第11話 「成り行きで美少女とプールに行くことになった」

前回の回想から現代に戻っています!

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俺は愛海が好いてくれる理由を一通り聞き終え、一人納得していた。

「そうだったんだ……。ありがと。教えてくれて。俺は──────。」

俺はその続きを言おうとした。だが、愛海に口を防がれ、口にすることが出来なかった。

「まだ……。返事はいい……。ちゃんとあの時のこと、思い出してからでいい……。」

「あの時……? 俺は覚えてるぞ?」

「そうじゃない。これは……まだ言えないけど……。」

何か……俺には言えない何かがあるのだろう。その〝何か〟が気にならないといえば嘘になるがあまり聞かない方が良いのだろう。

 「じゃあ、帰ろうか。愛海」

「……へ?」

「ん? あ……。」

やってしまった! こんな言い方したら誘ってるみたいじゃねえか! うわぁ……。愛海はなんか嬉しそうにくねくねしてる……。まぁ、愛海が喜んでくれるなら良かったかな?

 

 そして俺たちは二人並んで帰った。周りの人間はほとんど俺たちがカップルだと勘違いしていたようだが、残念ながらそうではないのだ。


季節は夏。七月の初め。あと二十日ほどでリア充待望の夏休みだ。俺はあまり楽しみでもない。暑いし、蝉うるさいし、宿題多いし。暇だし。何故リア充達はここまで夏休みが好きなのだろうか? 理解に苦しむ。


「そういえば俊くんって、夏休みの予定とかあるの?」

唐突に愛海がそう訪ねてきた。まぁ、この俺に予定なんてあるはずもない。

「ないけど?」

「なんでちょっと自慢げなの……。」

「はぁ……。」と、愛海は呆れたように、だが、僅かに唇を綻ばせて嬉しそうに嘆息した。

「それがどうした?」

愛海はまるで「良くぞ聞いてくれた!」とでも言いたげな表情でまたくねくねし始めた。

なんだよその動き⋯⋯。可愛いな。おい!

「あのね、夏休みなんだけど⋯⋯。ここ行かない?」

愛海がそう言って俺に渡してきたのは今朝渡されたプールの招待券だ。

「あー。プール⋯⋯。」

「いやなの?」

正直言って嫌だな。だってプールとか海とかはリア充の集まる場所だろ? 人多いし、俺は水は好きだし、泳ぐのも好きなんだが、どうも娯楽のプールに行くのは嫌いだ。もう、なんぱとか嫌だしな。


「ねぇ⋯⋯。ダメ?」

「!⋯⋯」

その表情はずるいよ⋯⋯。愛海は頬を紅潮させながら上目遣いで可愛らしく見つめてきている。美少女の愛海がこんな表情で見つめてきたら「嫌だ」なんて口にできるはずがない。

「いいよ⋯⋯。」

「うへへ。やった〜。」

次は先程までの表情とは違い、子供のようなあどけなく、へにゃっとした笑顔で心底嬉しそうにそう言っていた。


結局プールには8月の3日に行くことになった。メンバーは今のところ愛海と俺だけだが、愛海がもしかしたら増えるかもと言っていた。俺としては増えて欲しくない。何故なら愛海の友達はどうせリア充だろうから。


俺の周りは本当に美少女が多いな⋯⋯。

ブロンドのロングヘアで、肌が透き通るように白い夏樹花恋。


明るい茶髪のセミロングで、小柄ではあるが、女性らしく華奢な芝田愛海。


認めたくはないが、あいつも美少女だろう。

黒髪のショートヘア。肌はこんがりと日焼けしており、いかにもスポーツ系女子という感じの忌々しき幼なじみ。今井七海。

若しかするとあいつは俺よりも体格がいいかもしれない。俺は運動なんてかけ離れすぎているため、体は男子とは思えないほど華奢で、肌も女子のように白い。こんな自分は嫌だ。とは思っているが、実際に運動しようとすると、5分走っただけでゼェゼェと息切れしてしまい、結局続けることは出来ない。


だが、スイミングをしている時は例外だ。泳いでいると、疲労感よりも楽しさの方が勝って、疲労をあまり感じない。


兎に角だ。俺は最悪だが、プールに行かないといけない。時間が経って自然消滅とかは……無いだろうな。だって見てみろよ! 愛海なんてまた嬉しそうに体をくねくねささてやがるし! クソっ! そんな可愛いことされたら『最悪』だなんて思わなくなるだろ!


はぁ……。夏休みが一層憂鬱だ。


★★★(芝田愛海視点)

昨日何とか俊くんとプールに行く約束を取り付けることに成功した! これで、愛海の水着姿を披露して!

「えへへへ〜。」

「あの⋯⋯。気持ち悪いよ⋯⋯。愛海⋯⋯。」

おっと⋯⋯。どうやら口に出てたみたい。でも、嬉しすぎて⋯⋯。

「愛海⋯⋯。なんかいいことでもあったの?」

愛海の親友の心葉ここはがそう聞いてきた。心葉はこの高校に入って、他校生で一番初めに話した子だから、入学式からのお友達。


「えへへ〜。俊くんとプール行く〜。」

「なっ!」

はっはっはっ! やってやったぜ! こればかりはいくら親友といえども譲ってられないからね! 実は心葉も俊くんのことが気になってるみたいで、以前相談されたの。まぁ、愛海は「じゃあ、ライバルだね!」しか言ってないけど。


でも、本当にライバルが多いんだよね。大変。今のところ表立ってアピールしてるのは愛海の他には花恋くらいだけど本当はさっきみたいに心葉もそうだし、というか、俊くんはうちの学校で多分一、二を争うくらいモテてると思う。まぁ、本人は何も気づいてないみたいだけど⋯⋯。


これで私が一歩リードだ!


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こんにちは! 麝香いちごです! お久しぶりです!


私事ですが! 志望校が変わりました! (自分は今中3です。)


以前は私立のそこそこの所を目指していましたが、公立の県内トップ(偏差値73か74くらい)の所でA判定が出たのと、通学時間も考えてそっちにしました!


皆さんは何か将来の夢とかありませんか?

もし良ければコメントしてください!


いつも読んでくださってる皆さんありがとうございます!


『スクールカースト最底辺の俺がなぜか美少女達に好かれている』が、2000PV突破しました!


これからも頑張るので、応援よろしくお願いします!


麝香いちごでした!

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