お出掛け(中編)
「琴音ちゃん何乗りたい?」
「ん〜特にこれと言ったものは.....」
俺達は遊園地をぶらぶらと歩きながら遊ぶものを探した。乗り物を決める前に作戦に移るか。
「ちょっとトイレ行ってくるから2人で先行っててくれ」
「わかった」
俺は少し駆け足で2人から離れた。
よし!このまま体調が悪くなったとか言って家に帰ろ。入場料は仕方ないとして.....まだ遊園地に入ってすぐだったから出口まではすぐに着いた。
ここから出れば俺は自由だ!俺は出口から出ようとすると、俺の肩を誰かに掴まれた。
「先輩!なんで出口にいるんですか♡」
俺が後ろを振り向く前によく知っている声が聞こえてきた。ど、ど、ど、どうして琴音がここに!?
「え〜と体調が悪くなって、って言うか琴音こそなんでこんなとこいるんだよ」
「いや〜喉乾いちゃったので買いに来たら、先輩が逃げようとしてるのが見えたので止めに来ました!」
「いや、逃げようとした訳ではなく体調が悪いから帰ろうかな〜と」
まさか最後の最後で見つかるとは.....確かに出口の近くには自販機がある。だがなんてタイミングで来るんだこいつは!
「体調が悪いなら私が家まで送ってあげますよ!’’愛し,,の先輩を!」
ヤバいだろこいつ、どうしてこんな人のいる中でそんな事を言うんだよ!琴音が愛しのとか言うから俺ら注目浴びてるじゃねぇか!と、とりあえずこの場から離れないと、
「おい、琴音とりあえずここから離れるぞ」
「はい!」
俺と琴音は全速力でその場を立ち去り少し離れたところにあったベンチに腰掛けた。
「先輩バテすぎですよ〜」
「いや...バテない方がおかしいだろ」
流石もと体育系の部活に入ってただけあるな
「ところで琴音、大地は?」
「さぁ」
「さぁ、ってお前!」
俺が琴音にホントの事を言わせようとする前に
「先輩は、どうしてそんなに私と大智さんをくっ付けたいんですか?」
琴音が俺との距離を詰めてくる。今の琴音は本気の顔をしている。これは適当なことは言えないな、しょうがないホントの事言うしかないか、
「大智が琴音の事を好きだから手助けしようと」
「私は先輩が好きってずっと言ってるじゃないですか!」
それを言われてしまうと俺は何も返せない。俺がとった行動は間違いなく最低な行動だろう。
「·····ごめん」
「大嫌いです!でも大好きです!」
「それ相応の対価を払ってもらいます!」
これは仕方ない。俺がここで断れるはずもなく琴音に従う事にした。
「何をして欲しいんだ?」
「1つ目はもうこんな事絶対にしないでください!」
「わかった。」
「もう1つは.....」
琴音が2つ目の願いを言おうとすると琴音の顔徐々に赤くなっていき俺の耳元で
「2つ目は帰ったら言います」
「·····へ?」
今ここで出来ないことをさせられるのか.....まぁそれを受け入れるしかないな、俺は琴音にとって1番して欲しくなかったことをしてしまったのだから、今回は本当にやってしまったな.....
俺が心の中でめちゃくちゃ反省していると
「2人ともここに居たのか、探したぞ」
一人でいた大智が俺達を見つけて俺達方に駆け寄ってきた。
「ごめんごめん人混みで疲れてたから少し休んでた」
「私もそんな感じです」
俺が適当に言ったことに琴音も乗っかってきた。こういう時の対応は1級品だな
「大丈夫か?2人とも」
「もう平気だ、」
「私も回復しました!」
「あ、私あれ乗りたいです!」
そう言いながら琴音が指を指したのはこの遊園地の醍醐味でもあるジェットコースターだ。小さい頃に1回乗ったことがあるけどマジで怖い事は覚えている。
「じゃあ、あれ3人で乗ろうか!」
「ありがとうございます!」
「もちろん和樹先輩も乗りますよね!」
最低な事をしたお詫びに今日は琴音に従うか、
俺は座っていたベンチから立ち上がり、
「そうだな」
そう答え3人でジェットコースターの列に向かった。
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