番外 二次創作と海賊版(日本も共犯者)

 別項で書いた「魔道祖師」について、同人ルールの細かさが、あちこちで取り沙汰されている。中国語からの解釈の問題もあり、どの意見が正しいかの判断は、正直、付きかねるが、根底にあるのが海賊版の問題だ。


「魔道祖師」に関して言えば、もう日本で話題になる随分と前から、○mazonで、そのような商品が販売されていた。ドラマが話題になってからは、○ルカリや、他のオークションサイトにも出品されるようになった。海賊版書籍(簡体字で本編全巻揃っているもの)については、海賊版の購入者が読了後、更に売りに出すという悪循環まで生じている。


 国内外に関わらず、二次創作の作品やグッズには、海賊版の版下として利用されるという危険が付きまとう。


 現在、二次創作の作品はSNSやInstagram、投稿サイトを通して、海外からも容易に入手可能である。そのため、海外の二次創作界では、イラストや漫画の場合は、解像度を落とす、英語などで「無断転載禁止」と記載する、署名とウォーターマークなどで対策を取っているが、それでも十分ではない。


 日本では、コミックマーケットと同人誌取扱書店が加わるので、入手先の幅は更に広がる(グッズの大量購入は警戒した方が良い)


 自身が盗用された被害者であると立証できなければ、海賊版の協力者と認定されてしまう。海外で商品化されてしまうと対応は難しい。放置しておくと、業者が摘発された際、全ての責任を擦りつけられる可能性がある。


 時折、見かける同人誌の翻訳サービスなどというものも警戒した方が良い。二次創作自体が無断翻案にあたり、それを更に無断で翻訳して海外に販売という発想は、どう考えてもおかしい。相手が個人にしろ業者にしろ、最悪、公式の番外編として販売される可能性も考慮しておこう。この場合、原作者に多大な迷惑がかかる(国によっては、迷惑どころでは済まないかも知れない)


 今まで、散々非難してきた海賊版の発信国に、日本がなってしまうとすれば、大いに皮肉だ。いや、目立たなかっただけで、既に事例はあるのだろう。


「鬼滅の刃」などの海外展開を見るに、この問題はいずれ日本作品の二次創作にも大きく影響してくると思う。

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