後輩の幸せ

コンコンコン


家のドアをノックする音が聞こえる。俺の家にはインターホンがないので呼ぶ方法は、これしかないのだ。俺はその音で眠りから覚め目を擦りたがら玄関に出た。


「おはようございます!先輩!」


「ふぁ〜おはよ」


俺は眠りから覚めたばかりだったのであくび混じりの声になってしまった。琴音は白いワンピース白いバックを肩から下げていて、今日は白で統一していた。髪も少しいつもと違うように感じる。


「先輩眠そうですね」


「そりゃそうだろ」


俺はスマホを取り出し時間を見ると7時30分

はぁ、どうしてこんなに朝早くから後輩と一緒にいなきゃいけないんだ.....


「とりあえず中に入れてください!」


「あぁわかった。」


俺はまだ寝ぼけていて正常な判断ができていなかった。普通だったら琴音を家に返すところだ。


「先輩!私を家に入れることに抵抗無くなりましたね!」


そんな事を琴音に言われる始末だ。確かに最近、と言うか琴音が高校に入学してから毎日家に来ているような気がする。


「俺はもう少し寝るから適当にくつろいでくれ」


「いいんですか!?」


「起こすなよ?」


「了解です!」


琴音は敬礼をした。何やってんだかこいつは...でもさすがに冷たかった?いや、でもこのまま寝ずに出掛けたら確実に何かやらかす。こればかりは断言出来る。俺はさっきまで寝ていたベットに戻った。まだ時間があまりたっていなかったので少し温もりがあった。俺はベットに入って目を瞑ると徐々に意識が薄れて行った。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


作戦通り!先輩が朝弱い事は、知っていた。なのでわざと朝早くに来た!先輩は、必ず二度寝すると思ったから!でもただ先輩の家に居たいって理由じゃない。まぁそれもあるんだけどね!?私がやらないといけないことは大智さんに場所を教えること。昨日私が大智さんになりすましたから大智さんは今日集まる場所を知らない。なのでそれを伝えなければ!私は先輩のスマホをこっそり拝借した。


「さすがにロックかけてますよね〜」


スマホには4桁のパスワードを入れないと開かないようになっていた。でも先輩のことだから、っと私は脳裏に過った数字を入れた。


「やっぱり!」


私は先輩の誕生日を入力したらすんなりとロックは、解除された。RINEを開いて大智さんにメールを送信した。


『今日遊園地に行くから10時に駅集合な、ちなみに琴音も誘った。』


私は大智さんにそう送ってスマホを元の場所に戻した。本当は色んなことをしたかったけど先輩にバレたらまずいですからね.....朝早くに来たお詫びと言ってはなんですけど家事でもしてあげますかね〜、っとその前に!私はスマホを取り出し先輩の寝顔を撮った。あの時は音を消し忘れてバレちゃったし撮った写真は消しちゃったけど、今は大丈夫!えへへっ♡先輩の寝顔可愛いですね!もう大好き!今すぐにでも抱きつきたい!·····けど先輩がせっかく気持ちよさそうに寝てるんだしそっとしておこう。


「先輩のワイシャツ発見!」


私はハンガーにかけてあっあワイシャツをハンガーから外し先輩のワイシャツを羽織ってみた。


「先輩の匂い♡ふにゃ〜」


分かってはいたけど私にはダボダボだった。でも不思議としっくり来た。先輩の匂いに包まれて幸せです〜♡このままの幸せすぎて死んじゃいそう.....どうして先輩の匂いってこんなに落ち着くんだろう?この時私はワイシャツに夢中で気づかなかった。先輩が起きてこちらに向かってきていることを.....

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