酔っぱらいの眼鏡に映るものは

teardrop.

第1話 安物のウイスキー

セブンのウィスキーを買ってみた。サントリーとの共同開発?一緒に名前が書いてあった。真っ赤なスパイスのきいたパスタを食べながら、ストレート、ロック、レモンと炭酸でハイボールで。


度数は37。味の感想としてはアルコール感がツンとは来ないものの、匂いは結構する。トリスよりは旨いけれど、正直特別旨いウィスキーではない。まあ買う前から分かっていたことだし期待もしていなかったけれど。香りも薄ければピートも全く感じない。余韻の苦味がそれなんだろうけど、良い香りと判別出来るほどではなかった。味は相当甘い感じで、初心者に勧めるとか、酔っぱらうだけのためならいいのかもしれない。初心者にこそいいものを進めたほうがいいような気もするけれど。まあ比較的とっつきやすい酒であることは間違いない。

バニラアイスにかけてみたり、ウィスキーショコラやパウンドケーキのような製菓用に使うのもありかもしれない。癖が強くないしスモーキーじゃないというのはある種の強みでもあるわけだし。

油気と塩気の強いものを流し込むのにもいいのかも?。ハイボール用かな。まあこの時期ビールのほうがいいけど。


以上ノンフィクション。

―――――――――――――――――――

以下フィクション。



今日はハイボール片手に映画鑑賞。もっとも時間もあまりないので夕食と同時並行だ。なんとも味気ないというかなんというか・・・。イヤホンで聞きながら調理だなんて。


まずはソーセージを焼く。本当はボイルする方がおいしく食べられると物の本で読んだ気がするが、知ったことじゃねえ。鼻歌交じりにオリーブオイルを引いたフライパンに、大きめのソーセージを入れる。大きいのが重要だ。小さくても、普通でもダメ。大きければ大きいほどいい。そのほうが美味いからな。

焼いている間に次の作業だ。画面では主人公の父親がいきなり撃たれて死んでいるが、ボウルに常温で放置しておいたバターに練りからし、粒マスタード、細かく刻んだきゅうりのピクルスを入れる。からしは好みで量を調整すること。もちろんからし好きな俺はたっぷり入れる。マスタードも同様。日本で売ってるマスタードってのは何故か辛くないんだよな。

ピクルスは安い時に買っておいたきゅうりとニンジン、セロリを自家製液に漬け込んだお手製だ。もちろん市販のピクルスでもいいけれど、それだと甘いので俺は使わない。香りもイマイチだし、一度自作して美味いのが作れたら二度と買おうとは思わない。

さらに少しの塩と砕いた乾燥バジルを入れ、具材を混ぜ合わせたら、次の工程だ。

取り出したるはコッペパン。夜だから値引き対象だった。画面では主人公が裏切られてCIAに拷問されているが、味無しのパンに主人公の足にされているような切り込みをさっと入れていく。横から見たら細いVの字を書くように二回包丁を通すと、パンの切れ端が完成する。それは胃の中にしまっておいて、切れ込みの内部に先ほどの特製ソースを塗りたくる。そこへちぎったレタス、焼きあがったソーセージを挟み込む。

最後に真っ赤なケチャップをかけて完成だ。


ホットドッグ!マスタードは上からかけずにパンに塗るのが俺流である。バターと練ることで塩気が馴染む上に、ソーセージの熱で溶けてパンに染み込んでいくのだ。

後は冷凍唐揚げを解凍して終了。唐揚げなんて自分では揚げないよ。買ったほうが安いし揚げ具合が均一で美味いもの。


「くはーっ!生き返る!」

ハイボールを片手に映画鑑賞。まあ作りながら飲んでいたので二杯目だが、気分は一杯目。映画は洋画+字幕派なので、画面を見ていないとたまに内容が分からなくなる。もちろん英語ならある程度は分かるが、映画みたいに崩れた英語やらスラングやらポルトガル訛りの英語なんざ聞き取れるわけがないので。

ホットドッグをかじり、一杯あおる。

唐揚げをつまみ、一杯あおる。

至福のひとときである。

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