★『Sno ≠ WhITe ―スノウホワイト―』結月K
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第1回気になるどープロジェクト応募作品
1 作品タイトル『Sno ≠ WhITe ―スノウホワイト―』
作者名:結月K
2 作品のリンクはこちら↓
https://kakuyomu.jp/works/1177354054892028415
3 尾崎が作品を読んだ日:
2020年 7月 18日
4 メモ(感じたこと、作品内容など):
① タイトルに関しては凝ってるし、読み方も書いていて親切。とはいえ、カクヨムに並んでいて惹かれるかと言えば、そうでもない。魅力は感じない。
で、キャッチコピー。すごくいい。テレビのプレバトで上位に入る俳句みたいな裏切りというか、徐々に箱を開けて中を明らかにしてぞっとさせるような、素敵な感じ。こちらは惹かれた。
あらすじもすごく優秀。細かい違和感はあるのだけど、直すかどうかは作者さんの自由だし、読者によっては気にならないと思う。
引用
『突如飛来した純白の隕石の爆発によって上空から大寒波が直撃し』
大寒波が直撃っていう使い方もありだと思うけど、全体のうおおおっていう感じのかっこいい文章から少し浮いて見える。あまり思いつかなくて申し訳ないが、『上空から大寒波が世界を襲い』とかのほうが自然じゃないかな。
たぶん、隕石が直撃するイメージはあっても寒波が物質を直撃するイメージってあんまりないからだと思う。
あと、なんとなーく気になったのが、ここなんだけど…。
引用
『それと同時に、決意する。
この狂おしいまでに美しい世界を、正しき形に戻すことを。』
あらすじを読む限りで、もう人類にとって絶望的な状況であることは痛いほどわかる。その中で、美しい世界を正しき形に戻すこと、という表現が抽象的でわかんないなあ、と思い、もやっとした。
たぶん、作者さんが意図してそういう書き方にしてるんだよなとは思うので、〝正しき形〟『正しき形』みたいに表記した方がより良いかもと感じた。本当は傍点がいいと思うけど、あらすじには付けられないからなあ…。
あるいは文言自体を工夫するか。
おそらく投稿サイトならではだと思うんだよなあ…。
そうやって読者に注目してほしい箇所だとアピールすることで、読者も「なるほど、正しき形って漠然としてよくわかんないけど、作者さんは意図してやってるんだろうな。で、この先にその答えが書かれてるのかな」と感じ、第1話に進む気が増す可能性が高い。
作者さんにその意図があるだろうことは容易に想像がつくので、ぜひご一考ください。
そういったところから、読者としてこの3要素で続きを読みたいかの判断は、半々、という感じでした。いや、充分面白そうだけども……もう一押しでさらに取り込み力が増すのでは? という提案です。
② 序章、すっげえ。
この物語は序章、地球が氷づけになる時の日常が書かれていて、それがすごい。
ちょっと一般人の会話が多いような気もするけれど、ものすごく上手い。さっさと第1話に進みたくなった。
つぎに第1話。エピソード1。凍りついた覚醒。
かっこいい。そしてやはり、上手い。さてはプロの作家さんの裏アカウントかな、と疑うようなレベル。
特に主人公が狼狽しながら街中をひっかきまわし、そのやりすぎなくらいの行為が後になって、その凍てついた世界が現実の日本であることの証明となる、という流れに関しては、いち読者という立場を少し離れて、感服しました。
さらに、困った事象に対してすぐ行動に出てしまう主人公のキャラも自然に伝わるので、とてもいい。どうしたらこういう風に書けるのかなぁ。
それと、総じて心理描写と行動のバランスが絶妙だ。ちゃんと読者が納得したあたりで、キャラが行動をする。そのあんばいがちょうどいい。すごいな。
本作は掴みに関して、そして続きが気になるという点に関して、私から指摘することは特にないんじゃない? と思った。せいぜい、違和感のある言葉の使い方がたまにあるなあ……ということと、多少表現がくどいかも、という印象を受けたことくらい。
気になる人は気になるし、気にならない人は気にならない、くらいのことだと思う。本当は具体的に「こことここと……」と提案したかったが、ストーリーを早く追いたかったのと、作業時間の都合もあるので、やめておくことにした。
で、そのまま気になってエピソード2を読んだ。
面白いよぉ。
ただ、こちらはメモをちゃんととった。
『悠然と爆走』『世界に取り残されたような~~~没入感』という箇所はけっこう違和感があったので、一度読み直すことをおすすめする。
作者さんほどのレベルの人なら、その違和感の理由がわかると思うので、とりあえずお知らせだけ。
③ ひとまず今回は序章からエピソード2まで読み、3の途中で「仕事しなきゃ!」と思った。事情がなければ、充分続きを追いたかった。
言いたいことは、多少表現にくどさがあるかも、ということだけ。そういうのが好きな読者もいるので、一概には言えないけど、私が感じた印象では、さらっと進めてほしいところでも、やや多めに言葉を重ねて表現する作品だなと思った。
たとえば2話目、SUV的な軍車(だと私はイメージした)の行進シーンなど、静謐な白銀の世界にものものしい車両が列を組んで走っていることが伝わればいいから、もっと彼らが何者かというシーンに早く読者を連れてきてほしいなあと思ったんだけど……余計なお世話かな。
とにかく、今の状態でも作品自体が面白いことに変わりなく、しかもめちゃくちゃ上手いという。
なんでもっと人気になってないんだろう。少なくとも私が読んだあたりまでは、充分魅力を感じる。続きも気になる。一定のレベルは超えていることは間違いない。
……やはりタイトルかな? ちょっと私には理由がわかりません。
あまり語ることもなく、採点になってしまいました。ではでは発表です。
5 この作品の続きが気になる度は……
…
……
…………
【100%】です!
ついに出ちゃったかぁ……。なんか悔しい。
仮に人気にならない理由があるなら、きっと中盤以降なんでしょうね。
根本のテーマが読者の『今』に刺さってない場合には、ちょっとそれはどうしようもないかなぁ。
6 読者のみなさまへ:
→クオリティの高い作品。尾崎ゆうじ自信を持ってお勧めします。
私も近いうちに続きを追いかけようと思います。読者のみなさんは、どうぞ私を置いて先に行ってください!
そして願わくば、なぜこの作品がもっと人気にならないのか、その理由がわかったら教えてください! 本気で! そしたら確かめます! ピックアップされてもおかしくないレベルのはずなのに、どうしてなのか?? 続きと同じくらいそれが気になります。
世界が氷づけになる前には、確実に理由を確かめたいと思います(遅ぇよ!)
以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!
気になった方は、ぜひこの作品のリンクをコピーして読んでみてくださいね!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054892028415
では、次の作品紹介をお楽しみに!
尾崎ゆうじでした!
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