『小国の王太子、美人だが有能ゆえ男に嫌われる選帝公ご令嬢と結婚する。』モモさん

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(尾崎ゆうじの)

『第5回小説の「続きが気になる度」を評価してみた』


 評価シート


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作者さんへ……このたびは企画にご参加いただきありがとうございます。

読者さんへ……本ページにお越しいただきありがとうございます。

      この作品良さそう、と思ったら作者さん並びに尾崎のフォローをお願い致します。



1 作品タイトル『小国の王太子、美人だが有能ゆえ男に嫌われる選帝公ご令嬢と結婚する。』

作者名:モモさん

 作品リンク

https://kakuyomu.jp/works/1177354054897115581

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2 本作のキャッチコピーとあらすじ引用(抜粋)

 

(キャッチコピー引用)

 婚約破棄された優秀な大貴族令嬢が小国の王太子に嫁ぐお話


(あらすじ引用)

第2王子アルベルトは本の虫を目指し、王立図書館の司書を狙っていたが兄が死亡し、王太子に任じられてしまった。しかも、王も病で倒れてしまった上に美人だが男に嫌われている選帝公のご令嬢が嫁いでくる事に。

そんな不本意ながらも王太子となった彼が幼馴染みの従者と嫁とともに王国を躍進させ……られれば良いなと言うお話です


(以上、引用でした)

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3 尾崎が作品を最初に読んだ日: 


 2020年 10月 15日 



4 各項目の評価・採点(各最高15ポイント(⑦のみ10ポイント)):


・評価モードはノーマルです。


 作者さんからの要望はなかったので、本当にいつも通りの書評になります。プロモードの後だったので、ほっとしています。


※評価モード・採点基準について知りたい方はこちら

https://kakuyomu.jp/works/1177354054914254604/episodes/1177354054933984345


 今回時間内で読めた範囲は、序章の部分の2話ですね。2話目の途中で時間が過ぎたのですが、最後の方は少し流し読みになりました。読みが甘くなっている可能性はあります。すみません。



①[タイトルやあらすじなど……10pt/15pt]


 タイトル、ちょっと読み取りづらいですが、内容としては魅力的に感じます。有能だけどその力を発揮できない環境にあるご令嬢、という部分に惹かれる方はいると思います。


 王太子のすぐあとにご令嬢の説明がくるから読みづらいのかなと思います。内容を読んだうえでの提案としては、王太子の方が主役になるなら『美人だが~~~ご令嬢をめとった王太子』だとか(あくまで例です、良いのが思いつかない)、どちらがメインなのかをはっきり読み取れるようにした方が、より伝わるかなと思います。令嬢がメインなら『美人だが~~~ご令嬢が狙われし小国の王太子に嫁ぐ』といった感じにするといいんじゃないかと。あくまで提案です。もしピンときたら、これをもとにいろいろ考えてみたください。


 キャッチは可もなく不可もなくという感じかなと思います。ある種、タイトルをなぞっているだけのようにも感じるので、嫁いだあとでどうなるか、小国の現状は、といった情報を補填するような内容を組み込む方が理想だと思いました。


 雰囲気から言うと女性向けの作品かと思うのですが、どちらに対して寄っていくかによってタイトルとキャッチも変わっていくと思うので、内容と照らし合わせて「どっちかなー」と考えながら、思いついたら変更かけたりするのもアリだと思います。私は女性向けだと思いながら読んだんですけど、アルベルト視点もけっこうゴツいので、どっちかわかんなくなってます。


 あらすじはけっこう良いですね。ちょっとだけアピールが弱めな気はします。これも想定読者の問題が絡んでいる可能性がありますね。いかがでしょうか。

 


②[掴み……9pt/15pt]


 ナーロッパ、良いですね笑 フィクション感がわかりやすいし、ほっこりします。


 まずはアリシア視点ということで、頭が切れる女性キャラ、いいですね。共感できる女性は多そう。


 ただ、最初の方で『自分たちがどこの国の所属(?)なのか』は明示したほうがよいと思いました。後々の文章を読んでいくとなんとなくわかるんですけど、やっぱりハイファンタジーなので、読者に対して主人公の立ち位置はハッキリ提示しておかないと、もやもやします。


 国名がたくさん登場するので、よりいっそう注意ですね。AとBだけの対立だったら、Aの話だけをすれば、自分たちがB側であると提示できますが、本作の場合はA~Eくらいまで会話に登場するので、かなり複雑。


「どれが私にとって重要な国なんだろう?」と考えながら読むのは大変です。「あなたに重要なのはこの国です」と提示してもらえると一気に読みやすくなりますね。

 

 あとあまり詳しくなくて恐縮ですが、検索すると『選帝侯』ばかり登場するので、実際のところどうなんだろうと感じました。もしもあれ? と思ったら、チェックしてみてほしいです。もしかして、本作オリジナルの身分とかでしょうか。それならばいいのかな。


 

③[文章……7pt/15pt]


 ちょっと読みづらいなと思ってしまいました。固有名詞がたくさん登場するのは別として、もう少し読者に必要な情報はどれか選別し、スリムにする余地はありそうです。令嬢アリシアのキレッキレの感じは魅力的なのですが、どうしても文章量も多いうえ知らない情報もたくさん出てくるので、ストーリー進行を気にしつつも魅力を残したうえで、もっと磨き上げられないか考えてみてほしいです。


 例えば、第1話でサイラスが語っていることを、後からアルベルトも語ってますよね。だったらサイラスの方を削るか、アルベルトを削るかしても大丈夫なはず。情報の補足になるものなら必要ですが、ほぼ同じ情報を別の人間が改めて語っても無駄だし「もうそれ知ってるよ」と読者に言われてしまいます。

 

 作者さんの目的を果たすために必要なことと、読者が喜ぶことの両方の目で読んで、最適解を見つけてもらえたらいいかなと思います。


 あと、すこし文章的なミスが散見されますね。ハイファンタジーの場合、読者のまったく知らない世界を伝えていかないといけないので、小さなミスが大きな誤解を生んだり、世界構築を阻害したりと、厄介です。気をつけてほしいです。


 すでに改稿したのだと思いますが、時間のある時にもう一度読み直すことをお勧めします。手間がかかりますが、あきらめないで。


 ※ちなみに『ハイファンタジーの描写には気をつけよう』というお話は、明日か明後日あたりのゼロから講座でお話すると思います。良ければチェックしてみてください。

 


④[ストーリー……10pt/15pt]


 面白そうではあります。あらすじやキャッチを読むかぎりでは、巷にあふれているテーマをなぞっているだけかなあと思ったのですが、やや軍事や政治に寄っている感じで、女性向けとしては(本当に女性向け?)あまり類を見ない切れ味かなあと思いました。


 とはいえ情報が序盤から多いので、読み進めるのは結構大変でした。企画向きじゃないかもしれませんね。一応キレッキレ系の物語の場合は論理矛盾が無いかとか探しながら読むんですけど、本作でそれをやったらすごく時間を要しますね汗 


 各話の締め方としては、どちらも良い感じだと思います。特に2話目の終わり方は良い感じですね。


⑤[キャラクター……9pt/15pt]


 アリシアもアルベルトも、なかなか良いキャラクターですね。アリシアに関しては、共感できる人とできない人が大きく分かれそうですが、中途半端よりはずっと良いと思います。


 アルベルトと従者の関係性が、ちょっと不思議ですね。一応前もって説明が欲しいです。仮にも王太子で現在王様代理のような状態にある身分の人間に対し、当たり前のように従者がタメ口をきいてしまっているのは、やはりちょっと違和感。何か2人だけの関係性があるのだと思うのですが、そういう違和感を与えないためにも、前もって「従者は従者だが、アルベルトの幼少のころから世話をしており、アルベルト自身が家族のように接しろと命じているため、砕けた言葉を使っている」みたいなフォローはしておいたほうが良さそうです。違和感は早めに払拭させたいところですね。



⑥[オリジナリティ、本作特有の魅力など……8pt/15pt]


 うーん。ちょっと序盤だけでは判断がつかないですが、やはりアリシアのキレッキレ具合はオリジナリティとみなせる気がします。


 あとは小国、ですよねやっぱり。そこに対していろんな圧力だとかトラブルが降りかかってくるも……という展開になるのだと信じて、そこが本作の魅力だろうと言っておきます。



⑦[続きが気になる度……6pt/10pt]


 実はけっこう気になってます。とはいえ「本当はどんな感じなのか確かめたい」という気持ちも多く含まれているので、純粋な気になる度としては、半々くらいなのかなと感じました。すみません。



[おさらい]

・タイトルやあらすじなど……10pt

・掴み……9pt

・文章……7pt

・ストーリー……10pt

・キャラクター……9pt

・オリジナリティ、本作特有の魅力など……8pt

・続きが気になる度……6pt



5 総合得点は──


(59)pt!


【最後に一言】


 序盤の情報量の多さがネックとなっていそうですね。上手くバランスを取りつつ処理できれば、良い作品になりそう。


 国力系(なにそれ)とか、そういう感じ知略を巡らせる作品って、読むのは大変だなーと思うことが多いのですが、好きな部類の作品ではあります。頭の良い人になりたい、という叶わぬニーズがそこにあるのだと思います(私事でございました)。



6 読者のみなさまへ:


 → バリキャリというか、そういう女性にあこがれる方はチェックしてみると楽しいかもしれません。まだ肝心の部分まで読めてないので、自信を持って言えないことが痛いですけど……。



 以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!

 気になった方は、ぜひ↓のリンクからこの作品を読んでみてくださいね!

https://kakuyomu.jp/works/1177354054897115581



 では、次の作品紹介をお楽しみに! 

 


創作コーチ

尾崎ゆうじ

(note) https://note.com/ozaki_yuji

(youtube) https://www.youtube.com/channel/UCu54sC6pviWQUC1eA6dqDKg/featured?view_as=subscriber 

 ※初級者向けの『ゼロから講座』は、主にyoutubeとカクヨムにて実施しています!

 

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