第2話 白ワイン
今回は白ワインを飲んだ。私は基本ワインは肉料理のときに飲むことが多いので、必然的に赤、特にフルボディ。外国産の牛肉に負けないような存在感のあるワインを飲むことが多い。だが、魚料理の際にワインを飲んでみることにした。スズキのフリットというとても淡白な料理だったのであまり組み合わせを考えることなく選んだ。
CASA MASCHITOというワイナリーのモスカート種を使った白ワインだ。
不勉強で存じ上げなかったワイナリーなのだが、後で調べたところイタリアのバジリカータに畑を構えていた。バジリカータといえば赤、アリアニコ種のワインが有名ではあるが、他のイメージは無かった。
さて一口。口に含んでみると、驚くほどのマスカットのような白ぶどうの香りが鼻から抜けていった。モスカートによくあるデザートワインやアペリティフ用の甘いワインとは違い、スッキリとしたやや辛口のワイン。それでいて凄くフルーティーで、どこかディルのような香草に近い香りもする。正直なところまだまだ嗅ぎ分けられるほど経験をつんでいないので的外れかもしれないが、このワインを飲んですごく感動した。そして、これが二千円台のワインかと衝撃を受けた。
以上ノンフィクション
以下フィクション
今日はワインを開けた。友人のススメで買った白ワインだったが、栓を抜いた瞬間に爽やかなフルーツの香りが漂ってきた。これは失敗したか?料理に合わせるつもりだったが、これは食前酒向きじゃないのか。そう思って一口飲んでみれば、驚くほど爽やかだ。甘さはなく、香りも最初に思ったほど甘ったるくない。魚…いや、貝を使ってパスタにしよう。
急いで栓を閉め直して冷凍庫へ入れる。これはキンキンに冷やしたほうが美味いに違いない。
冷やしている間にパスタソースを作る。フライパンにオリーブオイルを引き、刻んだにんにく、鷹の爪を一本入れる。玉ねぎをスライスし、水菜を一口大に切る。
油に充分香りが移ったら鷹の爪は取り出して、玉ねぎ、水菜を入れて火を通す。電子レンジで少し解凍しておいた冷凍アサリと白ワイン、お湯で溶いた固形コンソメをフライパンに加えて蓋をし、弱火で煮詰めていく。あ、白ワインは業務用の安いやつだ。
パスタはロングパスタ。バーミセリーという細めのパスタだ。スパゲッティの半分ほどの細さのパスタといったほうが伝わりやすいか。それを鍋で茹でていく。塩気は気持ち強めで。細い分茹で時間は短いのでさくっと茹で上がると、少しの茹で汁と一緒に先程のフライパンに移し、フライパンの火を落とす。
汁気は少し多いが、その分混ざりやすい。混ざったら深めの器に移して、刻んだパセリを散らして完成。
スープボンゴレビアンコだ。細いパスタを使うことで沢山のスープを巻き込めるようにした。水菜の緑が綺麗に出ていて、我ながらいい出来だった。
冷やしていたワインを、これまた冷やしたグラスに注いで一口。そしてパスタを一口。アサリの味が出ていてかなり美味い。これならコンソメは要らなかったかとも思うが、ソースに塩やら調味料は全く入れていなかったし、味に深みを出すためにもアリっちゃアリか。塩気は固形コンソメと茹で汁で事足りたようで問題なし。ピリリと辛い口の中を、白ワインが華やかな香りとともにキレイに流していく。やっぱりサッパリとしたワインにはサッパリとした料理がいい。塩ソースで味付けしたチキン…いやホロホロ鳥あたりも良いかもしれない。なかなかこの辺りで手に入れるのは大変だが。機会があれば試してみたいものだ。
誤字があっても大体酔っ払ってるせい。良い言い訳が出来た。
酔っぱらいの眼鏡に映るものは teardrop. @tearseyes13
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