買い物②&夜ご飯

「先輩!改めて聞きますが何が食べたいですか?」


「琴音が作ってくれるのか?」


琴音って料理出来るのか?アニメとかだったら大抵こういう場合料理が下手くそなのが普通なのだがまぁ自分から作ると言ってるのだからきっと出来るのだろう。


「当たり前じゃないですか!」


「まぁ簡単に作れるやつでいいぞ」


今日は色々あって疲れたので手軽なものがいいな

まぁ疲れた主な原因は琴音なんだが.....


「じゃあオムライスにしましょうか!」


「いいな〜オムライス」


オムライスなんて久しぶりだな。自分じゃ絶対に作らないし、もう1年近く食べてなかったから少し楽しみだ。


「では早速材料を調達しちゃいましょう!」


そう言いながら琴音は手際よく材料をカゴに入れていき気付けば材料が全て集まっていた。


「琴音手際いいな」


「まぁ買い物結構来るので」


俺達はレジに向かい会計を済ませた。レジ袋を琴音が持とうとしていたがさすがに女子に荷物を持たせるのは気が引けたため俺が持つことにした。

俺と琴音はスーパーから出て自宅に向かって歩き始めた。


「先輩ありがとうございます!男らしい先輩も素敵です♡」


「あぁわかったからそういう事を外で言うな」


「くふふっ恥ずかしがらなくても良いんですよ!」


なんで街中でこんな事が言えるんだよ.....

本当、俺以外のやつが聞いたら絶対勘違いするな


ドサッっ玄関にレジ袋を置いた。


「先輩お疲れ様です!では早速作っちゃいますね!」


「あぁありがたい」


琴音はレジ袋をキッチンの方に持っていき料理を始めた。包丁はリズミカルに音を出しながら具材を切っている。どうやら料理は出来るらしい。


「なにか手伝おうか?」


「大丈夫ですよ!そろそろ出来るので!」


そう言いながら溶いた卵をフライパンに流し込んでいた。キッチンから食欲をそそるような凄くいい匂いが漂ってきた。


「先輩完成したの持って行ってもらってもいいですか?」


「あぁわかった。」


俺は完成した料理をテーブルに並べていった。お店で出てきそうなどふわふわなオムライスにサラダ。久しぶりに誰かが作った料理を食べるな。

椅子は来客用のがあったのでそれに琴音を座らせた。


「いただきます。」


「どうぞ〜」


見た目は完璧だが問題は味だ。俺はスプーンで一口で食べれる量のオムライスをすくって口に運んだ。


「美味い」


「えへへ〜良かったです!」


これ冗談抜きで美味いぞ!久しぶりにこんな美味しいものを食べた。冷凍食品が1番美味しいと言っていたかつての俺を殴ってやりたり。世の中にはこんな美味しい料理があったのか。だが1つ気になる事がある。


「おい琴音どうして人が食べてるところをジロジロ見るんだ」


さっきから俺が食べてるところを琴音はずっと見ていた。俺はそれがむず痒く少し食べずらい...


「いや〜先輩が食べれる姿に見惚れてました」


「いいから早く食べろ」


「は〜い」


そういうと琴音はやっとご飯を食べ始めた。黙々と食べていたため、あっという間に俺は食べ終わってしまった。


「はぁ美味しかった。ご馳走様。」


「お粗末さまでした!」


「あと片付けは俺がやるから琴音はくつろいでくれ」


「ありがとうございます!」


さすがに料理を作ってもらった上にあと片付けをさせるのは申し訳がない。さすがの俺でも片付けぐらいなら出来る。久しぶりに洗い物をする。

こんな生活を親が知っていたらきっと悲しむな、

明日からはもう少しちゃんとしよ...洗い物をしながら俺は静かに決意した。

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