☆『👺ゲーム天狗放送室!』道化のサムシング

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第1回気になるどープロジェクト応募作品


1 作品タイトル『👺ゲーム天狗放送室!』

  作者名:道化のサムシング


2 作品のリンクはこちら↓

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054894522653


3 尾崎が作品を読んだ日: 


 2020年 7月 22日


4 メモ(感じたこと、作品内容など):


 ※他の作品の評価をしながら、常にちらちらとこの作者さんのペンネームが視界に入って気になっていました。


 それはさて置き、始めましょう。


① タイトルは、良いのかも。内容は「ゲームに関する話なのかな?」という程度の感想しかないけど、ド頭の天狗の絵文字が、どうしても目を引く。これでキャッチとあらすじが良ければ、作戦成功だろうなあ。


 (でも他の作者さんたちが絵文字つきばっかりになったら、きっと埋まっちゃうだろうなあ)


 キャッチコピーは、なんか読みづらい。


『現代に蘇った天狗『ゲーム天狗』と~~~』


 のように、固有名詞であることが読者に伝わるようにしてほしい。あと、『ゲーム天狗』はけっこうパワーのあるワードですが、『間宮一騎』は弱いので、この人が何者なのかという情報の方が読者を引きます。


 どなたかは忘れましたが、前回の評価の中で同様の指摘をしたことがあったので、ぜひ参考にしてください。


 たぶん間宮なる人物は男性だと思いますが、仮に『ゲーム天狗とリア充ブサ男の日常の話』というキャッチコピーだったら、そっちの方が目を引くと思います。「なんのこっちゃ?」みたいな興味をそそりますよね。


(あらすじを見たら、間宮が大学生だとわかりました)


 次にあらすじを読んでみます。


 一文一文を区切って、句読点も無視して並べる感じは、良いですね。違和感を感じる読者さん(特に作者さん)はいるかもしれないけど、私は読みやすいと思いました。


 ただ、内容については大体想像がつくのだけど、意味が解らないなあ……。


 まず最初の2行。


『間宮一騎の独りよがりの正義感?』という文章の狙いがわからない。『正義感?』とこちらに訊かれましても、「知らねーよ?」と首をひねってしまいます。


 あくまで想像ですが、この箇所は、間宮氏がゲーム天狗に挑む動機を説明したいのだと思う。

 動機は読者の心をつかむためとても大事なので、それを『正義感から』のように漠然と書いたらもったいない。

本文を読まないとわからないから後回し。



 あとあらすじを読んでいて、以前評価した別の作者さんのことを思い出した。誰の評価だったかなあ……。


 まず、読者は間宮氏が何者かをよく知らないという前提に立つこと。


 今のところ『孤高の大学生』というよくわからない説明しかされておらず、間宮氏のことを知りたいという気持ちにならない。


(本文読んだけど、孤高って適切じゃなくない? 友達がいない、というだけでいいし、いまどき『ぼっち』系のワードでは読者はあんまり反応しないんじゃないかな。普通に『大学生』でいいと思うのよね)


 彼の正義感も、ゲームによる出会いも、まして成長の先に何が見えるのかも、その青春模様が色あせようが色あせまいが、興味ない。


 作者はそのことを理解しないといけない。こうして言葉にすると残酷な響きだけど、私たち消費者がみんな無意識にやっていることなので、それが当たり前だと諦めよう。


 あと『色あせぬ彼の物語』はダサいな。『色あせぬ青春の物語』ならまあ許せるけど。(許せはしても、普通すぎるのでイマイチ)


 この一文は例えるならば


「超斬新なぼくの物語、チェックしてくれよな!」 


 と言っているような感じ。ダサいよね。


 話を『読者の興味』に戻すと、じゃあ彼らに興味を持ってもらうにはどうしたらいいのか、という話なんだけど。


 本作においてはその1ステップ目が、『主人公の動機』と『目的』だろう。


 それに加えて、主人公がどんな人物なのか、ゲーム天狗とは具体的にどんなことをしている人物なのか、など、何が読者の気を引きそうかをイメージしながら、その単語の数々をつなげていくといいのかな。


 別に、無理やり『青春模様』とか、『出会い』とか、何とかして説明しようとしなくてもいい。目的は、第1話を読ませることだから。


 それを踏まえて、改めて考えてみるといいかなと思います。


 タイトルで目を引いたけど、キャッチとあらすじトータルで、読者としては読まないかなあと感じました。


② では①を無視して第1話を読んでみます。


 なんだろうなぁ。のほほんとして、良い雰囲気のある第1話のタイトルですね。妙に紅美ちゃんが可愛い女の子なんだろうなあという印象を受けました。天狗の隣に書いてあるからかな?


 それはともかく本文に入ります。


 掴み、いいね。


 本文を読んでいて、出だしが凄く良かった。私もゲーム実況を観ることがありますが、好きなチャンネルを観ていて主人公が抱く感情が、よくわかる。


 ちょっと文章は粗っぽいし、日本語の文章を書くうえで文末にはちゃんと読点『。』くらい付けてほしいんだけど(読者によってはそれを見ただけで切り捨てる人もいます)、それは抜きにして、すごく心を掴まれた。


 やっぱあらすじ変えてほしいなあ。


 ただなあ……。私もお色気は好きで、紅美ちゃんのサービスシーンはグッドかなあと思うんだけど、ちょっと天狗による煽りというか、「やれ、やるんだ!」的なところが長いと感じた。もっと早く主人公が「やりすぎだ」と立ち上がってほしい。水着から手をどけるあたりですぐ。


 まだ本文が始まって間もないということもあり、すけべ心よりも嫌悪感が勝った。いち読者としては、ここの描写がしつこかったことで、なんか絶えられなくなって読むのをやめた。


 ただ企画として頑張って読み進めたら「天狗くそ野郎!」という感情になったので、作者さんはすぐにでも嫌がる紅美ちゃんと天狗の描写を減らし、主人公に『やめろ!』と立ち上がらせてほしい。そのあとはすごく良いから。


 間違いなく主人公と読者は「天狗殺す」という共通の感情を持っている。すごくうまいなあ。


③ この作品では『1-1』が第1話のような感じなので、とりあえず企画としてはそこまでにして、『1-2』をざっと読みました。おまけです。


 『1-2』から引用で、冒頭の


『うだるような暑さに歩くのも嫌になるが、それでもゲームセンターに行くかというと』


 という箇所、『なぜそれでも』『それでもなぜ』という形にしてください。『どうして~~~~だから』という繋がりができるような形の文章になっていないと違和感です。


 んー……それで1-2も面白く読んでいたのだけど、なーんか今度は、紅美ちゃんも天狗も常識人で、逆に主人公が非常識人という構図になっちゃった。


 そうなると、読者の感情は冷め、「間宮、お前どんだけだよ……」という批難に変わる。すると一気に物語に入り込めなくなってしまうので、その後のゲーム対決展開もテンポよく進んで悪くないんだけど、そういう意味で興味がなくなってしまう。


 読者ってわがままですね。


 天狗も、紅美ちゃんも、動画では動画のキャラクター。


 それはわかるし、現実的な話としてはそうなのだけど、物語として読むぶんには、少し動画と現実のキャラをぎりぎりまで同一に近づけてほしいなと思う。


 天狗は動画のためなら熱くなってモラルが無くなるし、紅美ちゃんは現実でも恥ずかしがったりするし……という共通点を見せてほしい。


 他の読者がどう思うかは微妙だが、少なくとも私はそう感じた。


 あと、1話が長いかな。1-1と1-2を分割すれば、文章を改善したあとの結果がデータに見えてくるから、今後のためにもなると思うんだけど。どうでしょう。


 全体としてはわかりませんが、1-1はちょっとした改善でなんとかなりそうですよ。すごく魅力あると思います。


 以上、今日はこのあたりで。採点に入ります。



5 この作品の続きが気になる度は……

 

 …


 ……


 …………


 【45%】です!


 本文に入ると、なかなか引き付けられます。


 まずあらすじを直してほしいなと思います。非常にもったいない。


 『独善的な正義感』という言葉。まさしく。だからこそ、読者の共感は得にくいですよ。せっかく文体も含め、なかなかの魅力を備えているのだから、キャラクター設定とその描写を再考してほしいなと、個人的には願っています。お任せしますが。


 次に、その『独善的な正義感』の原因である、1-2の展開。ここから先の改善は、キャラクターという作品の根本にかかわる部分なので、すごく訂正が面倒だと思いますし、抵抗があると思います。


 もし作者さんが「嫌だなぁ」と思うのであれば無理に変更する必要はありませんが、いち読者からそういう意見があったことは、念頭に入れておいていただければと思います。




6 読者のみなさまへ:


 →どちらかというと男性向けの作品だと思います。この後の展開がどうなるかはわかりませんが、騙されたと思って第1話に目を通してみてください。


 人によっては夢中になるかもしれませんね。


 以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!

 気になった方は、ぜひこの作品のリンクをコピーして読んでみてくださいね!


https://kakuyomu.jp/works/1177354054894522653


 では、次の作品紹介をお楽しみに!


 好きなゲーム実況者はレトルトさんです。

 尾崎ゆうじでした!

 

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