結果は……え? どうなるの?
「嘘……」
その後も、彼女は俺に有効打を与えることはできていなかった。
彼女も負けじといろんな攻撃を仕掛けてきているが、おれは避けられるものは避けて、無理なものはさっきのように防ぐ。これの繰り返し。そうこうしているうちに、彼女も焦りを感じてきたのか、はたまた彼女にもようやく疲れがでてきたのか、所々魔術が変なところに飛んでいったり、形を維持できなくなっていた。
ようやく魔力切れになったのだと判断した俺は、そこから全身に力を入れて、素早く彼女の間合いに入る。
そこから俺も攻撃しようと、手刀のような形で手を縦に振ろうとしたところで、
ちょうどブザーが鳴り響く。
結果は………………
「判定、第四試合、勝者」
…………………………………………
外からの音も元に戻ったはずなのに、相変わらず辺りは静かなまま。
「」
まぁそりゃそうだよな勝ったのはとうぜ…………え?
「そんな、私が負けるなんて」
試合の後、俺は呼び出されていた。先生達……ではなく、
「さっきのはなんなのか説明してもらおうかしら?」
彼女、そう栗花落燈華さんである。
「えっと……俺にもよくわからな
「とぼけるつもり?」
「…いや、その……」
なんて伝えればいいのか。そもそも俺のこの変な力のことを他の人に伝えてしまってもいいのだろうか。
「……どういった魔術を使っているかが分からなかった。というより、あれは魔術なの?」
「……」
「デバイスを起動している様子も見られなかったし、というか貴方一度も試合中触ってなかった」
そりゃそうだ。だって使えないんだから。
使えないのに構えたって余計対抗心を与えてしまうだけだろう。
「……まぁいいわ。正直貴方に興味なんて全くなかったんだけど……」
「なかったんだけど?」
「少し興味が湧いたわ」
「そりゃどうも」
これはまずいことになったかもしれない。
その時の彼女の顔は、好奇心に満ちているようで、俺は不安に満ちていた。
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