☆『かわいい魔王様はいかがですか?』みなせ

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第1回気になるどープロジェクト応募作品


1 作品タイトル『かわいい魔王様はいかがですか?』

  作者名:みなせ


2 作品のリンクはこちら↓

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054894279757


3 尾崎が作品を読んだ日: 


 2020年 7月 20日


4 メモ(感じたこと、作品内容など):


 ※いつも作品を読みながら打ち込みをし、そのあと時間の範囲内で見直しをして、作品の掴みの全体像がわかったらそれを踏まえて修正などしています。が、今回はあえて、読みながらメモした通りの感じで進めていきます。ライブ感も含めてお楽しみください。



① タイトルは、なんとも言えないかな。引きがあるような、無いような。人によっては気になると思う。『かわいい魔王様、襲われる』とかだと、もっと対象となる男性が増えるかも。ただの提案なので、気にしないでほしい。


 キャッチコピー、ストーリーそのまんまでわかりやすい。すごく良い。たぶん設定自体がシンプルでわかりやすいからだろうなあ。


 あらすじ。なんだこれは、シンプル過ぎて適格。これくらいでちょうどいい。現在執筆難航中だそうで、ついどれくらい執筆が進んだうえで難航しているのか気になってチェックした。いやそれはどうでもいいか。


 つまりタイトル以外は引き要素しかない。


 「話が早いなあ」という気持ちと「なんで私の企画に来たんだ?」という疑問とを感じつつ、あとはそのまま第1話へGO! 



② 第1話に入ります。『プロローグ、第1話』というところですね。


『「魔王様——我々の召喚に応えて下さったこと、本当に喜ばしく思います」


 陰に覆われた魔王城の一室。』


 出だしすっげえ上手い。もうスーッとあらすじの流れからの展開を期待し、連れて行かれるのを自覚した。


 ……うーん、でもその後が、若干問題かなあ。


 良いのか悪いのか、私の意見が他の読者にも受け入れられるかわからないが……顰蹙ひんしゅくを買うのを恐れずに、読者として私が感じたことをお伝えする。


「なんだよぉ。『魔王様──本当に喜ばしく思います』って言うから、そのあとは主人公視点で、『え、誰お前? 誰が魔王だって?』みたいな展開になると思って期待してたんだけど……」


 というわがままな文句である。


 これからどういう文体で、どういう文章の作り方で物語が語られていくのかはわからないけれど。


 魔王に仕える吸血王が目の前にいるのは定石だし、想像どおりで嬉しいけれど。


 吸血鬼のじいさんの年齢とか、名前とか、そういう情報はこのタイミングで要らないんだよなあ。じいさんはいてもいいけど『白髪の老人が長い牙を見せてそう言い、軽く頭を下げた』みたいな描写が欲しい。


 そういうちょっとした『期待通りじゃないよぉ』みたいな感覚があった後に、今度は世界観の設定説明が始まる。


 それも、結構長い。


 いや、すごく魅力的な設定なんだけども『いま欲しい情報じゃない』感じが私をもんもんとさせた。


 おそらくキャッチコピーとあらすじがシンプルであるぶん、予想していた流れと違って不満に感じたのだろう。他の読者さんは「別にいんじゃね? 設定面白そうじゃん」みたいな心持ちで読んでいるのだと思う。


 ……と思ったらほらね、作品レビューの★いっぱいついてる。今まで評価した中で一番人気作じゃんか。本来ならそんな作品にとやかく言うのは気が引けるが……。


 だからもう一度前置きする。これはあくまで私がいち読者として感じたことだから。作者さんは、気にしたり気にしなかったりしてほしい。


 魔王という存在が嫌われている設定も、すごく「えっ」と掴まれ、前のめりになった。逆に言えば、設定説明を最初に持ってくるのなら、このあたりから始めてくれたら「可愛い魔王様、嫌われてるん? それとも、その前の魔王様なのかなぁ、気になるぅ」という気分にもなると思う。


 正直なところ、タイトル~第1話の設定説明の流れで、ちょっと読み気が薄れた。今まさにそのタイミングでメモを取っている。


 で、第1話の最後まで読んでみて「なるほどな……」とうなった。個人的に、私の頭の中にある古い『ストーリーの定石』は捨てねば、と悟った。気づかされたなぁ。


 それで第2話も読んだ。


 舌を巻いた。


「そういう流れで、あらすじにあるような感じになるのかぁ」と。


 すごいよ。めっちゃライトで、ぽんぽん進んで、めっちゃ面白いよ。


 男性読者は大喜びだよ……。


 こりゃあどうしたもんかな……。 

 

③ 結果、私に言えることは一つ。


 私のような勘違いで離れてしまう読者を作りたくなければ、第1話での舞台の紹介順序を組み替え、最初から読者に『これは予想とは違う(テンプレどおりじゃない)展開で進む物語ですよ』という提示をしてほしい、ということだけ。


 たった一つだけど、たぶんかなり面倒だ。私ならやりたくない──けれど言う。


 具体的な方法は、とりあえず私が勘違いを加速させた『現在、魔界は絶体絶命の窮地に~~』から、『このままだと魔族が~~~』までの世界の設定説明を、良いあんばいに分解して、組み替えてほしい。


 そして『まず第1話は、吸血王ウルムや夢魔王スカーレットなどの王たちを中心とした視点で進みます』と早めに読者へ伝えてほしい。


 第1話の文量としてはこのくらいでちょうどよく、「そっか、そういう展開か。なら魔王様が登場するまで待ってやるかぁ(わくわく)」という程度の焦らしにとどまるので、大丈夫。自信を持って断言できる。


 私がここで言えるのは、この程度だ。あとはあまりこねくり回しても駄目だし、そこまでの労力もかけられない。無責任なようだが、しょうがない。そこまでハイスピードで100%の改善案を出せるほど優秀でもない。


 しかし間違いなく、みなせさんならこのめんどくさい読者のわがままを、カラッと解決する方法が見つかるはず。


 というか……こんなに人気があるのにも係わらず、私の企画に応募したのは、そういうことでは?


 絶対面白いはずなのに、思った以上に第1話で読者が減るんだよな……という悩みを抱えていて、その答えが知りたかったのでは? 


 この世界にはたくさんの小説があるので、ちょっと読んでみて想像と違うと、早とちりして本を置く読者はけっこういます。


 作者さんは、そんな経験ないですか?


 とりあえず今回は掴みを評価する企画なので、ここまでにしますが。


 なんか伸びないなあ、とお思いなら、やっぱりどこかに理由があり、それを悩んでいるから執筆も止まるのだと想像します。中途半端な状態で続けるのは辛いですからね。


 掴みだけでそれが改善されるかといえば違うかもしれません。


 今の時点でも、掴み、設定、世界観、文体。どれをとっても面白いし、ピカイチです。キャラクターについては今のところまだ読みとれませんが……おそらくその悩みに対する答えは、作者さんの中にすでに見えているはずですよ。


 もしかしたら、かなり勇気と根気のいる改善になる可能性もありますが、どうするかは作者さん次第。


 ポテンシャルは、おそらく書籍化クラスです。


 それだけお伝えして、今回は採点に移ろうと思います。


5 この作品の続きが気になる度は……

 

 …


 ……


 …………


 【90%】です!


 掴みに関しては、ほぼ文句なし! 自信をもってお勧めします! 上記で改善を提案してますが、無視してもけっこう! 


6 読者のみなさまへ:


 →しつこいようだけど、マジで書籍化レベルだと思うんです。


 しかしなぜこの程度の人気で留まっているのか……掴みの部分だけではわからないので、読者さんのその目で確かめて、意見をぜひ聞かせてください!

(私も時間があったら追いたいです!)



 以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!

 気になった方は、ぜひこの作品のリンクをコピーして読んでみてくださいね!


https://kakuyomu.jp/works/1177354054894279757


 では、次の作品紹介をお楽しみに!


 女人化しても巨乳にはなりたくない尾崎ゆうじがお送りしました!

 

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