1200メートル走〈クラス内予選〉
1200メートル走とはいうが、実際に走っている人などいない。走ってたら負けるからだ。実際はスタートと同時に地面を蹴り、そこから風魔法、火魔法により体を前方へ飛ばす事で進む。いかに早く400メートルの外周を3周できるかを競う。スピードを上げ過ぎれば遠心力に勝てず、遅過ぎれば抜かれる。故にこの競技は特に得意、不得意が分かれる競技だ。得意な人にとっては、俺の立候補を不快に思う人がいても不思議じゃない…
…無いけどさ、
まさかここまでの騒動になるとは思わなかった。
昨日俺がクラスメイトを煽った結果、結局その場で体育祭の誰がなんの競技に出場するのかは決まら無いままとなった。(男子だけ)しかし、既にリレーやその他に絶対出たいと言う人以外は殆ど、次の日、つまり今日の勝負にエントリーすることになった。
何人いるんだこれ。
2、3、4、5、6、7、8人!
マジかよ! これ本戦と同じ数じゃん。じゃあ本番と同じ条件でやれば良くね?
と、誰が言い出したかは知らないが、そういう訳で、いつの間にか本番と同じ条件での勝負ということになった。
何故これを許可する担任。だってこの会場使用するには絶対他の先生とかの許可も必要だったでしょ。その熱量を何故陰口を叩かれている生徒に向けないんだ!
俺は本気でそう思った。だが、時既に遅し。
「それじゃあ行きまーす。1について〜
(まぁ、負けるつもり無いけどね)
バン!」
「……信じ…られねぇ」
「春秋すら手も足も……」
「…………嘘だろ」
その時外から眺めているだけのクラスメイト、はたまた今実際に走っている生徒にとって、それは到底想像もつかないような光景だった。
結局彼は、
クラスメイト全員に1周差をつけた。
そして、
「一着神無月冬也 タイム、21秒02」
「二着 春山秋斗 タイム、39秒67」
その後全員がゴールするまでにさらに数十秒が経過したところで、競技が終わった。
「次元が、違う」
誰かが呟いたその言葉に、今やクラスメイトの誰も、異議を唱える者はいない。
「これでいいですか?」
『………』
正直何回かやり直しさせられると思ってたが、意外にもすんなり俺が出場することに決まった。
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あれ? 俺なんかやっちゃいました(確信犯)
ざまぁとは少し違うかもですが、僕にとってはこれもざまぁのうちに入るのかなぁと、個人的には思います。
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