登校
コンコンコン
俺が朝食を摂っているとドアをノックする音が聞こえた。あぁついにこの時間が来てしまったか...
本当に朝迎えに来るとは思っていなかった。と言いたいところだけど琴音の事だから絶対に来ると思ったよ。
「先輩の!琴音ちゃんが迎えに来ましたよ!」
「ちょっと待ってろ」
朝から元気だな〜しかも普通に先輩のとか言ったよな、いつから俺のになったんだよ...俺は残りを素早く食べ終えて鞄をもって玄関に向かった。
ドアを開けるとうちの制服を着た琴音が立っていた。うちの学校はリボンで学年を分けており2年が緑3年が青そして1年が赤だ。もちろん琴音の制服には赤いリボンが付いていた。
「くふふっおはようございます!先輩!」
「おはよ」
なんで琴音はこんなに笑顔なんだよ...学校に行くんだぞ?
俺は別に学校に行くこと自体は別にいい。ただ嫌なのは琴音に絡まれてるところを他の人に見られることだ。
「早く先輩行きましょ!」
俺の腕を引っ張って少し駆け足で学校への通路を歩き始めた。
「おい琴音離せ」
「いやで〜す!くふふっ♡」
ここは全然生徒が通らないからいいがそろそろほとんどの生徒が通る場所に出る。さすがにそこでこの状態のままだと色んな人に見られてしまう。それはまずい
俺は無理やり琴音を振り払う
「も〜恥ずかしがらなくてもいいのに!でもそんな先輩も好きですよ♡」
「そういう事を外で言うな!」
「家だったら良いんですね!」
もうヤダこの後輩.....
人通りが多いところでは、俺と琴音は少し距離を取って傍から見たら一緒に登校してるようには見えない距離を保ったまま歩いた。そんなこんなで学校に着いてしまった。
「先輩一緒に帰りましょうね!」
「あぁわかったから変な事するなよ」
「了解です!」
学校で変な事されるよりかは、一緒に登下校した方がよっぽどマシだ。っていうかそんなんで納得してくれるとは...俺は琴音と分かれたあと自分の教室に向かった。
「よぉ和樹」
「おはよ」
俺は軽い挨拶をして自分の身支度を始めた。そんな俺に大智は周りの人には聞こえないような声の大きさで
「なぁ琴音ちゃんってこの学校なんだろ?」
「なんで知ってるんだ?」
あれ?琴音がこの学校に入学したって言ってないはずだけど...
「だって琴音ちゃん新入生代表だろ?」
「そうだったのか」
確かに琴音は勉強が出来るから新入生代表に選ばれたのか、なんでいつもあんなアホなこと言ってるのに勉強は出来るんだよ...別に俺は頭は悪い方ではない。中学の時はいつも学年20位以内には、入っていた。だが琴音は毎回学年1なのだ。納得がいかない!
「で、その新入生代表の子が凄く可愛いってことで今すごい話題になってるんだぞ!?」
まだ学校始まって一日だよな?そんな一瞬で広まることなのか、いや今思えば中学の時もこんな感じだったな〜
「しかももう何回か告白されてるって噂もある。」
あって数時間で恋に落ちて告白って、どんだけ飢えてるんだよ新入生。気持ちは分かるが抑えないとやばい人認定されちゃうぞ
「そりゃすごい」
「反応薄いな」
「まぁな」
今更琴音が告白されたとか聞いてもなんとも思わないんだよな〜むしろ付き合った!っていう話を待っているんだが。そう言えば昨日の事大智に伝えておくか
「あ、あと琴音は積極的に来る人と相手の事を考えないでアプローチする人は苦手って言ってたぞ」
「まじで!?教えてくれてありがとな!」
「あぁ俺も出来る限り手助けするつもりだ!」
「さすが和樹」
この計画が成功したらみんな幸せになれる!しかも俺は琴音から開放される!そのためだったら俺は力を貸そう!そんなことを話していると、
キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ンと学校のチャイムが鳴り響いた。
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