★『年上好き彼女に好かれたくて気づいたら先生になってた』白藍京

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第1回気になるどープロジェクト応募作品


1 作品タイトル『年上好き彼女に好かれたくて気づいたら先生になってた』

  作者名:白藍京


2 作品のリンクはこちら↓

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054898645617


3 尾崎が作品を読んだ日: 


 2020年 7月 13日


4 メモ(感じたこと、作品内容など):


① タイトルを見る限りだと、そんなに惹かれない。でもキャッチコピーは練られている感じがする。あらすじを読んで、最後にそんな馬鹿な……という良いあんばいの落とし方。あらすじを最後まで読んだところで、素直にちょっとおもしろそうかも、と思った。


② 本文の文体はライトノベル調のラブコメなので、読者を選ぶかもしれないが、逆に絞り込みができてよいと思う。 のちのち使うことになるであろう情報提示がさりげなく散りばめられていて、うまいなあと感じた。初見読者としても、邪魔にならない程度で紹介されている。気遣いができている感じ。ありがたい。


③ ただ1話目の最後まで読んでみて、2話目を読もうか、どうしようか迷い、立ち止まった。上手いし、面白そうな雰囲気もあるけど、この時点ではそういう心境になった。


 ……もしかしたら企画でなければ離れたかもしれない。ここは読者によると思うが、鬼門となる箇所だろう。


 ぶっちゃけると、「なんでこういう気持ちになるのかな?」という企画者の目線で、確かめるつもりで2話目に進んだ。


 すると、2話目から3話目まではするっと引っ張られた。


 そのまま続きを読めそうだったが、企画の趣旨が勝り、そこでやめた。ただ、2話目3話目は、一定の読者の同情を自然に誘う印象があったので、うまく1話目さえ読んでもらえれば、楽しく入り込める作品だと思う。


 だから問題は1話目。掴みという点で気になったのは、


 「妹の起こす時間がいつも正確」という紹介は、最初じゃなくてもいいのでは? 


 ということ。兄を起こす妹→その妹が起こす時間が正確、という紹介は、最も大事な作品のど頭に持ってくる必要があるか、と疑問に思った。


 第3話のラストと第1話は表現方法も含めてリンクしているのは理解できるし、なるほど、とうなった。でも、


 従順(何も知らずに読むとそう思う)な妹(メインヒロインじゃない)が、主人公をいつもと同じ正確な時間に起こし→ちょっとドキッとして→誕生日を祝われ→しかも妹は年子の女子高生で→妹が去って、落ち着いたところで何者かが「誕生日おめでとう」と部屋に入る→それは誰だろう、次回のお楽しみに! 


 という流れだと、私にとってはその部屋に入ってくる人物が「別に誰でもいいような…」という気分になる。


 例えば私が妻から「〇〇さんが誕生日おめでとうって言ってたよ!」と教えられて、その○○さんと面識が全然なければ、「へえ、そう」と困惑するだけだ。この時点で読者が直接お会いしているのは主人公と妹だけで、あとはキャッチコピーやあらすじに書いてあるヒロインだけ。


 そんなの気にならない人は気にならないかもしれないので、改善の必要はない、という判断もあるだろう。2話目からは引き込まれる流れが始まるのだから、「とりあえず3話くらいまで読んでよ!」と頼んで、それに付き合ってくれる読者ならば、その心はつかめるだろう。間違いない。


 ただし、主人公に同情するであろう陰キャ系の読者の一部は、第1話全体を通して「何だよこのリア充展開は…」と早合点し、離れる可能性が高い。


 ましてあらすじにあるようなストーリーにかかる部分は1話にはほとんど入っていない。下準備でもなく、未来の光景を先出し紹介しているパターン。ならば、その未来の光景は、もっと読者の興味をそそるものでないと、食いつけない。


 私が1話目の最後で、2話目に進むかどうか手を止めたのは、そういう理由だと感じた。


 主人公には可愛い妹がいて、ちょっと変かもしれないけど毎朝起こしてくれる。誕生日まで祝う。その後はメインヒロインとなる姫が、突然陰キャの主人公に学校で話しかけてくる。確かにちょっと「うわ、やばっ」という焦る描写はあるけれど、全体を通してみるとリア充→リア充『最高の誕生日』で1話目がまとまっていることに気づくと思う。


 つまり、妹の存在は、のちの主人公の状況確認のためには役に立つかもしれないけれど、すぐすぐド頭でキャラを強めにして立たせるほど紹介する必要はない。徐々にキャラ立てしてくれれば、充分。


 面白い作品だと思う。でも「自分のことを何も知らない読者の心も掴んでやるんだ!」という目標を掲げているとすれば、掴むその握力が弱いと言わざるをえない。


 私だって、主人公と境遇が重なるような多感な時期もあった。だからもろにメインターゲットの一人に数えられると思うが、ちゃんとそのメインターゲットの胸倉を掴めたかといえば、それは違う。


 今後どうするかは作家さんの気持ち次第だと思うが、いち読者としては、せっかくなら1、2話ですぐにジャブをかまして、胸倉つかんで引きずっていってほしい。


 面白そうだからこそ、もったいない。少し面倒な作業にはなると思うが、その価値はある気がする。


 

 熱くなりました。では、採点に入ります。



5 この作品の続きが気になる度は……

 

 …


 ……


 …………


 【60%】です!


 気になるような、気にならないような……そういう感じです。



6 読者のみなさまへ:


 →このページを最後まで読んでいただいた方は、私の言わんとすることを理解できる善良な読者さんたちだと信じています。


 あくまで現時点ですが、ラノベ系ラブコメが好きな方、抵抗の無い方は、3話目まではとりあえず読んでみてください! 主人公が今後どうなるかちょっと見守ってやろうか、という気持ちになると思います! そこまで読んでから判断しても遅くないです。


 以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!

 気になった方は、ぜひこの作品のリンクをコピーして読んでみてくださいね!

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054898645617


 では、次の作品紹介をお楽しみに!


 尾崎ゆうじでした!

 

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