妹は
「落ち着いたか?」
「……うん」
「そっか」
それから暫く沈黙の時が続いた。
そして、
「知ってたよ」
「え?」
「冬也君に魔力以外のなんらかの能力があるっていうの」
「嘘だ。だって俺は」
「だって冬也君普段は5時30分くらいに帰ってくるのに、1ヶ月に一回ぐらい6時10分くらいに帰ってきてたもん。部活も入ってないし、どこかへ寄り道することもないのにおかしいと思ってた」
「そうか……バレてたのか。最初から」
「あのニュースの事件は冬也君なんでしょ? だからわたしこの前わざと冬也君の前であのニュース番組見せたんだもん。それに私、冬也君の試合見に行ってたし。アレはどう考えても偶然起きた出来事なんかじゃ無かった」
「怖く……ないか?」
「なんで?」
「だって俺、普通人間だったら持ってる魔力は何にもないくせに、変な能力だけあって、自分にもいまだによく分かってなくて……もし春に何かあったらと思ったら」
その時、春は俺を背中から抱きしめる。
「怖いわけがない。だっていつだって冬也君はわたしにとって最高のお兄ちゃんだから」
「!」
「私こそ、今まで辛い思いさせてごめんね」
「いや、俺の方こそ今まで…ごめんな」
「いいよ。許してあげます。その代わり私のことこれからもっと見て。私も冬也君のこといつまでも支えるから」
「あぁ、俺も春のこと支えてみせる。今まで不甲斐ない姿見せてばっかだったけど、これからは春が自慢できるような兄貴になってみせる!」
「……それは別にしなくてもいいよ」
(お兄ちゃんに変な虫がついちゃうかもしれないし)
「?」
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ヤンデレまではいってない……はず
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