什参 吹替版は誰のため?

 魔道祖師がyoutube で公開されていた時、とある英語のコメントがあった。内容は「どこまで見ても全く知ってる単語一つ出てこないので、不思議に思った」というものだ。


 どうやら、彼女(或いは彼)は日本アニメだと思って見ていたようで、最終的にそれが中国語であると知って驚いていた。

 当時は、海外のアニメファンって、結構日本語が分かる人がいるのだなあ、という感慨を抱いただけだった。


 その後、天官賜福の配信がクランチロールで始まると、公式Twitterに「日本語版はないの?」という問いかけがあった。

 他の人たちは呆れて「これは中国のアニメだよ」と諭したが、本人は百も承知だった。要は、馴染みのある日本の声優で、ある程度理解できる日本語で聴きたかった、ということだ。ここに来て、何かが引っ掛かった。


 そして、日本版魔道祖師が始まった。登場人物の名前は、中国読みで、初見の日本人からは、覚えにくいという声が上がった。だが、中国本土やその他海外のファンは、どうだろう? 彼女ら(または彼ら)にとって、魏無羨は「ウェイ・ウーシェン」であり、「ぎむせん」ではないのだ。


 もしかしたら、中国アニメに日本の声優で吹替をつけて海外で流す、というビジネスが成り立つ可能性を、SONYは見据えているのかも知れない。しかし、このビジネスが成功してしまったら、一体何が待っているのだろう?

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