返信が遅くなりました。
この度は、こちらの要望通り『プロモード』でのご書評を頂けたこと、感謝いたします。本作は完結から2年以上が経過しており、これ自体はもうあまり弄る予定はないのですが、次に執筆するものは間口を広げたいと考えております故、少しでも多くの反省点を洗い出したく、今回書評をお願いした次第でございます。
>王国暦について
冒頭に"王国"暦と書くことで中世ヨーロッパ風の世界を連想させられる……かは人によるとしても、少なくとも封建制が幅を利かせる時代背景をイメージさせられるだろうという狙いがありました。
冒頭にダラダラと世界観の説明を書き連ねるのは、書き手としても読み手としても苦手でして、最初に大雑把なイメージだけ伝えて後から細かい設定を小出しにしていくのが良いだろうという考えから、その最初に伝える大雑把なイメージが"王国"という単語だったというわけです。
王国暦の意味は本当にそれだけであり、先の物語でも最後までそれについて触れられることはありません。暦の年数も全く適当です(笑)
ただ、現代でも国王が現存する国はあるので"王国"という単語一つ汗でそんな時代背景を連想させるのは無理がある、などと言われてしまえば返す言葉もないですね(汗)
もしこれがこちらの思惑を全く発揮することなく、読み手側にとってのただのしこリになってしまっているだけなのであれば、考え直さねばならないと思うところです。
>プロローグについて
"これから始まるのは昔語りである"という前置き的説明が必要だと考えたところから始まっております。
この部分は300文字程度であり、2話からスタートしても冒頭に同種の前置きは必要になっただろうと考えております。
回想形式にした理由は、2話が8~9歳児の主人公の独白で話を語るのは無理があると考えたため、大人になった彼女のモノローグで語ってもらう形式に決めたというものですね。
そもそも全編回想形式にする必要があったのか? 三人称で書けばよかったのでは? という指摘を受けたこともあり、私もそれらの指摘が的外れであるとは思っていませんが、私自身どの形式も一長一短であり、どれがベストだと言い切れないものだと考えているのが現状です。
ただ、プロローグがもっと話に興味が沸く内容であるべき、というご指摘はその通りかと思いますので、書き方や内容について今一度考えてみるのも良いと思っております。
>4話について
このご指摘を頂いた箇所は、私自身が自覚のないまま脳内補完で繋いでしまっていた部分があったかもしれません。
よくよく見なおして、今後の執筆でも気を付けていきたいと思います。
>兄妹の描き方について
苦しい生活を共にしてきた兄妹、されど苦しさは兄妹の絆をより固くし、どれだけ追い詰められても自身より互いを気遣い支え合う。
そんな設定の作品をよく見てきたのですが、私自身それらに大いに不満がありまして、今回の物語にはその不満を吐き出したような形になっていたと思います。
そうじゃないだろ、人って言うのは元来もっと弱いものだろ、と。自分が苦しくても他人の方を優先できるというのは、それは美しいことなのだけど、そこをスタートラインにしちゃ面白くないだろ、と。最初からそんな強さを持っていたら、その強さが、美しさが安っぽく見えちゃうだろ、と。
最初は弱くて、その弱さにすら言い訳して認めたがらない人間が、それを自覚して、乗り越えて、前に進んで強くなっていく話の方が面白いじゃないか、と。
そんな私の独りよがりな不満が生んだのがこの兄妹です。
例えるなら、ダイよりポップが好きなのですよ(この例えで通じますかね? 笑)
だから、妹側にも悪いところがあるのは彼女の弱さであり、だってしょうがないじゃないと言い訳を続けるのも意図的に描いた弱さなのです。
それは兄側も同じであり、彼も悪者などではなく、どちらかがもう少し相手の感情に歩み寄ることができていたら復讐劇も起きなかったかもしれないという話なのです。
ただ、この"弱さ"の加減が私的には同情できる許容範囲だと思って書いていたものだったのですが、共感できないと言われる読者さんも結構な割合でいらっしゃるのが現状なので、そこをどうするべきかは課題と考えております。
今作は、すれ違いから復讐に奔る兄妹の悲劇の物語であり、悪人に復讐を果たすカタルシスを売りにする話とは全く方向性が違うものであります。
読み進めても、復讐が気持ちよく行われるような展開へは進んではいきません。
「それって面白いの?」と問われれば「面白いと思ったから書いた」と答えるわけですが、現時点までで響かない人には全く響かないようで「この話は何がしたいのかわからん」とまで言われたことがある有様なので、この先の執筆で自分がどこに向かうべきなのか、色々考えているところです。
主人公に共感できない問題も、境遇等の設定だけではなく、私自身の描写や表現の力量不足が招いたものと考えることもできると思います。
あるいは、共感できないままでも面白く読み進ませることができればそれで良いわけなので、そちらの手段を考えるべきなのかもしれません。
今後、より多くの読者の心を掴むには、まだまだ見聞を広めていかねばと痛感しております。
次に書く物語も、似たような作風の話を予定していますので、今作の課題を同様に残したままにしないようできる限り考えていきたいです。
この度は読んで頂き、どうもありがとうございました!
頂いたご指摘は胸に刻んで、この先の執筆に挑みたいと思います。
作者からの返信
MSTさん
コメありがとうございます!
熱きエネルギーが伝わってきます。
一番パッと感じたのは、大きくなった後の妹の被害者→被害者面になるところですね……たぶん、そこが共感できないとなるポイントなのではと、感じました。残念ながら、DVを受けていながら離婚できずにいる妻に共感しづらいのと同じで、心理学的な見地から見てようやく理解できるという状況なので、そこをごり押しして上手くいくとは考えにくいですね。
チャレンジしたいという気持ちが強そうなので、3人称に変えてみたり、時代背景で言うと、逆に妹を養わないといけない兄、なんで? みたいな逆視点で作ってもよいかもですね。
このお話、ずっと心に残っています。キャッチコピーに全て書かれているので、ラストまでのストーリーを予想した上で読めるという安心感があったのかもしれません。いい意味で、お互いに救いのあるラストだったからかもしれません。
いろいろな兄妹の形があるな~という感想です。
作者からの返信
朝斗 真名さん
コメントありがとうございます。
良いですね。全部読んだら違う感覚になったのかもしれませんね。
作者さん的にすごく嬉しい言葉だと思います。