昔話

「先輩の昔話ですか?」


「まぁあんま良い思い出じゃないんだけど」


ん〜やっぱり今思い出してもいい思い出じゃないな、まぁこの話が告白を断ってるのに直接繋がってるわけだしな、琴音になら話して別にいいか


「俺が小学6年の時にな」


「その時の先輩に会いたかったです!ランドセルを背負ってる先輩.....その時の先輩を想像するだけで.....ぐへへ」


「静かに聞いてろ」


この後輩想像力が凄いんですけど、想像しただけで

ぐへへ、とか普通ならないだろ。暗くて何も見えないが今の琴音の顔は容易に想像できる。


「まぁそれでその頃は友達もそれなりにいて結構楽しい日々を送ってたんだけど」


「なんかあったんですね」


「そういう事だ」


琴音の事だからどうせ「友達いたんですか!?」とか言われると思ってたんだが成長したな


「で、その学年で1番モテてた女の子がいて、」


「もしかしてそれが先輩の初恋ですか!?」


「違う」


「良かったです!」


なんでここでは引っかかるんだよ、しかも良かったって、別に琴音が初恋でもないからな、って言うか初恋がまだだからな。


「で、ある日その女の子に放課後呼び出されて呼ばれたところに行ったら急に告白されたんだよ」


「えぇぇぇぇ!!!!」


「しーっ!近所迷惑だろ」


「すいません、あまりの衝撃でつい、」


凄い酷いこと言ってるのに気づいてないのか?どんだけ衝撃受けてんだよ、·····まぁ俺もその時はそんな感じだったけど


「でもその事はなんの接点もなかったのにおかしいと、思いながらも告白を受け入れたんだよ」


「それってOKしたって事ですよね!」


「そういう事だな」


「ひ、酷い!」


「何でだよ!って言うか話を最後まで聞け」


「はい…」


「まぁ告白をOKした後に後ろから性格の悪い女子達がぞろぞろ出てきて罰ゲームってことを告げられたんだよ」


「なんですかそいつら、今から叩き潰しにいきません?(怒)」


「なんで琴音がイラついてんだよ」


琴音がイラつく理由がないと思うんだが、別に琴音に関係ない話だし、


「で、その後どうなったんですか!」


「まぁその後、告白してきた子には謝ってもらったんだけど、それを仕向けた女子には何も言われず小学校生活を終えたんだよ」


今思い出してもほんとに嫌な思い出だ、


「そんな事があったから若干の人間不信と女性恐怖症になったんだよ、今の話が、琴音の告白を受け入れたくない理由だ、なんも裏がないと分かってても信じきれない」


「そんな事があったんですね、·····ん?でも女性恐怖症ならなんで私には普通に接してくれるんですか?」


聞かれると思ってたよ、恥ずかしいからあんま言いたくないけど.....


「そ、それは琴音は、裏も表もなく接してくれて信用出来る人間だと思ったから」


「·····も、もう寝ます!///」


琴音は勢いよくガバッと、布団を頭から被る音がした。なんで急に布団かぶったんだ?


もう1つ昔話があったんだがもう遅いし今度でもいいか、瞼を閉じたら一瞬で意識が薄れて行ってすぐに眠ってしまった。

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