什弐 霧山五行(2020年7月~)

 bilibiliで配信の2Dアニメ。本当は夏に見ていたが、書くのが遅れてしまった。


 最大人数が一桁台の少人数スタジオで製作された作品である。現在ようやく三話まで公開され、第一部が終了したといったところだ。何と、監督が主題歌まで歌っているという、かなり異色の作品(2020年度の中国アニメの話題作)


 物語は、神話や仙術、五行をモチーフにしたファンタジーである。


 霧山には妖怪と人間界を分かつ結界が設けられ、それぞれ五行(金木水火土)の特殊能力を持つ五つの家系に代々守られていた。


 しかし、ある日、火の戦士が、母の病を治すため、麒麟の封印を解いてしまう。麒麟の血は万病に効く妙薬であった。


 結局、死闘の末、麒麟を再度封印したが、戦闘中に麒麟の子どもが逃げ出してしまった。麒麟は火の戦士の母と、水の戦士の妹を攫い、我が子を連れ戻すよう言い置いて、封印の内に戻った。


 時は流れ、霧山近くの山間やまあいの村に怪しげな三人組が現れる……


 何より、色使いが斬新だ。背景の色合いは派手とも華やかとも違う。原色を使っている訳ではないが強烈なインパクトがある。タッチもリアルというより絵画調で、水墨画とは、また違った趣を感じる。


 登場人物はしっかりとした輪郭線で描かれ、どことなく白土三平原作の「サスケ」や「カムイ外伝」に通じるものがある。


 アクションは荒ぶる激しさで、画面上を縦横無尽に飛び回る。

 中心は、五行の火に当たる戦士と妖怪の闘いになる。絵柄からカートゥーン的な印象も受けるが、独特な色彩感覚が強烈な印象を与える。


 一話で登場した村人側の槍遣いの戦闘も、興味深い。見せ方に武侠映画やドラマの影響を感じる。中国は映画やドラマ産業が発達しているため、アニメ側も実写のノウハウを上手く取り入れている。この点は彼らの強みだと思っている。


 youtube上の公式(六魚無道動画工作室)で一部映像を公開されている。前述したように、少人数スタジオのため、製作にかなり時間がかかる。


 続きを期待させる作品である。加油(がんばれ)

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