お願い
「はぁもう腹いっぱいだ」
「ふふふっ♡先輩はくつろいでてください!洗い物はしときますから」
「いや、洗い物くらいするよ」
「気を使わなくても大丈夫ですよ!数年後にはこれが普通になってますし!」
琴音は無理やり俺の事をソファに座らせて、自分の食べ終わった皿と俺の分の皿を持って台所に行き洗い物を始めた。これも琴音の優しさなのだろう。俺は言うことを聞くようにしてリモコンでテレビをつけた。
久しぶりにカレーを食べたけどこんな美味しかったってか、申し訳ないが母親のカレーより正直美味しかった。どういう事だ!俺はごく普通な食材を買ってきたのにどうして.....俺がこの材料で作ってもこの味は作れないだろう。琴音は料理人にでも目指してるのだろうか.....
「よいしょ」
っと琴音が俺の座っていたソファの隣に座った。なんでわざわざ隣に、しかも微妙に距離が近いし、琴音の方結構スペースあるだろ!まぁ大体今から何が起こるかは予想が着く。
「先輩、今日の事で私はすごく傷つきました!」
「ほんとにすまん」
こればかりはほんとに俺が悪いし何も言えない。
「先輩、明日は日曜日で休みですよね」
「まぁそうだな」
「明日って特に予定とかないですよね?」
「まぁないが」
ん?もしかして琴音.....
「じゃあ今日泊めてください!泊めてくれたら許してあげます!」
やっぱり、こういうと思ってたよ!だって明日休みだしタイミング的にちょうどいいっちゃちょうどいいけどって違う!そうじゃないだろ!
「なんでそうなるんだよ」
「いや〜夢だったんですよね!先輩の家に泊まるの」
「どんな夢だよ」
女子が男子の家に泊まるのが夢とか、もしかして俺が知らないだけで女子はみんなそう思ってるのか?
「別に泊まりじゃないお願いでもいいんですけど」
「けど?」
「先輩にとってはお泊まりよりきついかもしれませんね!私にとっては·····くふふっ♡」
やばい予感がする。泊まりじゃなかったら俺は琴音に何をされるんだ.....しょうがない泊まらせるのが一番いい選択なのか
「今回だけだぞ」
「ありがとうございます!先輩!では私は1回家に戻ってお風呂入ってきます!」
「はいはい」
琴音は嬉しそうな顔をして荷物をまとめて
ガチャ
っと家のドアを開けて琴音は下の階の自分の家に戻って行った。
って言うか家に戻るくらいならそのまま自分の家で寝ればいいのに.....まぁ今回はしょうがないか、
俺も風呂入ろ。自分の部屋に行き着替えを持って風呂場に行きシャワーを浴びた。はぁ今日ほんとに失敗したな〜琴音に嫌な思いさせちゃったし、これからどうすればいいんだ俺は.....
シャワーを浴び終わりタオルで頭を吹いて用意しておいた着替えを着てまだ湿ったままの状態のままリビングにあるソファに座ってテレビを見ていると
トントントン
っとドアがノックされる音が聞こえた。琴音が来たんだな。玄関に行きドアを開けると
「おじゃましま〜す」
琴音はドアを開けた途端するりと俺の間を抜けていき家の中に入って来た。琴音の奴まるで猫だな。ドアを閉めリビングに向かうと既に琴音がソファに座っていた。
「早すぎるだろ.....」
「先輩!」
そう言いながら琴音は自分が座っているソファの隣を手でぽんぽんと叩いている。座れということなんだろうか、まぁ今日ばかりは琴音の言うことを聞くと決めてしまったしな、
俺は渋々琴音の隣に座ると琴音が腕にぎっしりと抱きついてきた。
「えへへ〜♡」
琴音から猫のように甘えた声でそう言いながら腕を離そうとしないんだが
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