☆『正義の門』朝斗まな

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第1回気になるどープロジェクト応募作品


1 作品タイトル『正義の門』

  作者名:朝斗まな


2 作品のリンクはこちら↓

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054897409048


3 尾崎が作品を読んだ日: 


 2020年 7月 21日


4 メモ(感じたこと、作品内容など):


 ※今回も読んでメモにしたとおりにお送りします。すごくやりやすいです。


  不思議な面白さがある作品でした。あろうことか一章の最後まで読みました。


① タイトルに重厚感。惹かれるかといえば微妙だけど、嫌いじゃない。


 キャッチコピー、【第一章完結】の文言はあってもなくても、かな。


 キャッチ全体の内容は悪くないし、言いたいことはわかるけど、掴まれる感じはない。『気づけば心に嘘をつく大人ばかりだ』みたいな、誰かの主観で語るような感じの方が、刺さる可能性はある。


 ※本文を読み直してから確認すると、どちらもあんまり適切なキャッチじゃない気がする……。ミックは15歳の少年なのに、やむを得ず神官になったこととか、信仰のために死ぬか、生きるかみたいなところが今のところのキャッチだと思うんだけど……。


 作者さんの中には、違う考えがあるのかな。


 今の感じだと、当たり前のことをポンと外側の人間が呟いて放置しているだけのような。悪くないけど、良くもない。


 あらすじはわかりやすい。ただ一文、違和感を感じた。


引用

『昔と変わらず神を信仰しているだけなのに』


 という箇所。言いたいことはわかるけれど、変な感じがした。


 『ミックは十五歳』という前置きから『昔と変わらず神を信仰』という繋がりだと、『ミックがどれくらい昔から変わらず神を信仰しているのか』のような意味合いが同時に生まれるので、気持ち悪い。


 宗教そのものの歴史を指す視点と、ミックを指す視点が一文でごっちゃになっている。あらすじが短いだけに目立つ。


 この場合は、『(ミックは)昔から伝わる神を信仰している。だが神殿の外には~~』と続く方が自然に感じる。あくまで案なので、少し修正について考えてみてほしい。現状気持ち悪いのは確かだ。


 注意書きについて、一体何を言っているのかなあと思ったのだけど、上手い。ネット小説ならではの戦法だ。


 ここまで3要素を見て、掴みが強いかといえば、あんまりかも。どうすればいいのかは浮かばないので、とりあえず本文を読む。個人的には、気分によっては友達から勧められれば読むかな、という感じ。


 読み終わったあともあまり良い案は浮かばなかったけど、ミックは物語の中では、自分が望まない形ですでに神官と認められているので、そのあたりがパワーワードだと思うんだけど、どうでしょう。


② 第1話に入る前に、PCのサイドバーに『○○教、●●教』っていう単語が出てきたんだけどまさか?笑


 第1話を読み進めました。


 ついに来たかぁ~~~。


 という感想を抱いたので、読者諸氏、ぜひあとで本作を読んでほしい。ふざけているのかと悩んだ。


 1つ、私は読みながら神堂にミックしかいないと思っていたので、掃除を始める前に父の存在を読者に教えてほしいと感じた。父が幽霊みたいにぼんやりしてる。せめて箒で床を掃いている姿は描写してほしい。


 あと、ミナが登場した際の時系列がよくわからないので、文章のリズムを調整しなおすのは面倒だと思うが、


 どこまでがミナとの思い出で、どこまでが現在の会話・やり取りなのか、


 読者にわかるように、現在形、過去形の見直しをしてほしい。


「ミナが今、独り言のように兄を恐れて喋っているのかな?」

「でもそれだと、『二人が沸かした風呂に入ろうとしなかった』っていうところがおかしいな」


 そう感じたので、もしも回想が挟まっているのなら、『出会った頃のミナは』のような前置きを入れてほしい。


 第1話を読み切り、言葉の使い方が上手いなあと思った。無駄が削がれて、人物の外見も大して描写されているわけでないが、それでもきちんとキャラクターがそこに見え、動いている。


 肩に力が入っていない感じなのに、世界観に文体が合っていて、無理がない。かなりの量の文章を書いてきた人なんだろうなと思った(勘違いかな)


 第1話を読み、素直に続きが気になった。を確かめる意味もあり、第2話も読んだ。


③ 第2話。


 教典の昼餐会については『近所の者』より『隣人』の方がそれらしくないかな? と思ったがいかがか。


 あと、敵方(異教というか)の名前がここで初めて登場するが、その際に簡単でもいいので、


『●●教。〇〇教に対をなす考え方で、近年急速に広まっている新興宗教だ』


 のような、説明が欲しい。台詞でなく地の文で登場するので、いきなり出てきて「なんだろう? 一応説明ほしいんだけど」という欲求が半端じゃない。少しくらい教えて。


 そのあとで〇〇教が過激派であることがわかってくるので、本当に簡単な説明でも良いと思う。


 とりあえず第2話まで読みました。で、第4話まで読みました。そして時間が無い、ということで10話までは流し読みに近い形で読んだ(すみません)。


 最終的な感想。


 ……これは、作者さんの策略か?


 今後どういう展開になっていくのかわからないが、第2話から身につまされるような思いで読んだ。


 第一章完結とあるように、幼き神官ミックたちが旧信仰撲滅の法律により逮捕されるところで終わる。各話がそれほど長くなくないうえに文章がうまいので、スムーズに読めた。


 正直なところ「え、この後どうなるの?」という純粋な興味が湧いた。「第二章まだかよ」と素直に思った。


 すごく複雑な心境なのだけど、最後に一つ問いたい。


 なんで宗教の名前、○○なの?? てっきりギャグ小説だと思って覚悟して読んでたのに、すごくリアルでシリアスな物語だよ。


 提案だけど、名前変えたら?


 でも、名前がもし〇〇と●●じゃなかったら、果たして私が最後まで物語を追いかけたかはわからない。最後まで、ギャグなんじゃないかと確かめるつもりで読んだ、というのもある。どっちなんだろう。物語は純粋に面白かった。


 真面目な宗教名で発表してみた経験はありますか? もし無いのなら、やってみてほしい。


 確かに、ネット小説の市場で受け入れられるタイトル、設定、諸々なのかは微妙だけど、それでもキュウッと心臓を掴むような力を持った物語だ。迫害系の典型といえばそうかもしれないけど、一読の価値がある。


 それなのに名前が〇〇というだけで、その宗教の神官である父やミックが間抜けに見えてしまう。『異教徒に押され、どんどん貧乏に……』って言われても、


「いや、お前らの信じてる宗教がだから、みんな異教に流れていくんでしょ?」


 という作者さんの望んでいないであろう突っ込みが、読者の脳裏に過ぎる。物語上必要でないが、詳しい教典の内容がしっかり提示されているわけでない(特に第1話、第2話)ということもあり、


「苦しい生活になって申し訳ないと思うくらいなら、そんな底の浅い宗教なんてやめちまえ」


 とすら思ってしまう。


 作者さんがそれらすべてを含めて狙った結果が現状ならば、私はもう何も言わない。だが、もしどれもこれも望まぬ反応だ、というのであれば、大真面目に、真剣に、そこだけ考えてほしい。


 Ctrl + H の同時押しで、〇〇を××に置換、という処理をすれば、一挙に解決する。


 あなた次第だ。その結果、作品が人気になるかどうかわからないが、余計な誤解を招くことはなくなるし、あなたの伝えたいことが正しく伝わるはず。自信をもって、堂々と、自分の成長のために逃げ道をつくるな。


 繰り返しですが、もしもすべて狙いだと言うなら、上記の提案は無視してください。


 では、採点に入ります。



5 この作品の続きが気になる度は……

 

 …


 ……


 …………


 【85%】です!


 結果的に全部読んじゃって120%なのか、それでもリライトしてほしいから50%なのか。もやもやして、結局間をとりました。続きが気になるのは、気になります。


6 読者のみなさまへ:


 →初見の読者さんと違い、あなた方はここで前情報を持っています。なので、まず読んで。一部ずっと最後まで気になる点がおよそ2点あるけど、それが一体どう転ぶのか、どう作品に作用してるのか、その是非は? という点について、良ければこちらでも、作者さんにでもコメントください。


 とりあえず、それ以外は自信を持ってお薦めします。


 以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!

 気になった方は、ぜひこの作品のリンクをコピーして読んでみてくださいね!


https://kakuyomu.jp/works/1177354054897409048


 では、次の作品紹介をお楽しみに!


 最近は炭水化物を抜きがち! 尾崎ゆうじでした!

 

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