☆『紙のない世界の作家さん』江沼ラムネ
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第4回気になるどープロジェクト 評価シート
1 作品タイトル『紙のない世界の作家さん』
作者名:江沼ラムネ
2 作品のリンクはこちら↓
https://kakuyomu.jp/works/1177354054918705488
3 尾崎が作品を最初に読んだ日:
2020年 9月 13日
4 メモ(感じたこと、作品内容など):
① 今回は特に作者さんからの要望がないということで、いつもどおりに。
第1話と第2話まで読みましたので、そこまでの中での感想を述べていきたいと思います。
② (良かった点)
(1) タイトル
『紙のない世界』でその『作家さん』がどんなことをするんだろうなあという疑問がわいて、良いタイトルだなあと思いました。
(2)世界設定と、紙に触れた少年の反応
世界設定が複雑で、ふつうは考えないだろうなという舞台です。一人の少年が森(森じゃないけど)に迷い込み、現代では消滅してしまったはずの紙の本を大量に保管している『図書館』を見つけてしまうという話です。
そこで紙に書いてある文章(内容は読めない)から不思議と何かを感じ取った少年は……という部分が、「ああ、自分がもしもそういう世界に住んでいたら、そんな反応になるかもなあ」と、妙に納得しました。
(3)語り手という挑戦
おそらく勇気を要するところだったろうと思いますが、語り手という第3者の視点(神視点ではない)を用いた書き方をしており、意欲的だなあと感じました。先に言っておくと、あまり成功はしてないかなあと思いましたけど…意欲は素晴らしい。
③ (全体を通して気になる点・主な指摘事項)
(1)キャッチコピーとあらすじ
3要素に関して、この2つにあまり魅力を感じませんでした。一応、動画でもいくらか語ってます。目標があるのはいいけれど、じゃあその世界でわざわざ紙という概念を復活させる意味があるのか。その理由が何なのかといったことが盛り込まれていると、もう少し魅力的かなと思います。
(2)語り手さんの是非
先にも書いたとおり、語り手という第3者視点で物語を進行させていくことに対して、あまりプラスになっていることはないかなと思いました。なぜ語り手さんが語る必要があるのかは、ある程度想像ができるのですが……妖精さんの言動についてスムーズに説明するための存在として語り手さんが要るのであれば、ほかにも方法はあると思いますよ、ということを動画で語ってます。
(3)妖精さんのキャラ
完全に好みの問題かもしれませんが、あんまり好きじゃない人物です。根本的な性格は軽い感じのキャラクターでむしろ好きなのですが、わざとらしく唐突にキャラ付けする箇所はちょっと嫌いです。
久しく人間と会っていなかったことではしゃぐのはわかりますが、突飛な行動をとる際には、それなりのフォローはしてほしいと思います。そのフォロー役として語り手さんは充分な仕事ができていないように感じるので、いっそう妖精さんの言動が悪起ちしてますね。かわいそうに。
(4)世界の説明
第1話で世界の説明がなされているのですが、結構複雑な世界なので、何も知らない読者に紹介するにあたっては、もう少し改稿が必要だと感じました。
文章構成を練ることもそうだし、たった一語の使い方でも大きな誤解を招いたり、理解を阻害するおそれもあるので、もっと丁寧に読者を案内してくれると良いと思います。
あとは動画も観てくださいね。
☆もっと詳細が知りたい方は、こちらのyoutube動画をご覧ください。
口下手の尾崎ゆうじが一生懸命細かく解説しています。(だらだらしてるので倍速再生推奨!)
動画のリンク↓
https://youtu.be/WuRxqI6ZZF8
では、採点に移ります!
5 この作品の『 続きが気になる度 』は……
…
……
…………
【20%】です!
タイトルは惹かれる要素があったのですが、現状ではトータルでタイトル負けしてしまっている感があります…残念。
なんか、フィクションを書くことへの恥じらいのようなものを感じます。どうせ匿名の世界なのだから、せっかくならばリアルとは別の人間になりきって、がんがん開放してはいかがか。
というのも、その気持ちが大いにわかるんですよね。
私も小説を書き始めた初期のころは経験があって、3人称で作品を書く際に、妙にキャラの行動に対して言い訳めいた文章を書いてみたり、余計すぎるメタ表現をしてみたり、ということをやっていた気がします。そういう時って、「自分、何を真面目にこんなこと書いてるんだろう、恥ずっ!」といった恥じらいみたいなものを感じている時なんですよね。
その状態だと、おそらく自分で自分の作品を読み直すのもキツイはず。内容にはほとんど触れず、文章が間違っていないかだけチェックしたりね。
でも最初の頃って、そんなものですから。気落ちすることなく、常に全力で、書きたいものを書きたいように書いて、気が向いたら自分でも客観的に読み直して、それで完成だと感じたらそれが正解ですし、そうじゃなくて「読者に楽しく読んでもらいたいなー」と思ったら、改善するところは改善するしかないんですよね。
その際は、どこを改善したらいいかなと、なるべく具体的に自分でピックアップしてくといいかなと思います。
けっこうちゃんと書けているなあと感じる部分も同時にチェックして、成長が見られるならば自分を労ってあげることも忘れずに。
6 読者のみなさまへ:
→ 個人的にはあまりおすすめじゃないんですけど…少し変わったタイプの作品を読んでみたいとか、あるいは特殊な視点の作品を書いてみたいと考えている作者さんは、ひとつのサンプルとして参考にしてみるのも良いかと。
以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!
気になった方は、ぜひ↓のリンクからこの作品を読んでみてくださいね!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054918705488
では、次の作品紹介をお楽しみに!
尾崎ゆうじでした!
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