。俺、こんな人気だっけ?
何があった?
「もう大丈夫なんですか? あ、大丈夫じゃなさそうですね。でも大丈夫ですよ。私が俊のお世話をしてあげますからね。」
「そうか。ありがとう。花恋さん。助かるよ。」
俺は何とか寂しい車椅子生活を避けることが出来た!
今日は嬉しいことだらけだ!
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