これってもしかして○○なんじゃ

「いやぁ〜結構乗ったね〜」


「そうですね」


「明日は疲れで動けないな」


まさかジェットコースターを乗った後、他の乗り物を片っ端から乗っていくとは思わなかった。スマホを見るともう18時を回っていた。明日が休みで良かった〜、


「じゃあそろそろ帰ろうか」


「そうですね」


「あ、俺そこにあるデパートで食べ物買って帰るから先帰ってていいぞ」


遊園地から少し歩いたところにデパートがある。ちょうど冷蔵庫の中に何も無かったし近くにあるスーパーよりここで買っていった方が安く済むだろう。


「わかったじゃあ2人で先帰ってるぞ」


「じゃあまた学校で」


そう言ってデパートに向かって歩いているとRINE

が1件届いていた。送信主は琴音だった。


『先輩!家で待ってますから!』


と、何やら意味深な文章が来た。家って誰の家の事だ?·····もしかして俺の家.....なんてことはないか。鍵だってちゃんとかけたし、琴音が鍵もってるはずもないしな。とりあえず今は気にしないでおこう。デパートに着き無難な食材をカゴに次々と入れていった。


「今日はカレーにでもしようかな」


そんな独り言を呟きながらカレーのルーとカレーの具材をカゴに入っている食材の上に重ねて入れた。それをレジに持っていき


ピッ!ピッ!


と、お会計をしていき最後に


「レジ袋有料になりますが何枚いりますか?」


と聞かれた。あ、そう言えばレジ袋有料になったんだっけ、


「あ、じゃあ1枚貰えますか?」


「かしこまりました」


そう言ってレジ袋を1枚購入し、買ったものをレジ袋に詰めていった。レジ袋買うってなんかすごい違和感を感じたな、これからはこれが普通になっていくのか.....


レジ袋を片手に帰りの電車に乗り数十分電車に揺られながら電車の椅子に座り最寄りの駅に着くのを待った。駅に着き電車を降りて家がある方向まで歩いていった。辺りは暗くなっていて光は綺麗な月明かりくらいだ。月明かりに照らされた道をとぼとぼと歩いていると家に着いた。鍵を開けるために通路にレジ袋を置き鍵穴に鍵を差し込むと鍵がかかっていなかった。


「ん?確かに俺は鍵を閉めたはず.....」


もしかして泥棒に入られた!?俺は急いで扉を開けると


「も〜遅いですよ先輩!」


何故か玄関に琴音がたっていた。やばい泥棒よりヤバいやつが家にいるんだが.....


「遅いですじゃねぇよ!どうやって入ったんだ!?」


俺がそう聞くのがわかっていたかのようにポケットからキーケースを取り出し中に入ってる鍵を見せびらかすようにして俺に見してきた。


「お、おい、それって」


「はい!合鍵です♡」


「合鍵です♡じゃねぇ!それ普通に犯罪だからな!」


この子ヤバいんですけど、勝手に人の家の合鍵作っちゃってるんですけど.....


「先輩そんな大きな声出すとご近所迷惑ですよ?」


「あぁそうだな、って!お前なぁ」


「先輩そんな事よりご飯食べましょ!私がつくりますし!」


琴音は、食材が入っているレジ袋をキッチンに運んで中身を確認し始めた。


「あ〜今日はカレー作る気でしたね!先輩は、くつろいでてください!」


「あ、あぁ」


え?ちょっと待って俺の脳が状況に追いつく前にどんどん話が進んでくんだけど、何これ、まぁとりあえず休んでおけばいいんだろうか.....俺は部屋に戻りラフな格好に着替えた後ソファに腰かけた。ん?なんかこれ新婚みたいじゃないか?


「先輩!なんか私達新婚夫婦みたいですね♡」


琴音と同じことを考えてしまった。なんかどんどん琴音に汚染されているような.....

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る