☆『1単位から始める魔法学園生活』山城

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 第3回気になるどープロジェクト 評価シート



1 作品タイトル『1単位から始める魔法学園生活』

作者名:山城


2 作品のリンクはこちら↓

 

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054895926895


3 尾崎が作品を最初に読んだ日: 


 2020年 9月 2日 


4 メモ(感じたこと、作品内容など):


① 今日も特に要望なしで、いつも通り読みました。


 最初に『10万字までのあらすじ』がありましたが、おそらくコンクール応募用のものだと思ったので無視して、第1話から読みました。トータルで言うと、一応なんとか2話目までは読みました。



② (良かった点)


(1) ネタが良い


 単位がすべて、という魔法の学園生活らしいです。キャッチコピーを見るだけでも、その単位の重要性を想像できます(これはすごい)。テストの成績などによって単位が得られるらしいのですが、それを賭けて魔法で勝負することができるというシステムになっております。


 どういう物語か大体の想像はつくけども、実際のところはどうなのかなぁ…という感じのちょうどよい加減のネタで、それをきちんとタイトルやキャッチコピーで上手く活用できているところが素晴らしい。

   


(2) 主人公への共感


 主人公がこの学校に入学した理由などが紹介されているのですが、それだけでも良い奴だなあと共感できました。きちんと読者が物語に入り込むための土台はできていると感じます。



(3) 設定の良さ


 『ネタが良い』という評価と地続きですが、『単位を奪い合う戦いがある』ことの延長線上に『ロードオブカナン』と称される頂上決戦があって、それに勝てば任意の褒賞がもらえる──という設定が良いなと思いました。


 頂上で戦う主人公のイメージが湧くので、漠然とした目的の物語よりも圧倒的に有利だと思います。これさえクリアすれば万事解決! という希望の画が見えますよね。魚影のまったく見えない静かな湖畔よりも、魚影が見えて水ハネの音がする川の方が、釣りたい気持ちが高まるじゃないですか。そういう心理だと思います。



(4) 2話目の展開


 そんな学園に、善良なる野望を持って入学した主人公。でも彼を陰から襲う悲惨な展開。


 命を賭けた戦いでなく、単位を賭けた戦いであるがゆえに起こる展開なので、ぎすぎすしすぎないけれど、この野郎……という気持ちになるというのが絶妙ですね。リアルで刺されないことを願います。

  


③ (全体を通して気になる点・主な指摘事項)


(1) あらすじ、これでいいのかな


 決して悪いわけでないし、意味のわかるあらすじなのですが…。なんというか、上記で示した主人公の性格や物語の目的である『病気の妹を救う』という部分が、あっさり書かれ過ぎており、いまいち刺さらなくてもったいない気がします。


 そもそも主人公は、妹の病気を治すために、一生懸命努力してそんなえげつないシステムの学園に入学したのですから、きちんと提示してあげた方が良さそうに思いました。どうせすぐに本文で紹介される箇所ですしね。



(2) 第1話、これでいいのかな


 うーむ、と唸りました。物語の性質上、設定の説明が多くなるのはしょうがないとして、この第1話はいかがなものか…。


 大体A41ページ強の文量だと思うのですが、それがほぼ説明というと私はきつかったです。ぶっちゃけこれに関しては、私自身の辛抱強さが足りないのかもしれないですが、どうだろう。いずれにせよ、もっと読者を引っ張るための良い方法があったんじゃないかなあ…。



(3) 第3話もこれでいいのかな


 結局のところ、なんとしても学園のシステム説明を全て最初のうちにしなければならないというわけではないし、むしろたくさん説明したところで読者の頭には入らないのですから、バランスを考えながら説明してほしいなと思います。とても難しいことですけど、できるはずです。


 私は読んでいて「そこまで今は知りたくないよ…」という部分が第1話と第3話合わせて結構ありました。按配がむずかしいでしょうが、ストーリーを進めつつ必要最低限で提示したほうが良いのかな、と思います。ガイダンスシーンでは大まかな概要を説明するに留め、せいぜいそれを個人レベルにしたらどうなるか、という例を教員からひとつ挙げてもらうくらいでぎりぎりかなあと思います。


 あくまで私がそう感じただけですので、あとは作者さんの判断にお任せします。動画でもかなり語ってますが、設定とかネタは良さそうなぶん、見せ方や提供の仕方が効果的じゃない気がしました。


 新鮮な本マグロをにんにくなどと一緒に油で炒めているような感じでしょうか。そこは刺身か寿司で出してほしい…。


 工夫次第では、クロエ先輩との会話からいきなり第1話をスタートさせる方法だってあるのですよ。少し考えてみましょう。


 こういった内容を、動画でもっとごちゃごちゃ話してます。重複する箇所もあると思いますが、ご容赦ください。


 

☆もっと詳細が知りたい方は、こちらのyoutube動画をご覧ください。

 口下手の尾崎ゆうじが一生懸命細かく解説しています。(だらだらしてるので倍速再生推奨!)

 

 動画のリンク↓  

 

 https://youtu.be/N0SFL5mc6Rw 


 では、採点に移ります!



5 この作品の『 続きが気になる度 』は……

 

 …


 ……


 …………


 【60%】です!


 まさしく、『魅力的だと思うけれど、もうちょっと何とかならなかったのかなあ…』という採点です。いち読者としてならば、おそらく第1話の途中で読むのをやめます。すみません。



6 読者のみなさまへ:


 → 学園バトルモノやマジカルファンタジーにときめく人は、非常に惹かれると思います。

 

 でもいまいち読み進められないかもしれないという心配があるのが正直なところ。


 どうしても今読んでみたいという方は、ガイダンスをほぼ斜め読みしてストーリー部分を中心に追い、第4話以降に本腰を入れてほしいと思います。作者さん次第ですが、コンクール上の都合とかが無ければ、いずれそのうち改善されるんじゃないかと考えられますので、優しく見守ってください。



 以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!

 気になった方は、ぜひ↓のリンクからこの作品を読んでみてくださいね!


https://kakuyomu.jp/works/1177354054895926895


 では、次の作品紹介をお楽しみに!


 尾崎ゆうじでした!

 

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