第34話 「久々の登校〜なんか、違くない?〜」

蝉の声はとっくの前に聞こえなくなった。代わりに風が吹く声が聞こえる。俺のいる病室は換気のために窓を開けて寝ていたため少し肌寒くなった風が吹き抜ける。

季節は秋。まだ深くは無いので紅葉は見られない。葉はまだ緑だ。木々は未だに元気そうに太陽に向かって腕をのばし、必死に光を受けて育とうとしている。ほんの少し柔らかくなった日差しと、少し肌寒くなった風が季節の移り変わりを実感させる。


コンコン……。と病室にノックをする音が響いた。そして間もなく「霧野さん。おはようございます。」と女性の声が聞こえた。この人は俺の入院生活を支えてくれている川原さんだ。俺は「おはようございます。大丈夫ですよ。」と返しておいた。


それからは健康のチェックや検温を済ませて朝食の時間だ。


ザ・病院食という感じの質素な朝食を食べ終え、少し勉強してからリハビリをこなす。まだ松葉杖が必要だが前よりはましになった。右手を骨折しているため利き手が使えないという不便があるものの俺の不注意が招いた結果なので文句は言えない。






(俊の通う学校では……)

(夏樹花恋視点)

俊から聞きましたが、明日俊は退院してあさってから登校するみたいです。とっても楽しみです!

俊の居ない学校なんて具のないおにぎりよりも嫌です! 話が変わりますが、あの具のないおにぎり、しかも塩味も聞いてないやつってなんのためにあるんでしょうか? まぁ、それはおいといてとりあえず俊が居ないのでとてもつまらないです。


「明日からは俊のお世話をしてあげないと!」

女神様は静かに投資を燃やしていた。




(芝田愛海視点)

「はぁ⋯⋯。」

一体ため息をつくのは今日で何回目だろう⋯⋯。だってさ? 俊が居ないんだよ? 分からないんだろうなこの辛さ。本当に嫌だ。でも、明後日からはまた俊と一緒に話せるし、それを楽しみに⋯⋯って考えてみるんだけどやっぱり嫌だ。


「愛海ちゃん。どうしたの? 最近ため息ばかりだけど。」

茉莉奈まりな先輩⋯⋯。いえ、なんでもないです。ごめんなさい。」

「そう? でも何かあったら言ってね。私でよければ相談乗るし。」

「はい。ありがとうございます。」

この人は生徒会長の福田茉莉奈先輩。二年生だ。

バレーをやってるため身長は高く、髪の毛はポニーテールでくくっている。余談だがうちの生徒会は生徒会長一名、生徒会副会長二名、書記、会計が一名ずつとその補佐が一名ずつの計七名で構成されている。


生徒会長はさっき言ったように二年生の福田茉莉奈先輩。副会長は愛海と、二年生の葉月はづき真悠まゆう先輩。書記は二年生の宮本翔真みやもとしょうま先輩。会計は二年生の神林健太かんばやしけんた先輩。そして書記補佐が一年の栖川莉々菜すがわりりな。会計補佐は一年の神明茜しんみょうあかねの七名だ。


話を戻すけど、とりあえず俊が登校するのが待ち遠しいっ!



----------------------------------------------------------

こんにちはー麝香いちごでございますっ!


今回も『スクールカースト最底辺の俺が何故か美少女達に好かれている』を読んで下さりありがとですっ!


これから、Twitterで情報を呟こうと思うので、

@ichigo_jako8810の方をフォローしていただければ嬉しいです!(勿論近況ノートにも情報は言っていきますが⋯⋯)


よろしくお願いします!













  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る